初コラボ①
文芸の日間ランキングで4位!
みなさま本当にありがとうございます!
初配信を終えて私は達成感を味わっていた。
実際に話してるときは楽しかったからか緊張は感じなかったけどいざ終わってみると感慨深いものがある。
姿が見えないとはいえあんなに大勢の前で話したんだって。
「初めは緊張したけど楽しかったな」
始まる前はものすごく緊張した。
たぶん今までの人生で一番緊張したと思う。
でも楽しかった。
リスナーさん……いや、上官たちと話していて。
怜の言ったとおりだった。
まだ初配信やったばかりだけどVtuber楽しいや。
「次の配信はいつやろうかな」
配信の時にFAやるって言ったからやるつもりだけどいつやるかは言ってない。
大学も休みだし時間はあるからいつでもできるっちゃできるけど……
ピロンッ
そんなことを考えていたらSNSの私のアカウント(倉持レム)に怜からDMがきた。
『FAやるんでしょ? コラボしよ! っていうかもう明日やろ!』
私はそのメッセージをみてしばらく固まったのち
「あはははは!」
笑った。
なんというかもう怜らしい。
メッセージの文面からでもそわそわしてることがわかる。
おそらく今か今かと私の返事を待っているだろう。
『運営の許可が下りたらいいですよ』
私がそう返信すると
『大丈夫、もう許可もらってるから! 決まりね!』
と、速攻で返事が返ってきた。
先に許可をもらっていたことに驚いたが怜なら普通にやりそうだな、と納得できてしまい少し苦笑する。
『じゃあ何時にやります?』
『んーそうだな……20時からで!』
『了解です』
『ふっふっふ、レムの初コラボは頂いた!』
『それ何かいいことあるんですか』
『私がうれしい!』
「なにそれ……」
怜の謎の発言に私は思わずそうつぶやく。
怜がおかしいのはいつものことだと思いつつ私が返事をしようとすると向こうから再びメッセージが来た。
『そうだ、せっかくなら私のこと内緒にしといてくれない? 驚かせたいからさ』
なるほど、サプライズってわけか。
ちょっとサプライズ多い気がするけど面白そう。
『わかりました。それじゃあ明日お願いします』
『まかせろ! あっ、告知忘れずにしてね!』
『わかりました』
怜とのやり取りを終わらせた直後、私は倉持レムのアカウントで告知をする。
「明日の20時にFA配信やります! ぜひ来てください! っと」
私が告知すると多くのコメント、いいねがくる。
『明日!? 日曜やん神かよ』
『FAキターー』
『思ったより早かったな』
『怜ちゃんとのコラボはいつやるんだ?』
『楽しみすぎる!』
『始まるまで正座で待ちます』
「やっぱ大手ってすごいんだな……一瞬でこんなに反応されるなんて」
私は他のVtuberのアカウントを見ながらそう言った。
私のスマホには怜のアカウントが移っている。
赤月怜
フォロワー:167万人
167万人、下手な県の人口より多い数だ。
県の人口以上の人が怜をフォローしている。
私はそんなことを思い、やっぱ怜ってすごいんだなと思った。
そうして時間は過ぎ……
「はい、皆さんどうもこんばんは! 倉持レムです!」
FAの配信が始まった。
コメント
【待ってました!】
【待ってた!】
【ついに来たFA配信!】
【昨日ぶり!】
【ついにあの神プレイがみられるのか】
コメントからもわかるがやはりFAを期待しているらしい。
まぁ、私がVtuberやるきっかけになったのがFAだから当たり前っちゃ当たり前だけど。
「はい、ということで今回は事前に告知しておいた通りファイトアース、通称FAをやっていこうと思います」
【ありがとうございます】
【最高すぎる】
【FAまってた】
【怜ちゃんとのコラボいつ?】
「ではさっそくプレイ……と言いたいところなんですが……」
【おっと?】
【これは何かあるな?】
【なんだなんだ】
【怜ちゃんか!?】
私はコメントを横目に怜にメッセージを送る。
すると
『おっしゃー! 来たぞレムの配信! こんばんは! 赤月怜だー!』
待ってましたとばかりに怜が大声を上げた。
【うおおおおお!】
【マジか!】
【神過ぎる!】
【なんだ……ただの神回か】
【最高すぎ!】
【一発目からコラボかよ!】
「はい、ということでFA記念すべき一回目は寝落ちして私がVtuberになるきっかけを作った赤月怜とのコラボです!」
『よろしくな! で、それは褒めてるの? それとも貶してるの?』
「どっちも」
【おい、そこは嘘でも褒めてるだけにしとけよw】
【どっちもは草】
【寝落ちしてくれてありがとう怜】
【Vtuberにしてくれてありがとう】
【最悪なタイミングで寝落ちして最高のサプライズを作った女】
【その名は怜!】
【あれはタイミング完ぺきだった】
『コメントもどっちなのさ!』
【どっちも】
【どっちも】
【どっちもでしょ】
【どっちも】
「わーお、見事に一緒」
『なんでレムのFAの配信なのに私がいじられなきゃいけないんだ!』
私の初コラボはそんな怜の叫び声とともにスタートした。
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