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まったり異世界バイク旅。  作者:
第三章 海の町エストレア
17/18

とある依頼の行商人

ミトラを出発して1日、道沿いに進んでいると馬車が一台止まっているのが見えた。しかしこの周りには森しかない、しかもこのあたりは魔物が出てくることで有名らしく危ない。


「少しあの馬車が気になるな」

「そうだね、何かあったのかも」


バイクを止め、近くにいた人に話しかける。


「大丈夫ですか?」

「ああ、こんにちは。旅のお方ですか?あいにく大丈夫とは言えなくて…」

「どうされたんですか?」

「私はこの先の港町までこの速達便を運ばないといけないのですが、馬車が足を踏んで壊れてしまって…魔物も出やすいところで有名ですから早く進みたいのですがね…」


港町というと、エストレアだろうか、昨日地図を見た感じだと馬車だとまだまだかかりそうな道のりだ。

その時、森の奥から何かが近づいてくる音がしてくる。


「ユウマ、何か来るよ。」

「分かった。」


森から少し離れて、身構える。銃に手を添えいつでも戦えるようにして、音のだした犯人を待つ。

出てきたのは大きいイノシシみたいな魔物、銃を構えてしっかりと狙いを定める。

少し使わなかったせいかすこしよろめいてしまったが、無事何とか倒すことができた。


「やっぱり強いねそれ」

「良い買い物だったよ」


ふと先ほどの人を見ると、口を開けたまま、地面に座っている。


「大丈夫ですか⁉」

「え、ええ何とか。その武器はもしかして、ステラから来ましたか?」

「そうですが、どうかしましたか?」


何やら驚いている。


「紹介がまだでしたね、私、商人をやってますリノンと申します。王都の方で遺跡関係のモノを調べている知り合いがおりまして、前にその人から聞いたものにそっくりだったもので。」

「そうでしたか...」


待てよ、その知り合いの人とやらに会えばもしかしたら、何か情報が得られるかもしれない。


「...あの、もしよければですがその知り合いに会わせてもらえませんか?」

「ええ、いいですよ!きっと喜んでくれます。今手紙を書きますね」


待っているとリナが肩をたたいてくる。


「どうしたの?いきなりその人に会いたいって」

「この銃のことを知っている人は少ないだろ?それならもしかしたら少しでも役立てる情報をもらえるんじゃないかって」

「確かにそうかもね、いい情報が手に入るかも…」


するとどうやら書き終わったらしい


「お待たせしました!」


リノンが手紙を書き終えて渡してくれた。それは丁寧に折りたたまれた、高級そうな紙だった。

手紙を受け取ろうとすると、リノンは少し顔を曇らせ、申し訳なさそうな表情で言った。


「あの…実はもう一つ、お願いしたいことがあるのですが……」

「なんですか?」

「この速達便の荷物を、港町のギルドに届けてほしいのです。どうやら大切な荷物らしく、ギルドの職員に直接手渡していただきたくて……渡していただければギルドのほうから代金をいただけますのでそのまま受け取っていただいていいので...」


