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サリエルの襲来から、2週間が経ち、風車の試作をガイスに頼み。共同で完成させることができた。ガイスの作業場に隣接させ、鍛冶の設備として、 ふいごと 大槌、研磨に風車の動力を使う。ガイスは、この画期的な設備に感動して男泣きしていた。間違い無く、この世界では鍛冶の技術水準は最高のものとなったはずだ。ガイスに試験運用をしてもらい、順次風車を増設して設備を拡張していく予定だ。


話は変わり俺は、クリフトを連れて無神の集落に訪問していた。人口200程の集落は狩猟がメインの小さい村であり、サリエルの略奪に対し、反抗的な態度をした為、村長は見せしめに殺害され、今は村長の娘のマイアが村長代行となっていると教えてもらった。



マイア


 種族 人間ヒューマン 女性 19歳


 レベル 22

  HP 86/86

  MP 52/52


筋力 43

耐久 19

俊敏 48

魔力 22

器用 34



 スキル


  【二刀流】

長剣術と短剣術を使い双剣乱舞を行うことができる


魔法


土 レベル 4

風 レベル 3

水 レベル 3

火 レベル 2


短剣術 レベル9

長剣術 レベル13

騎乗術 レベル5


マイアは、村長の娘としての肩書きだけでなく、剣士としても一流の実力を持ち、村の中では剣姫と呼ばれているようだ。


「マイア殿、ガザルの勢力に対抗する為には、我々が共に勢力として合わさることが必然だと思うのです」


クリフトは、マイアに対して、都市レアルに移り住み、レアルの民として生きて欲しいと力説していた。


「豊穣の神レアル様の民になれと言う訳ですね?」


「はい。我々の仲間として都市に定住して欲しいのです」


「我々は今まで、どの神も信仰すること無く生活してきた民族です。我々が都市レアルに定住しても、奴隷の様な扱いになるのではないですか?邪神ガザルも豊穣の神レアル様も、今の私達には、さほど違いは感じられません」


マイアは、真っ直ぐな気持ちをクリフトにぶつける。クリフトが再度説き伏せ様とした所で、俺は、クリフトに向け手をかざし制した。


「そんなことは、絶対にしない!レアルの子、ルーフィンがマイア達の民も同族として保護しよう。母レアルの子となり共に歩む道を選んでくれないか?」


「英雄ルーフィン様が我々を保護してくれるのですか?口で保護すると言われても、200人を受け入れる施設も、食糧も無いのでは?」


「家については、当面は、仮設の家に入ってもらうことになる。食糧については、問題無い!ただ都市レアルに住むので有れば、同族として仕事はして貰う。対等な立場で民として暮らし、外敵には協力して都市を防衛してもらうことが前提だ」


「我々は、全てが戦士な訳では無いです。戦えない者は、都市では、お荷物なのではないのですか?」


「戦えなくても、都市の為にできることは有る。年老いて動けないので有れば、先人の知識を次代に受け継がせれば良い。戦いは、武力の有る者に任せれば良いのだ。家庭を築き民として生きることが重要だ!このまま邪神ガザルの蹂躙を受け滅ぶのを待つ気か?」


マイアは、真っ直ぐな瞳を俺に向け、頭を下げる。


「ルーフィン様、私は、貴方を信じることにします。全ての仲間に話をして理解を得る必要が有るので時間を頂いて宜しいですか?」


「構わない!他の集落にも声をかけて貰えたら助かる」


「わかりました!しかし、周囲の集落だけでも600人近くの民が居ます。無神の隠れ里も含めれば1000人程の民が集まるかも知れません。それでも食糧や家などは、問題無いのですか?」


「問題無い!あと二ヶ月もすれば収穫期に入る作物も有る。農地も随時拡張中だし、豊穣の神の都市を侮ってはいけない」


「わかりました!必ずや貴方様の元に周囲の民も引き連れて参ります」


マイアとの会談は、終了し俺とクリフトは都市レアルに戻ることにした。


◆◇◆◇◆


都市レアルに戻り俺は、土魔法を使える兵士全員に指示を出した。農地の更なる拡張と 石壁ストーンウォールの魔法を使い、簡易の仮設住宅を作る。他の兵士達には、森に自生していた稲の収穫と栽培出来そうな自生植物の採取を優先的に対応させた。


「クリフト!荷車を付けた馬車を出来るだけ準備してくれないか?」


俺は、徹夜して作成した移民計画書を、資料大好きクリフトに手渡し、指示を出す。


「わかりました!何方に使用する予定ですか?」


「採石場に向かわせる!岩塩を最優先で確保して欲しい。約3000人の人々が1年程使える量を備蓄したい」


クリフトは、資料に目を通しながら、コクリと頷き足早に兵舎へ走って行く。俺は、クリフトを見送った後、アリアを連れてガイスの元に向かった。ガイスの作業場は、風車の動力を得て更に活気付いている。俺の姿を見つけ、ガイスは、新たに製作されたと思われるスピアを片手に持ち、歩み寄り、俺の肩を抱きしめてきた。


「ルーフィンよ!お前の考えた技術は、素晴らしいな!作業効率もさることながら、鉄の品質も格段に良くなった」


俺はガイスの真似をしてニヤリと笑い、徹夜で作成した図面をガイスに手渡す。


「これは!!」


ガイスが見ている図面は、防衛用のバリスタと投石器、連弩と、クロスボウの設計図である。

バリスタは、長距離射程の固定式の槍の様な矢を発射するもの、投石器は、てこの原理を利用した石を投石するもの、連弩は、発射台から複数の矢を発射できるもの、クロスボウは、携帯用の弩である、一般の兵士に携帯させ、長弓の練度の低い兵士に運用させる予定だ。


「この設計図を元にして試作品を作ってくれないか?」


「また、凄い物を考えつく物だな!」


ガイスは、設計図を眺めながら溜息を漏らす。ガイスは、また忙しくなることがが分かっているのだ。この防衛兵器の試作品が完成すれば、必ず量産することになることを…。


「また更に忙しくなると思うが、邪神ガザルとの戦いは、7ヶ月後だ!それまでには、防衛兵器を設置し、運用の訓練をしなければならない!」


ガイスは、わかってると言わんばかりに手を振り応える。


「わかったわかった!お前の頼みだ!必ず完成させて見せる。出来なければ滅びるだけだからな」


俺は、ガイスに頼むと礼をし作業場を後にした。


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