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3/13 教訓


教訓とするのなら、出したものは元あった場所に。


耳掻きは机の上でなく引き出しの中に、マウスは床でなく机の上に。


耳かきは結局机の横にあったし、ベッドの足が降りる丁度の地点にマウスは密かに倒れ伏していた。




明日の朝が早い時、最も有効的な対処法は早く寝ることである。


日付が変わるよりも前、可能ならそれより2、3時間前には床につき、ブルーライトによって活性化した脳を落ち着かせ、朝早くからの予定を完璧な状態でこなすべきである。


例によって明日の予定が早朝八時、起床時刻が朝六時前後であった私は早々に床に着いた。


部屋の電気とパソコンを消し、ヒーターのタイマーをセットし、ホカロン靴下を履く。


クッションはベストポジションで、外を車が走る音を聞きながら微睡に落ちていく…。


…。


……。


………。


落ちていかなかった。


落ちていったらそもそもこの日記は書かれていないわけで、事前に書いてあったのは完全に陳腐化した訳で。


原因は些細な事だった。


なかなか睡魔が訪れない中で寝返りを打ったタイミング、耳に入る異音。


耳垢が奥の方を移動しているのを感じた。


眠気がなかなかこなかったことと、この事象へ苛立ちもあり耳の中を転げ回るこいつを排除してしまおうと思った。


耳かきは嫌いな方ではない。


前回やったのもつい最近だし、記憶が正しければ耳かきは机の方にあったはずである。


とはいえ、メガネもコンタクトももうない。


付けようと思えば付けれるが、視力の補正は眠気の減退を招くことをこれまでの人生で学習してきた。


今の状況、耳垢を早々に取り除き、完全なリラックス状態の中で眠りにつくためには眠気は千金よりも価値があった。


わずかな光に照らされた部屋からぼやけた視界で探す。


パッと見耳かきは机の上になく、手で弄ってみてもそこにはない。


もしや机の横に落ちたか?

諦めるべきか?


だが、今ここで諦め、眠りにつくまでにこの耳の違和感を抱えて生きていくのか?


異物感は結果的に私をベッドから完全に下ろす事に成功し、そして地面についた右足は私を差し置いてスリープモードにあったマウスを踏みつけた。


虎の尾を踏んだ場合、それは勿論虎を叩き起こし、なんやかんやあってバターを作り出したり我が友だったりする事があるのだが、マウスを踏んだ場合どうなるのか。


飛び起きたマウスの叫び声は、同様にスリープモードにあったパソコンすら目覚めさせた。


直後、光り輝くモニター、鳴り響くゲーム音。


ブルーライトを突き刺される眼球。


展開されたままだったYouTube、活動者の声を100%で聞かされる耳。


そして、目と耳からの刺激を受け完全覚醒に至った私の脳みそ。


床に着いてから1時間進んだ時計と、今後数時間の不眠が確約された事に対する予感が絶望感を滲ませる。


絶望のままにどうせなら脳を疲れさせまくろうとスマホを手に取り、予約されていた日記を削除し、そして今である。


私はどうすれば良かったのでしょうか。


パソコンの電源を完全に切っておくべきだったのか、マウスをちゃんとしまっておくべきだったのか、


いやそもそも、耳かきがすぐ手に届く範囲になければこんな事も起きなかったんじゃないでしょうか。

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