リノンはそう言って、馬車に積まれていた木箱を指差した。

一瞬ためらったが、この依頼を快く引き受ければ、リノンとの関係も深まり、知り合いの学者に会える可能性も高まるだろうと考えた。


「わかりました。港町まで運びます」

「本当に助かります!ありがとうございます!」


リノンは心から安堵した表情を浮かべ、何度も頭を下げた。

荷物をカバンに入れる。


「そういやリノンさんは大丈夫なんですか?」

「私は馬車をもう手配しているので大丈夫です。荷物をお願いします。」

「わかりました!運ばせてもらいます!」


バイクにまたがり、出発する。あっという間にリノンは見えなくなってしまった。


「仕事なんて久しぶりだね。ちゃんと運んでよー?」

「わかってるよ、ほら!スピード上げるんだから捕まって!」


翌日、やっと町の影が見えてきた。


「ユウマ!やっと町が見えてきたよ!」


なんだか少し海の香りがする。海鮮丼とかあったらいいけどなあ


「なんだその魔物は!」


忘れてたあ!そうだわ、そりゃそうなるよね


「乗り物です。旅目的できました。これ身分証です」

「そ、そうか、どうぞお通りください。」


多分これからもこうなるんだろうな。

門をくぐると海が見えた


「すごい!海だよ!」


バイクを降りると、リナが両手を広げて歓声を上げた。視界いっぱいに広がるのは、どこまでも続く青い海と、そこに浮かぶ数えきれないほどの船。白く輝く建物が並び、活気あふれる市場からは威勢のいい声が聞こえてくる。

「本当に海があるんだな……」

ユウマもまた、その光景に感銘を受けていた。

「まずは依頼を終わらせよう」

二人は荷物を抱え、港町の中央にあるギルドへと向かった。ギルドの建物は、古くからそこにあったかのように重厚な石造りで、入り口には碇のマークが刻まれている。

ギルドにつくと多くの冒険者がいた。


「すみません。リノンさんからお届け物です。」

「あっ、ありがとうございます。よかったです、間に合ってくれて。こちら報酬です」


金貨8枚を手に入れた!


「せっかくだしそれで美味しいもの食べようよ!」

「港町だし何か食べにいくことにしようか」


ギルドの通りにあった店に入ると、昼から酒を飲んでいる人たちがたくさんいた。


「いらっしゃい!兄ちゃん、ねえちゃん、どこから来たんだ?」

「ミトラの方から来ました。」

「遠いとこからよくきたね!さ!美味いもの食べてけ!」


愛想のいい店主に席を案内され、メニューを眺める。見慣れない魚料理の名前が並ぶ中、リナはすでに目を輝かせていた。


「わあ、これもあれも美味しそう!」

「うちの店の食い物は全部美味いよ!ハズレなしさ!」

「じゃあ、この海鮮串焼きと、海の幸のシチューをください!ユウマは何にする?」


リナが目を輝かせながらメニューを指差す。聞き慣れないメニューに少し戸惑いながらも、リナと同じものを注文することにした。


「じゃあ俺も同じものを。あと、潮風ビールってのを二人分ください」

「へい、毎度あり!潮風ビールはうちの自慢の逸品だよ!」


店主は威勢よく笑い、注文を厨房へ伝えた。

待っている間、二人は店内の賑やかさに耳を傾ける。漁師たちが大声で笑い合い、酒を酌み交わしている。壁には巨大な魚の剥製や、古い海図が飾られており、この町が海の街だということを表していた


「ミトラとは全然違うね」


リナがグラスを傾けながら呟く。


「そうだな。人も雰囲気も、全部違う」


ユウマもまた、この町の活気に満ちた雰囲気に心惹かれていた。

やがて、注文した料理が運ばれてきた。香ばしい匂いが食欲をそそる。

海鮮串焼きは、ぷりぷりとしたエビやイカが大胆に串に刺されており、海の幸のシチューは、具材がごろごろ入った濃厚なスープだった。


「いただきます!」


二人は早速、料理を口に運ぶ。その美味しさに、思わず顔を見合わせて笑顔になった。

新鮮な海の幸と、潮風ビールが旅の疲れを癒してくれる。


「ねえ、ユウマ。明日、海を見に行こうよ!」


リナが満面の笑みで言った。その無邪気な笑顔を見て、この町に来てよかったと心から思った。


「ああ、そうだね。日が昇る時間にでも、行ってみようか」


この世界で初めて見る海の町はどんな感じなのか想像がつかないがとっても楽しみだ。ワクワクしながら、異世界で初めての海の幸を楽しんだ。

今回から2〜3話ほど海の町エストレア編でございます

前回は飛び入りレースでしたが今回は何にしましょうかねえ…

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