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ホラゲ配信①

どうも、評価やアクセスが高いと続きを書きたくなるチョロい作者です。


「はい、ということで今回はホラーゲームをやっていこうと思います」


【おー、ホラゲかー】

【夜間警備のやつ】

【これ結構怖いはず……】

【いきなりこれ!?】


私がホラーゲームのタイトル画面を映しながらそういうとさまざまなコメントが書き込まれる。


「え? これ怖いの?」


【まぁ怖い】

【怜ちゃんが絶叫してた】

【あれは良き悲鳴であった】

【夜寝れなくなるくらいは怖い】


私の質問に返ってきたコメントに絶句する。

なぜならーー


「私ホラーゲーム初めてなんだけど」


【初ホラゲでこれ!?】

【よくやろうと思ったな】

【ってかこれ自分で選んだの?】

【なんでホラゲ突然やることになったの?】


「え、なんだって。これを配信でやってみたらって怜に言われたから……」


【あー(察し)】

【なるほどねぇ】

【ひっかかったか】

【素直だな】


「えーと、よくわからないから説明よろしく」


【つまり】

【怜に】

【ハメられて】

【超怖いホラーゲームを】

【やらされている】

【ってこと】

【お前らすげぇな】


私が視聴者に説明を丸投げすると綺麗にコメントが返ってきた。

すごいなこれ、きちんと読める。

それぞれ別の人のはずなのに。


「このコメント一体感はなんなんだろう」


【さぁ?】

【わからんな】

【お前らやろやったのw】

【謎 の 一 体 感 w】


って話している場合じゃない。

これは雑談配信じゃなくてホラーゲーム配信だからね。


私がゲームのスタートボタンを押すと、目の前には大きなビルがあった。


【相変わらずでけぇ】


思わずコメントに共感するくらいには大きい。


『おう、お前がバイトのレムだな?』


私がビルでけぇ……なんて思っていると、ゲーム内で警備員の服を着たおじさんに話しかけられた。

話を聞くと、この私が今からする夜間警備の先輩らしい。


『これが服と、警棒だ』


おじさんに警備員室に案内されると、そこで服と警棒、そして懐中電灯を手渡された。


「警備員って警棒持っていいの?」


【仕事で使うにはいいらしい】

【仕事からOK】

【どうなんだろうね】

【そうなんだ】


『よし、着替えたな? あとは……一応これな』


服を着替え、警棒と懐中電灯を装備したらおじさんはそんなことを言いながら何かを手渡してきた。


「お守り?」


渡されたのは安全祈願のお守りだった。


『運が悪いことに最近この警備バイトじゃ化け物が出るとか噂があるんだ。信じちゃいねぇが新人には酷だと思ってな。ちょっとした保険だ』


「おじさん優しくない?」


【イケメンかよ!】

【優しい】

【こいつほんといい仕事した】

【おじさーーーん!】

【あぁ、神よ】


どうやら私のコメント欄にはおじさん信者がいるらしい。

っというかここまで反応するってことは……


『左クリックで祈る』


「あーですよねぇ!」


操作説明が現れた瞬間確信する。

これ絶対必要なやつだと。


【なんでここで出しちゃうのかな】

【これさえなければよかったのに】

【逆にここであるって言って警戒させるとか?】

【確かにそれならもっとビビりそう】


私がそんなことを思っていると、コメントでは絶賛「なぜここで操作説明を出すのか?」について議論していた。

一体何をしているのだろうか私の視聴者は。


そんなことを思いながらも私はゲームを進める。

ちなみにここでおじさんとは別れることになった。

入り口の警備も必要だからとのことだ。


「さて、行きますか」


私は懐中電灯のスイッチを入れ、周囲を照らす。

昼ならば普通のビルなのだろうが夜、さらにホラーゲームであることも相まってなかなか怖い。


「正直化け物とか出さなくてもこのままビル探索するだけでゲームになりそう」


【そう思えるほどすごい】

【さすがにきついかな】

【一部のマニアにはワンチャン?】

【雰囲気は本当によく出てる】


私が画面右に表示されている巡回タスクを参考にビルを巡回していると、急に悪い予感がした。


「嫌な予感……」


私はそっと手に警棒を装備する。

懐中電灯をしまったのであたりは暗くなってしまった。


【どうした?】

【嫌な予感って?】

【懐中電灯しまったの?】

【なんで?】


「いや、なんか嫌な予感がして……」


私はそう言いながらボタンを押してお守りに祈る。

するとお守りが淡く光り、警棒を包み込む。


【は?】

【いやいやいやいや!】

【嘘だろ!?】

【化け物察知したってこと!?】

【おかしいって】


「ここだっ!」


そして私は自分の直感に従い自分の真後ろに向けて思いっきり警棒を振り回す。


『キシャァァァァァ!!』


すると、そこには甲高い金切り声を上げている白い何かがいた。


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