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2/12

…大地の民よ、我が子ルーフィンが悪しき呪いより目覚め、導くであろう…



神殿の中心にあるレアルの像より声が響きわたる


体が動かない…


熱を帯びながら何かが砕け落ちる音が聞こえる。


歓喜の声が響いていた。


俺は、殻を破る様に石像と化していた体を動かす。体についている石がバラバラと剥がれ落ち大理石の床に膝をついた。


「ルーフィン様!」


俺が倒れこむのを見て、白い神官の様な服を着込んだ男が走り寄り俺を抱え込む。


「ここ…は?」


掠れそうな声を出し、俺は神官に問いかけた。神官は泣き出しそうな表情をしながら俺の手を握り締め、俺に告げる。


「ここは、レアル様の神殿でございます。ルーフィン様は、悪しき呪いにより封印されておられました。」


神官に向けて頷きながら再度俺は意識を手放した。



◇◆◇◆◇



見慣れない天井を見上げながら俺は意識を取り戻す。


「う…ん。」


気が付くと俺の横にエルフの女性がそばに着き俺の様子を見ていた。


「ルーフィン様、お身体の調子は如何ですか?」


「体は、大分楽になったよ。君は、俺の看病をしてくれてたのかな?それと、様付けは無しで!呼び捨てで頼むよ」


目の前の女性は、狼狽し頭をブンブン振りながら、返答してきた。


「呼び捨てなんて出来ません!ルーフィン様は、私達を導く希望の光。尊いお方なのですから」


「様付けは、理解したよ。。所で、君の名前は?」


「あっ。申し遅れました。私は、アリアと申します。摂政をしてます父から、ルーフィン様の護衛として仕える様に指示を受けました。命に代えてもルーフィン様を守るのが使命です。」


俺は、頭をポリポリ描きながら、アリアを見つめる。


「アリアさんね。ルーフィンです。よろしく!あと俺といる時は敬語は、禁止ね」


「は?よ、よろしくお願い致します。」


「ほらまた敬語になってる!敬語は禁止!フレンドリーに話してくれないと俺から話かけないよ〜」


アリアは、困った顔をしながら、再度ブンブン頭を振り懇願してきた。


「私は、ルーフィン様の剣となり盾となる者です!どうかこのままで居させて下さい。」


俺は、アリアの懇願に折れ、そのままで良いと話をし、自分が記憶を失ってしまっていること、戦闘能力も失っており一から修練しなければならないことを告げ、都市レアルの状況を教えて貰うことにした。


「都市レアルは、現在1500人程の人口を有する都市です。人口の7割がエルフで残りの3割が 人間ヒューマン を中心にした多人種が住んで居ます。そのうちの半分が兵役についており、残りの半分が農耕と狩猟を行い都市を維持している状態です。」


「農耕と言ってたけど、主な生産物は何になるのかな?」


「主な作物は、小麦です。後は、都市の側にエルフの森があるので、そちらから葡萄とオリーブを採取して特産品として他の都市と交易してます。」


俺は、ふむふむと頷きながら、更に質問をぶつける。


「周辺の敵対勢力と友好勢力について知りたい。」


「都市レアルの北方に邪神ガザルを主神と崇める都市があります。そちらの人種は、ゴブリンとコボルトを主体とする亜人の都市で、人口7000人程の勢力が有り、現在我が都市は、納税の義務を押し付けられて、小麦の生産の6割を摂取されています…友好勢力については、我が都市の東方に鍛冶の神ラエルを崇めるドワーフと 人間ヒューマン を主体とする都市で人口1000人程の勢力で都市ラエルは、大麦と武器の納税を課せられいるはずです。西方に、無神の小さい村が点在しており、各村の人口は、100〜200人程度と聞いています。村は、三箇所に点在しており、狩猟した素材を納税として納めている様です。」


「納税に応じなければ戦争になるのか?」


「戦力差が大きい為、戦争になりません。納税出来なければ奴隷として連れて行かれます。」


アリアは、悔しそうに説明し、俺を見つめていた。


(敵対勢力が大き過ぎる…国力を高めて同盟勢力を増やすしか現状は厳しいか?まずは、現状の確認だな…)


