表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/19

記念配信!



「皆さん……現実を受け入れる時が来ました……」


私が重々しく話すのとは対照的に視聴者のは反応は嬉々としたものだった。


【現実?】

【いいやん、受け入れようぜ!】

【タイトル見りゃわかるよな】

【最高だぜ!】

【ついに来たぜ!】

【やったね、レムちゃん!】

【ダブルでゲットだぜ!】


コメントにあるタイトル、その名は


『収益化&登録者5万人記念配信』


となっている。


「え、なにどゆこと? 収益化はともかくゴマンニン? なんで? 嘘でしょこれ」


おかしい……まだまだ配信は足りないと思ってるのに登録者5万人?

収益化は嬉しいけどそれ以上になんで5万人も……


【なぜに喜ばないw】

【1番困惑してるの本人は草】

【スパチャはよ!】

【なお今現在は7万人の模様】

【いいことじゃないっすか】

【草】

【スパチャ解禁してくれ!】

【信じてないやんけ】

【いや喜べってw】


これは本当のことなのか、いやいやそんな。

まだやってから半年も経ってないんだよ?

うん、そうだよ。

きっとバグが起きたんだ、うん。


とそんなことを思い現実逃避しながら虚にコメントを見ているとスーパーチャット、略してスパチャの存在を思い出した。


「あ、そうだった。えーと確かこれで……うん、いけたはず」


設定を操作し、スーパーチャットの機能をオンにする。

ちゃんとオンになっているか確認した後画面に目を戻すと。


¥50000

赤月怜【一番乗りはもらった!】

¥50000

佐々良めぐみ【レムちゃーん、おめでとー!】

¥50000

炎怪コセン【やるじゃねぇか、一緒に頑張ろうぜ】

¥50000

秋風晴明【おめでとうございます、みんなで頑張りましょう】

¥50000

魔華リリス【ゲーム教えてもらいますからねー! おめでとー!】

¥10000

【よしきた】

¥2000

【同期ズはや】

¥30000

【先輩が抜け駆けで上限投げてんじゃねぇよ】

¥50000

酒巻カイト【おめでとさん! 今度酒飲み配信しようz】

¥50000

霊沢レイナ【バカが出しゃばってごめんね。あ、これお祝い金、おめでとう】

¥500

【先輩も同期も上限投げてて草】

¥4000

【出遅れたか】

¥50000

【あぁぁぁぁあレムちゃーーん! これからも頑張りましょうねー!】

¥1000

【なんかやべえやついるぞ】

¥250

【おいおい大集合だなこりゃ】


「……んあ?」


えっと……あれ?

