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ホラゲ配信②


「え? いや、何これ……」


私は、一旦ゲームを中断してそう呟く。


【いや、こちらが聞きたい】

【なぜわかった?】

【あれ初見殺しのはずだろ!?】

ガイウス公式【なんで……?】

【公式ぃ!】

【公式も困惑してる】


あの後、私が警棒を突きつけた白いナニカはどこかに消えてしまった。


「急に白いナニカが出て、急に返って……あと公式さん!? 一体何が何だか……」


【後者はわかる、前者はわからん】

【公式いることは確かに驚いた】

【いや、そこじゃない】

【公式以上に不思議なことがあるんだよ!】

【そもそも嫌な予感ってなに?】


どうやら視聴者はいきなり現れた白いナニカより、自分がなぜ警棒を払ったのか方が興味があるらしい。


「いや、何で気づいたっていうか……なんか危なそうだなって……直感? 結構あるんだよねこれ、ゲームとかやってると」


【直感……?】

【流石に……ねぇ?】

【何それチートやんけ】

【嘘つけよ】

【そういや、デビュー前のFAでも敵の姿とか見えないのにスナイプ回避してたな……】

【あぁ、あの神回避か!】

【そういうことかぁ】

【検証勢がいくらやってもわからなかったやつ】

【あれか……】


「あれ、信じてもらえないと思ってたんだけど……」


というかあれ検証されてたの?

それ自体知らなかったんだけど……


【まぁ、一種の信頼?】

【今までの布石ですね】

【なんというかなるほどなぁったら納得した感じ】

【なんかやばいやつからやばいけどすごいやつになった】

【あ、それわかる】


「それって何か変わったの? というかなんかやばいやつって……」


【変わる変わる】

【だいぶ違う】

【今までかけらも理解できなかったやつが、意味わからないけどまぁ納得はした感じ】


「そ、そうなんだ。ならいいんだけど……じゃあ続けようか」


【おっ、そうだな】

【ヌルゲーになる予感しかしない】

【それな】

【化け物のご冥福をお祈りいたします】


「それじゃあやっていこうか」


そうして私は再び懐中電灯のスイッチを入れ、タスクに示された部屋を巡っていく。


「ここが開発部門かな?」


【なかなかに広い】

【相当な大企業ですぞこれは】

【なんか置いてたりしない?】


「そうだね、探してみる。おじさんに何か置いてあったら持って返ってくれって言われてたし」


私がしばらく開発部門の部屋を探索していると未だ画面が明るいパソコンを見つけた。


【あそこのPCまだついてるな】

【行ったそばからあったな】


「さてさて、なにがあるのかな?」


私がそう言いながら画面を覗き込むと、そこには数字の羅列……つまりプログラムが書かれていた。

私は別にプログラミングに詳しいわけではないのでわからないけど、一部の視聴者には伝わったらしい。


【これちゃんとしたプログラムだな】

【それな】


そんな時、ふと隣のデスクを見るとそこにゲームデザインが書かれている資料があった。

そこには既視感のある化け物の姿があった。


「あー! あの白いやつ!」


【ここガイウスか!】

【白いやつぅ!】

【ここガイウスやんけ】

【こういうのゲームとはいえいいの?】

【まぁいいんじゃね、知らんけど】

ガイウス公式【いいんです】

【デターー!】

【いいのかよw】


そんなことを思っていると、急に嫌な予感がした。


「来るかも……」


私がそう言いながら祈るボタンを押すと先ほどのように淡く光り、警棒を包む。


【早速か】

【やっぱ本物かぁ】

【画面にまったく見えないもんねアイツ】

【ってかまじでどこにいるんだ】


「ここかな」


コメントを横目に私はそう言いながら警棒をぶん投げる。


【投げた!?】

【このゲームで冷静に投げる人初めてみた】

【大体怖くて投げるのに……】

【この人ホラゲ無敵かもしれん】


私が投げた警棒はちょうど壁の向こうから迫ってきていた白いナニカにクリーンヒットする。


「お、当たった」


【そしてちゃんと当たるというね】

【勝ったな、風呂入ってくる】

【勝ったな、風呂食ってくる】

【ここにもバケモンおったわw】

【警棒とかの対抗手段がなくなったらどうなるか……私、気になります!】

【これで攻撃効かないお化けがでたら怖がってくれるとものすごく助かる】

【わかりすぎる】

【お前は俺か?】


「ここ終わったし次行くよー」


【はーい】

【先生見たくなっとるw】

【はい先生!】

【お菓子は何円までですか!】


「ビルの警備バイトにお菓子は持ってっちゃいけませーん!」


そう、視聴者と楽しく会話しつつ私は営業部門、食堂などなどビルのいろんなところを回った。


そして……


『おう新人、おかえり』


そこには手を振りながらそう呼びかける中年男性がいた。

そう入り口の警備員室まで再び戻ってきたのだ。


「おじさーーん!!」


【この配信の中で1番テンション高けぇ!】

【おじさん!】

【おつかれー】

【やだ、安心感が違う】

【お疲れ様】


『さて、初の夜間警備はどうだった? お守りは余計な世話だったかもな』


「いや、めっちゃ役に立ちました」


【あれのおかげで生き延びれた】

【命の恩人】

【全然! 最高の世話だった】

【持っていかなかったverはみてみたい】

【わかる】


「さて、今回の配信はここまで。最後まで見てくれてありがとう、それじゃばいばい!」


【バイバイ!】

【お疲れ様!】

【楽しかったよ!】

【ばいばい】



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キャラ立っててテンポも良くてスコスコのスコナリ。無理なく更新頑張って欲しいナリ。楽しみにしてますナリ。
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