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2/26 詰み

生きていると詰みの状況に追い込まれることが多々ある。


それは電車内、充電残量1%になったスマートフォンを握りしめた時であったり、締め切り30分前にして全体の5%も終わっていないレポート課題であったり、冬の寒路、突風によって吹き飛んだ傘が私を雨から守ることを放棄した瞬間などである。


世界は隙あらば私たちを冥界へと追い出さんとチャンスを虎視眈々と伺っているのだ。


とは言えそれら全てがどうにかなった末が今の私であり、世界の策略に1人立ち向かい打ち勝ってきた私からして、数多くの困難はもはや日常の一部と化していた。


しかし、今回ばかりは世界の方に軍配が上がったことを自覚せざるを得なかった。


目覚めたのは午後13時。


最近24時間遊んで12時間寝、8時間動いて4時間寝るという擬似ラマヌジャン的生活をしている私にとって、日が全盛を終えた外の景色が朝一番になるのはもはや日常であった。


だが、それがいつもの一日ではない事に気づくのにさしたる時間はかからなかった。


信じられないくらい腹が減っている。


昼まで寝ている関係上、朝ごはんは強制キャンセルになる。

しかし、それにしたって腹の減りようは普段のそれを遥かに凌駕していた。


部屋内に食料は一切ない。


昨日食べきったコメダの豆菓子100袋の抜け殻がゴミ袋の中に張り付いている。


全身の力が抜けていくのを感じる。


昼ごはんの用意はない。


夕飯までの辛抱だった。


気を紛らわせるため、スマートフォンを眺める。


思えば、この段階でUberなり7NOWなりをするべきだったのかもしれない。


日が傾いていくにつれ、何かを頼むのにも食べるのにもどうしようもない手遅れ感が増していく。


軽食だ。


何とか意思を奮い立たせ外に出ようとしても、減りすぎた腹からは体を起こすエネルギーを捻出できない。


詰んだ。


腹が減っているのに食べるためのパワーが足りない。


無理に寝ようにも空腹は眠気を奪い去る。


今この瞬間において三大欲求のパワーバランスは完全に崩壊していた。


これまで何十年と世界からの攻撃に耐えきっていた1人の英雄は、ここにきてついに敗北を受け入れる事となったのだった。

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