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韓国憎しでBTSを毛嫌いしている方へ ~Billboardチャートの仕組みを交えて~

作者: くらげ

 最近、テレビやラジオでよく流れるK-POP。私の住んでいる地域では、平日に、学生向けのラジオ番組が夜7時から9時まで放送されている。そこではよくTWICEやBlackPink、Stray KidsといったK-POPが毎日のように流れている。聴くたびに、若者に浸透していると感じられる。

 その中でも特に勢いがあるグループが、防弾少年団ことBTSである。これを書いている現在では、日本のチャートで彼らの新曲「Dynamite」が席巻し、今もなお、動画サイトで再生数を伸ばしている。メディアでは、日本の歌番組で披露された際にtwitterのトレンドに乗り、東京のラジオチャートでもナンバー1に君臨するなど、勢いは収まる様子を見せない。

 私も何度か聴く機会があったのだが、やはり韓国は国を挙げて芸能に力を入れているというだけあって、海外(日本含む)に対するアピールが強く感じられた。曲も自然と耳に入ってくる、聴きやすいという印象を受けた。全編英語詞で、ハングルが一切聴こえなかったのが要因かも知れない。


 と、前置きはこの辺にして、最近の日本のインターネット(特にtwitterや匿名掲示板)は、そんな韓国芸能界に否定的だ。やれ工作だ、やれ整形だと壊れたラジオのように発狂しながら、何年も前の、それも真偽不明のURLを貼り付けてネガティブキャンペーンを怠らない。今回のDynamiteについても例外ではなく、動画サイトの再生回数を「韓国人の工作」、Billboard Hot 100で1位を取ったことについても、「CDを大量に買ったから1位を取ることができた」「どうせ捏造」「世間では流行っていない」などの意見が出ている。

 確かに韓国のアーティストは、動画再生回数を水増しした前科はあるし、PSYの江南スタイルは世界各国でネタにされた。しかし今回に限っては、水増ししたかどうかは憶測の範囲内だし、Billboardの結果への言及に至っては、集計方法などについて無知を晒しているほかないと思ってしまうのだ。


 では、先ずはBillboard Hot 100について説明する。


 BTSがアジア人として、坂本九以来の1位を取ったBillboard Hot 100。チャートの集計方法は以下のようになっている。


・セールスポイント(CD売り上げ、ダウンロードなど)

・ラジオ局でのオンエアー回数

・ストリーミング再生回数

など


 日本で主流となっているオリコンチャートは、CDの売り上げのみで構成されていることに対し、ビルボードチャートは上記のような多角的な視点でポイント計算された末、ランキングに反映している。

 基本的に、ビルボードチャートはラジオのオンエアーを一番に重視している。CDの売り上げが1位でも、ビルボードチャートの1位にはなれないのが殆どである。比重でいうと、


オンエアー>ストリーミング>セールス


 ということになる。


 BTSの話に戻るが、彼らはアメリカ人の支持を得て、ラジオ局で大量オンエアーされるようになった。ストリーミングが好調であることも含め、CD売り上げにあまり頼ることなく、Hot 100で1位を獲得するに至った。それを盲目なアンチは調べもせず、ビルボードがオリコンと同一の集計方法であると思い込み、「きっとこうであるに違いない」と妄想混じりに、一方的にBTSを叩いていたのだ。李田所事件(知らない方は検索して、どうぞ)から何も成長していないことがうかがえる。

 それに、ビルボードチャートは世界で最も権威のある音楽チャートであると言われている。そのような名誉あるチャートに対し、「捏造だ」と文句をつけるのはあまりにも無知であり、あまりにも世間知らずではないかと感じてしまう。批判をするのであれば、少しはチャートの仕組みについて勉強してからやってみてはいかがだろうか。


 最後に、私はK-POPに対してあまり関心が無かった。ラジオで流れてくるものを聴く程度だったし、寧ろ毎日K-POPが流れるのを辟易するくらいだ。しかし、韓国人であるだけで一方的に批判し、罵詈雑言を浴びせる今のネットの論調にはもっと辟易している。

 オリコンチャートというアナログ極まりないチャートで満足している日本人にとって、ビルボードは馴染みが無いし、受け入れるのにも時間がかかるのかもしれない。しかし、時代は変わっている。もはやCDだけで売り上げを評価するのは、ナンセンスになりつつあると思う。今回、的外れな批判をしている連中のようにならないためにも、ビルボードチャートのような多角的な視点で物事を見ていきたいものである。



ttp://the-musicbox.net/billboard_ittainani.html 

今回参考にしたサイトです。あくまでも現在の集計方法に則ってこのエッセイを書きました。

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