魔法少女ってアニメはさ、人気が有るみたいだけども、まほうをぢさんって言われたら、何か腹立ってこない?
重力魔法…ねぇ…
重力で、圧縮なんて出来るのかな?
俺は、目の前に有る、砂漠の砂に目をやる。
砂の中にはガラスの材料とか有るんだっけかなー
確か珪砂って云ったか?
石英って石の細かい粒々(つぶつぶ)。
それがガラスの原料の筈だ。
この砂を…
こぉ…
丸めて、ギュっとな。
お団子みたいにしてだな、
そのお団子に、対して外側から、
球体の全方向から圧力をかけられたら…
物体なんて、所詮は原子の集まりなんだろう?
金属だってさ、あれは、粘土みたいな物だろうさ。
小学校の頃に、油粘土を使った記憶を思い出す。
最初は油粘土って、硬いんだよな。
捏ねて、捏ねて、人肌で温まって、
そうやって、ある程度意のままの形に出来るようになってくるんだ。
金属の製品…
例えば金属板とか、
折ったり曲げたりしようと、
ぐりぐりと力を込めてると、
ある一点を境に、力を込めていると、
一気にぐにゃっと曲がって、そっから、
その曲がった形が戻らなくなる所がある。
手を放しても最初の形に
戻らなくなる部分が出る。
そこが、「降伏点」ってポイント。
金属の、耐久力の限界みたいな場所だ。
其処に行っちゃうと、金属は文字の通りに
降伏するわけだよな。
両手を挙げてサレンダー
以降、折り曲げたり、戻したりを繰り返していたりするとさ、
最初に曲げようとしてた時に感じていた力強い、
金属の抵抗する感じ、
「いや、俺、曲がらねーよ!?」
って感覚よりも、
もっとずっと弱い力で、楽に曲げたり出来る。
で、そっから更に
それを何回も何回も
曲げたり、戻したりしていると、
やがて、ポキンって、
それで、後は折れたりする。
その断面を触ってみたりするとさ、
熱っ!
ってなるよね。
つまり、あんな感じだろう。
俺が折り曲げたり、戻したりを繰り返した結果として、
その、加わった力のエネルギーがさ、
熱のエネルギーに変換されるんだ。
それを、例えば、金属を折らないで、
ひたすらに圧力を加えたりなんかすっと…
きっと、折れた金属触った時に感じた、
「熱っ!」
て温度が、金属全体に広がっていって…
もっともっと、手で触ったら洒落にならん位に
火傷じゃすまん位に熱が上がって行って…
きっと、ある一点の温度を境に、
金属の挙動は、そう、まるで粘土みたいに…
粘土で作った工作みたいに、
意のままの形に出来るはずなんだ。
粘土を温めて意にそぐう形にする為だったり、
そう言う事をする場合には、
力を加えて、熱を与えたが、
圧力を加えたって、熱が発生するんだ。
多分な。
圧力だって、力だからな。
思えば、粘土を捏ねるのだって、力だ。
熱=エネルギーだな。
あれをやってやればさ、
原子だか何だかの運動エネルギーが増えて、
運動できる範囲が増えて行って、
意のままに形作れる筈なんだよな。
ピコーン!
「個体呼称、『ヲヂサン』の、スキル【考察・推論・描写スキルLV1】が、
それぞれ、【考察LV3】【推論LV3】【描写LV3】へと成長しました。」
むっ!
スキルの成長、相変わらず、早すぎるだろ!?
これはあれか?
俺と言うイレギュラー、
その存在が、未だに暫定的で、
どんな適性があるのか不明だから、スキルが未だ少なくて、
それらの適正が判明していけば、後付けでスキルレベルが上がるのだろうか?
そうだとすると、
…スキルって何だろう?
今の感じだと、俺があれこれと考えを巡らせていて、
それを、…あの無機質アナウンサー女が見ていて、
何らかのタイミングで、
「いいね!」
って思ったタイミングで、
スキルレベルが成長している気がするんだよな…
だとしたらば、スキルって…
俺の能力を本当に補助してくれているのだろうかな?
むしろ、逆に、
なんか単に適性検査されているだけなような…
あの無機質アナウンサー女だ。
奴が上から目線で、
「アンタ、何が出来るのさ?」
「見ててやるから、やってごらん。」
って、どっかから見ているイメージ。
それは、おおよそ、愉快とは程遠い感情を伴ってしまう。
そんなイメージである。
お前、やっぱ俺の事嫌いだろ?
しかも、見下して無いか?
ピコーン!
「個体呼称、『ヲヂサン』の、スキル【考察・推論・描写スキルLV3】が、
それぞれ、【考察LV5】【推論LV5】【描写LV5】へと成長しました。」
…何か、正解っぽいぞ。
ちくしょーめ!