暫し思考を巡らせているとドアをノックする音が鳴り、神官の出で立ちをしたエルフの男性が入室してきた。


「失礼します。お目覚めになられたのですね。お身体は大丈夫ですか?」


「体は大丈夫です。貴方は?」


神官は、礼をしながら自己紹介を始めた。


「申し遅れました。私は、都市レアルの神官クリフト。そこに居るアリアの父親であります。」


「都市の執務をされているとアリアから聞いてました。よろしくお願いします」


クリフトは、驚き直様歩み寄ってきた。


「ルーフィン様、こちらこそ宜しくお願い致します。」


「さっきまでアリアから都市の情勢を大まかに聞いていたのですが、これからについて教えて頂ければ幸いです。」


「ルーフィン様、畏まらないで頂きたい。私は、貴方様の補佐をする者です。主神レアルに誓い、貴方様に身命を捧げます。」


俺は、先程と同じ様に頭をポリポリ描きながら、わかったと伝えクリフトの話を聞くことにした。


「アリアから聞いたとは思いますが、我が都市は、邪神ガザルの勢力に不平等な属領の扱いを受けております。今回、ルーフィン様が復活されたことは内密として動き時期を見てガザルと対抗できる様に力を蓄えて頂きたいのです。ガザルからの徴収が半年後にあります。今回の徴収は、相手の指示に従い動くつもりです。」


「半年の間に自身の能力を高め、目立たない様に内政に力を注げば良いのかな?」


「はい。その通りでございます。」


俺は、クリフトに都市の内政について資料を作って欲しいと伝えると、明日までに資料を準備し、視察をして頂きたいと返答を受ける。クリフトは、資料をまとめると言い、俺に一礼すると退室して行った。




「さて、取り敢えず、自分自身の護身術を身につけたい。あと兵役についている者で秀でている者も数人紹介して欲しい」


アリアは、わかりましたと頷き、俺を伴い訓練所に足を運んだ。訓練所には、他のエルフや 人間ヒューマンが訓練を行っているのが視界に入る。アリアは、訓練用の弓と短剣を持ち出し、俺に渡してきた。


「私は、弓と短剣、騎乗が得意です!そちらであれば、私で御指導させて頂きたいと思います!」


「よろしく!」


俺は、返答しながら、鑑定を使いアリアの能力を観察する。




アリア


 種族 エルフ 女性 17歳


 レベル 14

  HP 53/53

  MP 82/82


筋力 14

耐久 9

俊敏 29

魔力 26

器用 22



 スキル

  

   【サジタリウス】


弓を用いた狙撃。正確無比の遠距離射撃を行うことができる

  

【風の加護】


風の精霊シルフィの加護により、風魔法の威力を底上げする。



魔法


土 レベル 4

風 レベル12

水 レベル 3



短剣術 レベル3

長弓術 レベル7

騎乗術 レベル5


確かに、弓の能力が高い。風の加護も受けている様だし、この世界の戦闘能力について全く知らない俺は、アリアの演武を神眼を使い凝視することにした。


アリアは、弓を構え、訓練用の的に目掛け矢を射る。バシュ、バシュ、っと弦の音を鳴らし的を射抜き始めた。俺は神眼を使いアリアの動作を脳内に記憶する。

アリアは、一連の動きを見せてから次は、俺に練習して欲しいと話をしてきた。




弓を構えアリアの動作を模倣する。

的を狙い矢を放った。アリア程ではないが、的の中心を僅かに外れ命中する。


「お見事です!」


アリアは、にこやかに笑みを浮かべ歩み寄る。俺は、マグレだよと言いながら自身のステータスを確認して見た。




  ルーフィン


種族 エルフ 男性 14歳


 レベル 1

  HP 13/13

  MP 19/19


筋力 8

耐久 3

俊敏 6

魔力 4

器用 6



 スキル

  

   【神眼】

対象のスキルを見ることで模倣 (コピー)し自身のスキルとすることが出来る。但し身体的能力や魔力が伴って無い場合は、完全には再現出来ない

  

