夏生詩集2 故郷 作者: 夏生 掲載日:2014/05/23 やさしい声でやさしいことを 言う 恐れているから 壊れないように 壊さないように わたしのささやかな故郷に なじって責めて 恨んだこともあった 消えてほしいと思ったことも 愛せないのは罪ではなく 罰かもしれない 憤りの矛先は自分に向かった 私がどう思うと、考えようと 時の砂は 下へ下へと吸い込まれてゆく 憐れみなど持ちたくない 可哀想に、なんて泣きたくない やさしい声でやさしいことを 言う 私を胸奥に閉じ込めてから 砂が落ちきる音が聞こえるまで