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初コラボ②



『さて、どこに降りる?』


FAが始まると怜は私にそういってきた。

FAはスタートすると広大なフィールド上を自由に出撃地点を選ぶことができる。

武器は保管庫に入っているため武器が手に入りやすいところは自然と敵が集まる。


「プラントいきましょう」


コメント

【やっぱ激戦地か】

【ちゃんと激戦地行くのな】

【いきなりきついとこ選ぶな】

【あそこ行けるのすご】

【さすがプラチナ】


『わかってるじゃん』


「何年やってると思ってるんですか」


【これみるとやっぱ親友なんだなって】

【この雰囲気……いい】

【切り抜き頼んだ】

【任された】

【なんかいいわこれ】


プラントとはFAのフィールドにある建造物の一つで武器工場である。

武器工場の名は伊達ではなくFA内で一番武器が手に入りやすいといっていい。

すると当然人が集まる。

私と怜はそんなFA随一の激戦地に飛び込んだのだった。


「おっ、スナイパーあった」


『よかったじゃん、こっちはショットガンでないな。アサルトライフルしかででこない』


本格的にゲームが始まると私たちは我先にと保管庫に向かった。

武器がないとまともに戦えないからね。

そこで私は運よくスナイパーライフルを手に入れることができた。


【はい、勝ちました】

【ありがとうございました】

【スナイパーとっただけで勝敗つくの草】

【怜は運悪いな】

【上官たちのスナイパーの信頼えぐw】


「そんなに私に期待しないでね。いくら得意武器だからって……あ、いた」


私がコメントに反応していると視界にちらっと敵が映った。

私は無言で敵のいた方向にスナイパーを向け、敵が階段を上ってる途中で狙撃した。


「よーし、とりあえずダウンさせた。怜、そっちにダウンした奴いるから確殺しといて」


『まかせんしゃい。もうひとりもやっとくわ。よし、OK』


【なんだこの連携プレイ】

【コメント見ながらよく気づいた】

【ずっと画面見てたけど全く気付かなかったんだが】

【安心せい、ワイもや】

【息ぴったりだ】

【いったこと速攻矛盾するの草】

【それな】

【開始数分で一組落としてるぞこの二人】


「それでどうする? もうちょっと漁る?」


『うーん、でも他の人に取られてそうだな。戦ってもいいけどまだ回復あまりないしな』


「じゃあ移動する? 安地もここから離れてるし」


『そうしようか』


【流れるような方針決定、俺じゃなくても見逃さないな】

【見逃すんじゃないのかよw】

【確かに安地遠いな】

【マジか、自分だったらもうちょっと漁っちゃう】

【わかる】

【判断が早い】


私たちはプラントを離れ、そのまま安地に向かう。

移動していると先行している怜から接敵の知らせがあった。


『右奥にいた。狙える?』


「ちょっと待って、確認するから」


私が少し高い丘の上に上ると500mくらい先に二人のプレイヤーがいた。

戦ってる様子もないしペアなんだろう。


【あー、あそこか】

【結構遠いな】

【KO狙うならもうちょっと近づかないとな】

【さすがにこれは厳しい】


『そう? レムならいけると思うけど』


怜がコメントに対してそういう。


【いやいや、無理でしょ】

【FAのスナイパーってめっちゃうまくて300mとかじゃないの?】


「もう一人どうしよっか。私がもう一回やってもいいけど」


『向こう隠れそうだよね、間に合う?』


【え、まって。本当に狙撃しようとしてる?】

【いやいや無理だって】

【でもあの時の狙撃なら】

【あんなの簡単にできるわけないだろ】


「近くの敵探しそうだからいけるかも」


『了解。できなかったらその時で』


私は怜の言葉を聞くとスナイパーライフルで敵を狙う。

敵の片方に狙いをつけ、撃つ。


「ほい、片方やった」


『おーさっすがぁ! もう一人はいけそう?』


「大丈夫、敵困惑してるからリロード間に合う。……よし、倒した」


『ナイス!』


一息つき、再びコメントを見るとそこは阿鼻叫喚の地獄だった。


【は?】

【うん、どゆこと?】

【狙撃ってスゲー(小並感)】

【あはははは!】

【ついに狂ってしまったか……】

【隊長! こちらにも被害者が!】

【くそ、被害がでかすぎる!】

【大丈……はは、ははははは!】

【あぁ、FAプレイヤーが壊れていく】


「なにこれ」


【あなたがすべての原因です】

【お前のせいだよw】

【本人が自覚ないのおもろい】

【そっちが原因なんだよなぁ】


「怜、どういうこと?」


私は意味わからず怜に聞いたが、怜は答えなかった。


『上官のみんな、レムは昔からこういうやつなんだわかってくれ』


【怜の声から感じる諦め】

【いっても駄目だったんだな】

【怜、お前は頑張った】

【あとは任せろ】


「? 私何か悪いことした?」


なんか自分が敵っぽく感じて私は思わずそう言った。


『いや、悪くはないんだけど……』


「?」


困惑しながらコラボは続いた。



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