   【鑑定】

対象を見ることにより、分析することが出来る


【大地の加護】


豊穣の女神レアルの加護により、大地に関わる全ての物から力を得ることが出来る


【豊穣の女神の知識】


豊穣の女神レアルの知識を元に、アースガルドの知識を得ることが出来る


   【サジタリウス】1/10


弓を用いた狙撃。正確無比の遠距離射撃を行うことができる



魔法


土 レベル1

風 レベル1

水 レベル1



長弓術 レベル1


   


サジタリウスと長弓術を覚えているがサジタリウスの表示の仕方が気になる。1/10ってことは、1割の修得ってことなのか?まだまだスキルについて不明な点は有るが、神眼の能力が凄いことは理解できた。


「アリア、もう一度、弓の手本を見せてくれないか?アリアの持つ弓の技術を全て見せてくれ」


「わかりました!私の弓の全てをご覧ください」


アリアは、再度弓を構え、的に目掛け矢を放ちまくる。俺は、神眼を使いアリアの技術の全てを頭に叩き込んだ。その後アリアの技術を頭で理解し、実践してみる。サジタリウスの表示は、6/10まで上がり長弓術はレベル3まで練度を上げることが出来た。


「ルーフィン様、瞬く間に弓の技能をマスターしてますね。流石です!」


「ありがとう。アリアの教え方が上手いんだよ!」


アリアは、頬を赤らめ照れた様子で体をクネクネさせている。


「アリアー。アリアさーん!」


「はっ。失礼しました。ルーフィン様、次は何を成されますか?」


「次は、馬に乗れる様になりたい!御指導よろしく」


「わかりました!馬を用意して来ます。ここでお待ちになってて下さい」


「了解。来るまで弓の練習をしてるよ」


俺は、弓を構え再度矢を放ち修練を積んでいく。やはり神眼は、目で見ただけでは不完全で実践することによりマスターできる様に思える。見ただけで予備動作や流れを掴むこと

ができるから上達度は、かなりのペースであることは間違いない。弓を初めて持ったにも関わらず、一発目から的に当てれるレベルなのはチートと言えるだろう。色々考えながら弓を放っているとアリアが馬を2頭引き連れて戻ってきた。


「ルーフィン様、こちらの馬に騎乗して頂きたいと思います。」


アリアは、美しい馬体の白馬を俺に預ける。


「アリア、先にアリアの手本を見せて欲しい」


当然、馬に乗ったことのない俺は神眼頼みだ。見てからでないと怖くて乗れません。


「了解です!」


アリアは、颯爽と馬に跨り馬術を披露していく。


「凄いな。華麗な手綱捌きだ」


神眼でアリアの動きを理解し、俺は白馬に跨る。アリアに並走する形で練習を始めた。並走しながらアリアの一挙一動を 模倣コピーしていく。数時間の練習で騎乗術のレベルは3まで上がり、騎乗しながら弓を放つのも合わせて行うと長弓術は、レベル6になり、騎乗術は最終的にレベル5まで上がることができた。


その後、他の兵士の長弓も 模倣コピーし長弓術は最終的にレベル8まで上がりサジタリウスは10/10となり完全にマスターすることができた。






  ルーフィン


種族 エルフ 男性 14歳


 レベル 3

  HP 23/23

  MP 19/19


筋力 14

耐久 3

俊敏 10

魔力 4

器用 16



 スキル

  

   【神眼】

対象のスキルを見ることで模倣 (コピー)し自身のスキルとすることが出来る。但し身体的能力や魔力が伴って無い場合は、完全には再現出来ない

  

   【鑑定】

対象を見ることにより、分析することが出来る


【大地の加護】


豊穣の女神レアルの加護により、大地に関わる全ての物から力を得ることが出来る


【豊穣の女神の知識】


豊穣の女神レアルの知識を元に、アースガルドの知識を得ることが出来る



   【サジタリウス】10/10


弓を用いた狙撃。正確無比の遠距離射撃を行うことができる


魔法


土 レベル1

風 レベル1

水 レベル1



長弓術 レベル8

騎乗術 レベル5

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