ステラの村のフリーマーケット
宿屋で夜を越しバイクの改造を頼んだ後、腕時計を売った金を握りしめてフリーマーケットにやってきた。
着くとリナが思い出したように口を開く
「あっ、お金返してよ」
「あっごめん。」
金貨が3枚も無くなってしまった。
広場的なところに行くと、たくさんの出店が来ていた
歩きつついくつか見ていると何やら見覚えのあるシルエットがある。
それは、革製のホルスターに入れられた、金属製品だった。
俺はゆっくりと近づき、その品を手に取った。ずっしりとした重み。冷たい金属の感触。そして、その特徴的な形状 明らか拳銃だ。
「こんにちは、これいくらですか?」
「ん?おや、坊主。そいつに興味があるのかい? なかなか見る目があるじゃないか。そいつは『黒い棒』と呼ばれていてな。
遠い昔、どこかの遺跡から見つかった代物らしい。だが、不思議なことに、矢も飛ばず、石も放てない。ただ火花が出るだけで、誰も使い方が分からずに、ずっと埃を被っていたんだ。ワシも使い道が分からんから、金貨一枚でいいさ」
「買います!」
まさかこんなにも早くあっちの世界のものに出会えるとは。
「そんな鉄の塊を買ってどうするの?」
「これは俺の世界の武器なんだ。」
どうやら弾も少しだけあるらしい。
銃を手に入れた悠真は、さらに目を凝らしてフリーマーケットを見て回った。すると、別の店で、彼の目に飛び込んできたものがあった。それは、一見すると普通の革製のサイドバッグに見える。しかし、そのバッグの隣に置かれた説明書きが、悠真の目を釘付けにした。
『収納の魔道具:見た目以上の空間を内包する不思議な鞄』
「収納の魔道具……まさか、これも?」
悠真は店主に尋ねた。
「これは、どれくらいの物が入るんですか?」
「お兄さん、見る目があるね! これはちょっとした魔法がかけられた特別な袋でね。見た目はこれくらいだが、普通の袋の10倍は入るんだよ。旅の商人が手放したもので、なかなかない逸品さ」
10倍。それは、彼が持ってきたバックパック以上の容量があるということだ。しかも、それが二つある。旅に出ることを決めた悠真にとって、これほど魅力的な品はない。食料や野営道具、魔物の素材など、旅には大量の荷物が必要になる。
「これ、二つとも買えますか?」
「合計金貨2枚だよ」
懐の金貨に余裕があることを確認し、迷わず購入を決めた。金貨を支払い、銃と、二つの大容量魔道具バッグを手に入れた。
「すごい!これならたくさん入るよ!」
リナが興奮気味に魔道具バッグを覗き込んだ。悠真は満足げに頷いた。これで、旅の準備は格段に進んだ。
「ユウマって武器他に買わないの?」
「うーんどうしようかな」
歩いていると朝見たおっさんに出会った。
「よう、武器買ってかないか?」
「こんにちは、俺でも使える感じの武器欲しいんですけどあります?」
「ならダガーだな。2枚で売ってやるぞ」
リナに手を引っ張られて後ろに行く
「ユウマ?この人知り合い?」
「バイク改造してくれる人だよ」
「この人どんな人か知ってるの!?」
「え?どんな人なの?」
「この人うちの村一の凄腕の人だよ?金貨5枚無いと買えないんだよ?」
…買うしか無いよな!
「ダガーください!」
買ってしまいました。