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3/4 すべての悪意


不平不満は多くの場所に点在するものだが、その原因となる物事が全て悪意によって満たされているかと言われればそういうわけでは無い。


例えばこの洗濯機。


私の住むマンションに設置されているコインランドリーの洗濯機で、つい1ヶ月ほど前交換されたそれではあったが、見た目は一切変わらず、設置完了後すぐウキウキで洗濯しに行った私に「何が変わったんこれ」の思考を植え付けたものである。


20年前から飛び出してきたような古い縦型洗濯機。

なるほど確かによく見れば側面についた傷やロック機構の中に入り込んだ糸屑などはなくなっているが、何にしても何でわざわざ新しいものに取り替えたのがこれなのか。


こんな古い型の洗濯機がこのご時世どこに売られているのか。


いくつかの不満が漏れ出て止まらないが、しかしやはりこの洗濯機が悪意によって設置されたというわけでは無い。


いやむしろ入居者の洗濯生活を快適にせんという管理人の心遣い、すなわち善意によるものであった事は想像に難く無い。


つまるところ、「とりあえず今ある洗濯物全部突っ込んで、あ、あとバスタオルと布団カバーもやん無いといけないじゃん、ついでに入れちゃお。」で洗濯機の容積の1.2倍弱を占めている私産の洗濯物が山を形成していることに、一才の悪意及び怠惰はなかったということである。


洗濯物はもはやある種のオブジェのように積み上がり、どう考えても入らないであろう穴の中に無理やり詰め込まれたそれは窮屈さを訴えるように皺を作っている。


やばいかな。


無理かな。


しかしコインランドリーである。


できれば一つに抑えたいというのが人間心ではなかろうか。


給水が始まる。


水が音を立てて洗濯物に降り注ぐ。


て、ああまた洗剤を先に入れるのを忘れた。

結局乾燥を諦めて二つで回しました。


「大量の洗濯物を無理やり一つの洗濯機で回した挙句、新品の洗濯機をぶっ壊した。」


の文から悪意及び怠惰を排することはどうしても出来なかったので。

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