新しい街ミトラへ
枯れ木峠を抜け数時間、遂に街が見えてきた。
リナは疲れて後ろで寄りかかって寝ている。
「そろそろ見えてきたぞ」
「うっ、うーん。おはよー」
起きたようだ。ミトラはステラとは違い、しっかりとした壁がある。踏み固められたであろう道を進み
入り口についた。すると門番が驚いた顔でこちらに話しかけて来る
「何だその魔物は⁉︎」
「いえ。乗り物です」
「…そうか、身分証は?」
バックから身分証を出す。
「何の用で来たんだ?」
「旅です。」
「滞在はいつまで?」
「1週間ほどかと」
身分証をしまう時に腰にあった銃に気付かれたようだ。
「腰のそれは何だ?」
「銃と言う武器です」
「武器と魔法の街中での使用は禁止されているから気をつけろよ。それじゃあな」
「ありがとうございました」
門を通過し、街の中に入る
ミトラはステラとはまるで違い、高い建物も多く人もたくさんいる。店もたくさんあり、とても活気のあるように見える。
リナがこちらに向け話しかけて来る
「わあ、すごーい!ステラとはまるで違うよ!」
「そうだな。リナ、とりあえず宿を取りに行こう」
二人は賑やかな通りをしばらく歩き、いくつもの宿屋の看板を目にした。その中から、比較的こぢんまりとしているが、清潔そうな宿屋を選んで入ることにした。
「いらっしゃいませ!」
宿の扉を開けると、明るい声が二人を迎え入れた。カウンターには人の良さそうな宿の主人が立っている。
「すみません、一週間ほど宿泊したいのですが」
そう告げると、主人はにこやかに頷いた。
「かしこまりました。お二人様でよろしいですか?当宿は相部屋になりますが、よろしいでしょうか?」
リナがこちらに向けてささやく
「大丈夫だよ」
「相部屋で構いません」
手続きを済ませ、鍵を受け取ると、ユウマとリナは指定された部屋へと向かった。部屋は簡素ながらも手入れが行き届いており、長旅で疲れた体を休めるには十分だった。
「荷物を置いたら、何か食べに行こうか。腹が減った」
リナは嬉しそうに頷く。
「うん!この街には美味しいものがいっぱいありそうだもんね!」
窓から差し込む夕日が、ミトラの街並みをオレンジ色に染めている。明日からの街での探索に胸を膨らませながら、二人は今日の疲れを癒すべく、しばしの休息をとることにした。
通りに出ると、沢山の人がいる店で賑わっている
歩いていると、まだ座れそうな店を見つけた。
お店からは美味しそうな匂いがしてくる
「いらっしゃいませ!2名様ですか?」
「そうです」
「奥どうぞー!」
どうやらここは居酒屋的なところのようだ
メニューを見ると、知らない料理がたくさん並んでいる。
リナはこの料理たちを知っているのかもう決めたようだ
「ユウマは何にするの?私唐揚げにしようかなー。後エール!」
「じゃあ自分も同じの。すみませーん!唐揚げとエール2つ!」
…よくよく考えたらエールって酒じゃん。
まあ良いや。ここ日本じゃないからね
しばらくして料理が運ばれてきて、美味しく食べた後宿に戻る。
「美味しかったねー」
「そうだなー」
リナの足元は少しふらついている。
「着いたぞー。」
早く今日は寝ることにしよう。