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あれから更に3週間が経ち、入り浸りは出来ないが、俺はガイスの元に通いスピアの製作も出来る様になっていた。なぜに、鍛冶のことばかりやっているかと言えば、鍛冶のスキルが今後の行動に必須になるからだ。話は変わりクリフトの頑張りも有り、ガイスの元に18人の新たな弟子が増え、作業場の拡張も行われた。ガイスは、量産体制を確立する為に弟子の指導に全力で取り組んでいる。


農地の拡張も順調に進み、フェルサ畑や、ぶどうの木やオリーブの木の植樹などもされ、豊穣の神を崇める都市に相応しい、風景が其処にはできていた。収穫期が楽しみである。


そして現在俺は、新しい技術の開発に力を入れている。俺は図面を書き、必要となる部品を作っていた。


「ルーフィン様!何を製作されているのですか?」


アリアは、俺が製作している物に興味津々で聞いてきた。


「都市レアルは、風が強いだろ?風車を作ろうと思っている。」


今製作しているのは、風車の理論が分かる様にする為に、ミニチュアサイズの風車を製作中である。


「風車? ですか!?」


この世界に来て気づいたことは、文化レベルが中世の知識よりも低いことと、魔法が有る為に、魔法で解決しようとしてしまってる節が見られることである。その割に鉄の技術が有ったりするが、脱穀機や製粉する道具は原始的な物が多い。

都市レアルの内部に川が無いことも起因しているのかも知れないが、水車の概念も無いようだ。


「風の力を使って色々な道具を動かす物だ!これが有ると生産力は格段に上がる」


アリアは、子供の様に目を輝かせ、俺の説明を聞き、徐々に組み上がっていく風車に感動していた。

俺とアリアは、組み上がった風車のミニチュアと図面を持ってクリフトの元に向かう。執務室に向かう途中で、クリフトが俺を見つけ、慌てて歩み寄る。


「ルーフィン様、今直ぐ隠れて下さい!」


クリフトは、俺の腕を掴み、足早に俺の部屋に進む。


「クリフト! 理由を教えてくれ」


部屋に入り、クリフトを見つめる。


「邪神ガザルの徴税吏官が、我が都市に向かっていると情報がありました。今、ルーフィン様の存在を明かす訳にはいきません!」


「徴税吏官が、収穫前に来るのは良く有ることなのか?」


「いえ、収穫前に来ることは珍しいです。ただ今回は他の都市にも視察で訪問している様なので更なる課税と称しての略奪が目的ではと考えてます」


「面倒な相手だな…他の都市は、素直に従ったのか?」


「詳細は、不明ですが、徴収に応じたものと考えられます」


「ガイスのとこの武器は隠したか?あれも今は見つかる訳にはいかない」


「はい!今日は作業を中止させ、武器についても地下にある蔵に隠しております」


「外壁の補修工事も中止させてくれ」


「あと、徴税吏官の要望には、従え!泣き落としを加えながら、被害は最小限にし敵意が無いと見せてもらいたい」


「わかりました!あちらの要望は、食料関連と思われます。極力刺激しない様にします」


「今回は、従ったとしても、次回は抵抗するつもりで準備する。クリフト耐えてくれ」


クリフトは、わかりましたと頷き、神殿中央へ向かった。街にいる兵士達には、泥を体に付け少しでも、みすぼらしく見せる様に指示し、住民については、家から出ない様に指示しておいた。軍馬については、数十人の兵士が森に連れて行き、視察が終わるまで隠れることになっている。


数時間後、邪神ガザルの徴税吏官の一行が都市レアルに到着した。

徴税吏官は総勢12人、その中の中心に立つ男は、いかにも私腹を肥やしてますと言わんばかりの下衆な表情を浮かべ、クリフトに歩み寄る。


「邪神ガザル様の使徒、徴税吏官のサリエルだ。今日は臨時徴収で訪問した」


サリエルは、 人間ヒューマンで年は40ぐらい。引き連れている部下は、ゴブリンウォーリアとオークである。サリエルの部下達は、クリフトに対し威圧的な態度で牽制してきている。


