2/1 無気力な泥
今日なーんにもしてねぇなぁ。
枕に頭を横たえ、胴体に垂直に働く重力を感じながら思う。
時刻は太陽が完全に建物の合間に消え、藍も青もない完全な黒に夜空を変貌させた、18時半である。
下宿先の周辺は、1週間に一回はバイクとパトカーとのチェイスが行われるでお馴染みの治安の悪さだが、今日は丸一日、少なくとも目を覚ましてから今までは平穏そのもので、緩やかな空気感を刺すような冷気が横から通り抜けていた。
なーんもしてない。
部屋の電気は付いていない。
つけるだけの気力が今の私にはなかった。
外を走る車のヘッドライトが、ベランダ先の曇りガラスを照らすのが見える。
何もしていないというか、今日という枠組みのみに限定するのなら、午前1時にスプラトゥーンをした後午前6時までREPOをしていたし、総計10時間にわたる通話時間のうち4時間くらい1人のマイクをミュートにしていたという事案は発生したが、それはそれとして午前2時に目を覚ましてからはベッドから1ミリも動いていない。
やったことを挙げるとするのなら、今更ZZZのメインストーリーシーズン2の第5章をやったことくらいである。
あー。
あーーーー。
ああああああああーーーーー。
14時から始めれば17時には終わるだろうし、17時30分から連載してる異世界モノの続きを書き始めようと思っていたのだが、今の私に登場人物の8割が倫理観を失っている、感情計算が四則演算のみで行われているキャラクター共を動かす気力はなかった。
あー。
結果として生まれる無気力な生命体。
もはや生命体かも危うい泥のような存在。
飯食いたい
マック行く?
メガネ、メガネなぁ
右のツルカバーはまだ見つかってないし。
とはいえ、たかだか数十分の外出の為だけにコンタクト?
服は…パジャマでいいか。
どうせ上にコート着るし、前科はいくつかあるし。
あー。
人はこのような存在を穀潰しと呼ぶのであろう。