コメント欄が赤い……ところどころに水色とか混ざってるし……い、一体何が……


【レムちゃん固まる】

【固まったなこりゃ】

【脳がフリーズしたか】

【うん、まあそりゃね】

【これが洗礼だ】


そう、そうだよ。

さっきスーパーチャットをオンにしたんだ、それでそしたら急に画面が……あれ……ってことは


そこまでたどり着いた時、脳が今起こっている現実を理解する。


「……あ、ん? ……って、えぇぇぇぇぇ!? え、な、なんでこんな……え? ちょっと待っていくらなんでも……いくら……確かここから……うひゃぁ!?」


スーパーチャットの総計……えっと……見間違いじゃない……み、見るんじゃなかったこれ。


【お、動き出した】

【これ、見たなあれを】

【自ら驚きにいったか……】

【おかえり】


「えっと……その、スーパーチャットありがとうございます……はい」


【まだ現実を受け入れられてないっぽいなこれw】

【困惑しとるw】

【草】

【弱々しすぎるw】


いやだってそうでしょいきなりこんな……そうだ。


そこまで考えると私はマネージャーにとあるメッセージを送る。

するとすぐに『レムちゃんの頼みならもちろんOKですよ!』というちょっと私的な部分が混じってそうな返事が返ってきた。


「あ、それでなんですけどたった今一つ決めたことがあります!」


【ほう?】

【なんだ?】

【嫌な予感がするぜ】

【わかる、当たってほしくない】


「スーパーチャットを……」


【お、おいやめろ!】

【それ以上は!】

【やめてくれー!】

【嫌だ!!!!】


「基本的な配信では禁止します!」


【うごぁ……(絶命)】

【そ、そんな……】

【ならこの金はどう使えばいいんだ!】

【そうだそうだ!】

【この金をどうしろって言うんだ!】


「いや、それは食費なり娯楽に使うなりしてよ」


【その娯楽に使おうとしてるんだろうがよぉ】

【そうだな】


「うぐっ、でも他にもあるんじゃない? 例えば私の同期とか」


【他の4人に投げて1人だけってのもな】

【この金は俺らが使う自由があるんだ!】

【そっちも投げてるよもう】


「そ、そう。というか別にスーパーチャットを全面禁止ってわけじゃないよ?」


【というと?】


「だって他の人とのコラボだったりしたら流石にダメだろうし。あとは大きな企画とかでね。Vライブだって会社なんだから」


【そりゃそうだ】

【当たり前よな】


スーパーチャットだって他の人とのコラボの時に自分の都合で禁止にしていいわけないしね。


大きな企画だってそう言うのは必要だろうし。

まぁ、慣れる必要はあると思うけど……


「さて! ということで未だ現実を受け入れられていませんが収益化&登録者5万人記念配信です。一体なんで5万人もいるんだろうね、不思議」


【いや草】

【登録者確認してないの?】

【もう次(10万人)が見えてきてるぞ】

【不思議、じゃないのよw】


「確認してないよ。だって怖くない? ネットの海に自分の配信が載ってそれが評価されてるかどうか見るの。私なんか5万人記念配信やるって知った時に登録者の数知ったよ」


自分の配信の結果が登録者という明確な数字で現れるのだ。

自分の評価がストレートに伝わるから正直いって怖い。

再生回数とかコメントとかは今後の参考のために見てるけどね。


【確かに怖い】

【いや知るの遅すぎるw】

【ネットの海は広いからなぁ】

【そもそもいきなり入ることになったわけだしな】

佐々良めぐみ【それほんと? 私なんか毎日確認してるよ】

【お前はそうだろうな】

【解釈一致】

【男子組はそう言うのあまり見てなさそうだな】

炎怪コセン【俺もあんま見てないな】

秋風晴明【確かにあまり見てないかもしれない】


「でしょ? やっぱ見るのって怖いんだよ」


炎怪コセン【いや、別に俺は怖いとかじゃなくて単純に配信終わったら速攻寝るから見てないだけ】

【おいw】

【おいコセン! そんな生活俺によこせ】

【最高かよそんな生活】

【自堕落やなお前】

魔華リリス【私は週一くらいでみてるや】

【同期ズ集合!】

【みんな出てきたな】


「コセンくんは……まぁコセンくんらしいね。みんなそれぞれかやっぱり」


【個性だな】

【コセンは自堕落なだけだぞ】

【コセンは除いてな】


「とはいっても実感湧かないや」


【そういうもん?】

【5万人とかだいぶすごいぞ?】

【まだデビューしたてなんだし】


「あまりわからないでしょ? 数字が大きくなってるだけだし。もちろんそれがすごいことだってはわかってるんだけどさ」


【ん? どうした】

【ちょっと暗いぞ】


「なんていうかほぼ怜のおかげで入ってる感じあるからさ……みんな選考を超えてデビューしたのに自分だけなんかね」


【いやそんなこと】

【そんなことないぞ!】

【レムちゃんが見てて推せるような人じゃなきゃ見続けられないって】


「ごめんね、暗い話しちゃって。それでなんだけど……あれ、通話?」


私が慌てて話題を変えようとすると、そこから何人かの通話が来た。

マネージャーさんからの連絡で通していいとのことだ。


「えっと、もしもーー」


『ちょっとレム何そんなこと言ってんの!』


『そうだぞ! 何言ってやがる』


『レムちゃん、そんなことないよ?』


『みんなの言うとおりですよレムさん』


「え、ちょ、みんな!?」


【きたーーー!】

【激アツ展開!】

【おー! 3期生集合!】


『いい? そもそも私はレムの配信を見てこの子とコラボしたら楽しいだろうなって思ったからオフコラボしたの! わかった? これはレムの実力だからね!』


「は、はい」


『お前さ、この前の3期生ラジオで俺のことをいじりやがったよな? 初対面でそう言うことできるの普通にすごいと思うぞ、もちろんいい意味でな? 俺はあんま嬉しくないが。まぁ、あれだ、お前は配信向いてるよ』


「うん……いじったのはごめん」


『私はね、コセンと同じくラジオで初対面だったけどとても楽しかったよ? その時怜先輩いなかったでしょ? それでも盛り上がってたでしょ? なんなら1人の配信でも盛り上がってるでしょ? だったらそれでいいじゃん。ね?』


「そうかな……」


あれだってまだ怜の影響力とかが残ってるだろうし……


『そうなの!』


「は、はい」


【レムさんは先ほど怜先輩のおかげとおっしゃっていましたがそうですかね。持ち前の直感、プレイヤースキルもあなたの力です。それで盛り上がっていたでしょう? それに何より、今日の配信で視聴者の皆さんにここまで祝ってもらえるんですからそれだけ皆さんに楽しんでもらえていたと言うことですよ】


「……うん」


【なんだこれは……目から水が】

【それはな、涙だよ】

【やべぇ泣きそう】

【感動シーンすぎる】


もう、コメントも見えないや。

みんな、ありがとう。

でもそうだよ、私はVtuberなんだよ。


最後まで配信は終わらせないとね。

ちゃんと、明るく、元気に!


「……っということでみなさん! 最後にみんなが来てくれました! ありがとうございます!」


【おうよ】

【最高だったぜVライブ】

【3期生最高!】

【同期ズ最高!】


『ごめんね、急に入ってきちゃって。あ、ちゃんと許可は取ったから! 私もちゃんと学習しているのだ!』


『俺らが言わなきゃ突っ込んでたくせに』


『だねー! まぁめぐみらしいけど』


『ちゃんと通っていえたんですからいいじゃないですか』


『そうそう、その通り! あきはるいいこと言ったね』


【お前がいえたことじゃないんよw】

【やっぱいいわこの空気】

『レムちゃんも明るくなったし』


「ということで最後励まされちゃったけど私もこれからどんどんコラボとかして登録者伸ばしていきます! 気づいたら私に圧倒的な差をつけられちゃうかもしれないから覚悟しといてね」


『望むところよ』


『俺がそう簡単に負けるとでも?』


『いいじゃん、それ。私も負けないよ』


『無論俺だって負けませんよ。まずはカップラーメン生活を直してからですけどね』


「ということで収益化&登録者5万人記念配信でした! じゃあね、バイバイ!」


『じゃあね!』


『じゃあまたな!』


『まったねー!』


『お疲れ様でした!』


【バイバイ!】

【またね!】

【バイバイ!】

【ばいばい】

【お疲れ様!】



評価やブックマークをしていただけるとモチベーションが爆発します!

感想もぜひぜひお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