「臨時徴収でございますか…。我が都市は、収穫時に6割の食材を税として納めております。次の収穫まで我が都市の備蓄はギリギリの所にあります。」


サリエルは、フンと鼻を鳴らしクリフトの胸ぐらを掴み、クリフトの腹に拳を放つ。


「貴様らの要望など聞くつもりは無い。食糧を出すか、征圧されて滅びるかの何方かだ」


クリフトは、腹を抑え泣きながら、サリエルに答えた。


「わ、わかりました。食糧倉庫へ御案内致します…。ですが、全て持って行かれると私達も餓死してしまいます。次の収穫後の税をサリエル様に…」


サリエルは、ニヤリと下衆な表情を更に歪ませる。


「よく分かってるじゃないか。今回は、貴様が用意する食糧で手を打つ。次の収穫時は、わかってるな?」


クリフトは兵士を呼び、徴収用の食糧を準備する様に指示を出す。


「は、はい。次の収穫時期には、必ずやサリエル様の期待に…。今年は、雨が多いので収穫時期は、7ヶ月後になるかと農耕従事者から聞いております。その頃にサリエル様に来て頂ければ幸いです。」


(このサリエルは、臨時徴収とは名ばかりの私腹を肥やす為に来たものと判断できる。次の収穫時に必ず奴は来るだろう。都市レアルは、謀反の気は無しと報告してくれればありがたい。)


クリフトは、サリエルに金貨の入った袋を更に渡し、機嫌を取る。


「都市レアルは、従順で良い心掛けを持ってるな!先に訪問した都市や集落は、反抗的な態度を取った長は、その場で死に失せたぞ」


ガハハとサリエルは、笑い、無神の集落や鍛冶神ラエルの都市での略奪を自慢気に話し、食糧倉庫に足を進めた。


兵士が用意した食糧を満載した荷車を見て、サリエルはニヤリと笑い、部下達に指示を出す。荷車を馬に引かせ、ホクホク顔でクリフトに告げた。


「貴様は、良い判断をしたぞ!7ヶ月後にまた来る。」


クリフトは、深く頭を下げサリエルを見送り、視察は無事終了した。


その後、クリフトから詳細を聞き、慰労する。


「クリフト、上手くやってくれたな!感謝する」


クリフトは、にこやかに微笑み、サリエルが目先の欲に踊る低脳で良かったと毒を吐いていた。


俺は、今後についてクリフトと調整し、無神の集落を都市レアルに吸収出来ないか相談していた。今は、人材は、少しでも多い方が良い。サリエルに蹂躙されているのであれば、食糧難と、次の徴収で滅される可能性も有るからだ。


7ヶ月後に来る戦乱に備えて、俺は、都市防衛のプランを再考することにした。




  ルーフィン


種族 エルフ 男性 14歳


 レベル 31

  HP 142/142

  MP 151/151


筋力 54

耐久 29

俊敏 44

魔力 38

器用 63



 スキル


   【神眼】

対象のスキルを見ることで模倣 (コピー)し自身のスキルとすることが出来る。但し身体的能力や魔力が伴って無い場合は、完全には再現出来ない


   【鑑定】

対象を見ることにより、分析することが出来る


【大地の加護】


豊穣の女神レアルの加護により、大地に関わる全ての物から力を得ることが出来る


【豊穣の女神の知識】


豊穣の女神レアルの知識を元に、アースガルドの知識を得ることが出来る



   【サジタリウス】10/10


弓を用いた狙撃。正確無比の遠距離射撃を行うことができる


【風の加護】10/10


風の精霊シルフィの加護により、風魔法の威力を底上げする。


【大地の理】10/10


豊穣の女神レアルにより、土・水魔法の威力を底上げする。


【鍛冶師の理】10/10


長年の経験により素材の声を聞き技量の底上げができる


魔法


土 レベル20

風 レベル13

水 レベル16

火 レベル11


長弓術 レベル9

騎乗術 レベル5

短剣術 レベル9

長槍術 レベル4


鍛冶師 レベル14


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