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まったり異世界バイク旅。  作者:
第二章 ミトラ編
14/18

鉄の馬快進撃

バイクのハンドルを握る手に力が入る。

深呼吸をして、スタートの合図を待つ。

観客から

「あの鉄の塊が勝てるわけない」

「あいつが勝てるわけない」

なんてことを言われている

しかしリナは笑って


「いけるよきっと!」


と声をかけてくれる

馬の蹄の音が鳴る中さっきの子を思い出し

アクセルをふかしスタートのドラを待つ

やがて主催者が台に立ち大声を張り上げる


「3!2!1!」


ドラの音が鳴り響き、馬たちが一斉にスタートした

自分もアクセルを全開にしスタートダッシュをする

最初の直線、他の馬車たちが前にいるためなかなか前に出ることができずに中位にいる。

しかしこれがただの速さ比べな訳がなかった

前の馬車を追い抜こうとすると、窓から人が出てきてこちらに弓を向けて来る。


「危ねぇ!」


矢がこちらに向けて飛んできた。

こちらは銃で相手のタイヤに向けて発砲する

一人撃破、タイヤを破壊された馬車はあっという間に後ろに遠ざかっていく


「流石ユウマ!」


今のおかげで前にスペースが空いた。

しかし、通り抜けようとしても次の馬車がこちらに幅寄せして来る。するとリナが相手に向かい

「フラッシュ!」

魔法を浴びせた。目潰しされた相手は後ろにいた相手を巻き込み、動けなくなる。

今の順位は5位、まもなく一つ目のカーブに差し掛かる。できるだけインコースをつき、車体を傾ける


「リナ、しっかり捕まっててよ!」


たくさんレースゲーをしたおかげだろうか?

相当早く曲がれたはずだがしかし順位は未だ変わらず。

レースは混沌な状態だ。体当たりから、割り込み、幅寄せなどルールがほとんどない。

しかし小柄な車体を活かし間をすり抜けていく。

まもなく最後の直線。

限界までカーブで体を倒し、アクセルを全開に

リナがしっかりと体を掴み、落ちないようにする

前には、残り2人。

現代の意地でどんどんと速度を上げる。

あと1人。

残り100mを切った、ほとんど並走と言って良いほど近づいた。

隣にいるのは1番人気であろう。たくさんの歓声が聞こえている

少しづつ前に進んでいく、馬の後ろ足から前足、やがて顔。

ゴールまであと少し、

追い抜いた!

そのままゴールイン!


ゴールラインを通過すると、周囲の熱狂がさらに高まった。砂煙の中、歓声と口笛が入り混じり、俺たちのバイクは瞬く間に観客に取り囲まれた。人々は驚きと興奮の入り交じった表情で、口々に「あの鉄の馬は何だ!」「まさか馬車に勝つとは!」と叫んでいる。

主催者らしき大柄な男が、興奮冷めやらぬ様子で駆け寄ってきた。

「見事だ!まさかお前たちの『鉄馬』が、あのグリムスの装甲馬車を差し置いて優勝するとはな!約束通り、賞金だ!」

そう言って、彼は重たそうな金貨の袋を差し出してきた。想像以上の額に、俺とリナは思わず顔を見合わせた。銀貨7枚の荷物運びが可愛らしく思えるほどの報酬だ。

やがて応援してくれていた子供がやってきた。


「お兄さんとお姉さんありがとう!これで生活が楽になるよ!とってもかっこよかった!」


女の子は照れ笑いを浮かべていた。

この人達の中、応援してくれた1人だけの子。

この子にたくさんの良いことがあることを願った


レースも終わり、今回の賞金で温泉付きの良い宿にアップグレードすることにした。

一泊金貨1枚。前までが銀貨1枚だったことを考えるととても高いが賞金があるので普通に払えるのが怖いところだ。

前のところよりとっても布団はふかふかだし

ご飯も美味しい。何より温泉がついている

鼻歌を歌いながら、リナと温泉に向かった。

男湯に入り、温まる。

体が温まり疲れを癒してくれる。

さっぱりしたあと、瓶の牛乳を飲む

ここにもあったのはとても嬉しい。


服を着替えて部屋に戻ろうとするとちょうどリナも出てきた。

普段と違い、髪が濡れていて少しドキッとする。


「温泉良かったねー!さっ部屋に戻ろう!」


布団に入り、他愛のない話をしていると今日の疲れのせいなのかあっという間に寝ることができた。

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