まぁいい。
気にすんな。
気にしたら負けな気がする。
…
……
………
目の前にある砂漠の砂。
それに向かって、虚心に、無心に、
圧力を加えるイメージで見つめ続けている…
ガラスの材料や、石くれやら、何やらかにやらだって、
ざっくりと言うなれば、こりゃ粘土みたいなもんだ。
捏ねて捏ねて捏ねて、
エネルギーを与え続ければ、
ある一点になって、不意にその挙動が変わるのだ。
そのある一点は、きっと、特定の、
それぞれの物質によって違っている…
条件を満たすだけの温度だ。
そっからは簡単なんだ。
砂粒と言う
それぞれがくっついていない、
それぞれが独立した存在である奴等は…
圧力を加えて、捏ねて捏ねて捏ね続ければ、
ある一点を境に、途端に挙動が変わって、
互いが互いに融合して良く捏ねられた
一塊の粘土みたいになって行く筈だ。
液体は、あれだ。
柔らかすぎてちょっとだけフリーダムに成り過ぎた粘土だ。
逆に、逆に冷やせば、粘土みたいになるし、
もっと冷やせば、きっと砂粒みたいな挙動になるんだ。
…厳密には、絶対零度になっても液体のままの液体もあるらしいのだけれどもな。
『スピンの液体』だの、『原子一個一個は磁性を持ち、三角形に並んだスピンが互いに異なる向きになりたがる場合』だの、『スピンの整列とフラストレーション』だの『原子は絶対零度でも揺らぎながら運動する事が可能』だとか、むつかしい事は良くは判らないけれども、液体が絶対零度でも凍らない例外もあるらしいのだけれどもな。
気体に至っては、あれだ。
関西のとある都市のとある「区」に居る
素晴らしい人々みたいなもんなんだよ。
多分さ。
俺が憧れている、
何時か俺も、いよいよ歳を取ってしまったならば、
あそこに住んでみたい。
あそこで、昼間っから、缶酎ハイ片手に、
公園とかで将棋をやってみたい!
そんなかなりの自由人だ。
あぁ、あの区の屋台のホルモン焼きとか、
猛烈に食ってみたい!
泥棒市だとか、見学してみたい。
一本30円で売っているジュースの自動販売機だとかで買ってみたい!
あとさー、
あとさー、
やっぱ、お好み焼きだよねっ!
ちゃんと、生地に長芋を練り込んだお好み焼き!
多くの人間は俺と考え方が違っていて、
その「区」に対するイメージは、
悪く思う人が多いみたいだけれども、
俺にとっては、あそこは素晴らしい場所。
そう思っている。
…話が逸れそうだ。
多分、気体は盛り上がっちゃって、一人でも楽しくなっちゃってるあの「区」に住んでいる人間みたいなもんだ。
気温と財布ん中身と腹に入れたアルコールが冷めたらば、彼等は暖を取りたくなって、やがて互いに集まって液体になるんだ。
で、更に冷やせばきっと、適当な、
そう、粘土みたいな挙動になる筈で…
更に冷えたらば、きっと砂粒みたいになるんだ。
熱を加える、
或いは、冷やす。
そうすっと、大体のモノは、
その挙動と性質が変わるはずだ。
ピコーン!
「個体呼称、『ヲヂサン』の、スキル【考察・推論・描写スキルLV5】が、
それぞれ、【考察LV7】【推論LV7】【描写LV7】へと成長しました。」
でもな、加圧、加熱、冷却は、重力ではないな。
この発想を、重力魔法に繋げるには、
まだ足りない。
考えろ、俺…。
…
……
………
ダークエネルギー。
宇宙を押し広げる作用をもたらす、
宇宙全体に浸透して、宇宙の膨張を加速させている、
そんな謎エネルギー
未だ仮説の域の、それはエネルギーだ。
「負の圧力を持ち、重力に反発する」
つまり、あれだな、
注射器、あれの針の所を塞いで、
あの液体を注入する時に押す部分を、
押すのではなくて、引っ張って、
注射器ん中の空気とかを真空に近づけて行く類の、
そんな、力場、フォース。
負の重力でも、重力は重力だろ?
屁理屈臭いけれどもさ…
ほら、繋がった!
うん!
これだ!
あともう一息。
宇宙を膨張をさせている、その力。
さながら、何にも入っていない注射器の、
液体が出る場所「針の先っぽ」を塞いでから、
指で押す所を逆に引っ張る力、
そいつを二つばかり用意するんだ。
注射器。
そいつを、二つ用意する。
右手に注射器、左手にも注射器。
液体を注入する時に指で押す部分を、
それぞれ、俺の右手と、左手の指でつまんで持つ。
注射器の針の部分は、俺から見て、
右手でつまんだ注射器は、俺の右端側。
左手でつまんだ注射器は、俺の左端側に。
いわば、左右の注射器は、
互いに注射器の「お尻」指で押す部分を起点に
鏡で向い合せたかの様な配置で持つ。
そこから負の方向、つまり、
注射器を真空に近づける作用を持つ方向にそれぞれ引っ張る。
液体を注入するために指で押し込む部分を、それぞれ右手と左手に持った注射器は、逆に注射器の中身を真空状態に近づけるみたいに、引っ張るんだ。
その時に、注射器のあの、指で押し込む部分。
それぞれ右手と左手でつまんで押し込む方向へではなくて、逆に引っ張って真空に近づけているその二つの注射器。
そいつら。
その二つの注射器の、本来であれば液体を押し込む時に押す部分を逆に引っ張ったその二つ。
指で本来押し込む部分は、逆に互いに近寄る。
その左右の押し込む部分の間の隙間に、モノが挟まっていたらば、どうだろうか?
マイナスとマイナスで、プラスになるのだな。
そう、それぞれ、左右の注射器を真空方向に引っ張る力を発生させた時、
その左右の注射器の、あの押し込むのを逆に引っ張った状態にしている部分にモノが挟まっていた場合は…
挟まっているモノは加圧されるのだ!
それを、
その原理をさ、
2ヶ所だけじゃなくて、
全方向から圧力加えたら、
どうなると思うかぃ?
逃げ道が無くなった物体は…
好むと好まざるとに関わらず、
加圧され、発熱して、融解するに違いないよな!
ピコーン!
「個体呼称、『ヲヂサン』の、スキル【考察・推論・描写スキルLV7】が、
それぞれ、【考察LV10】【推論LV10】【描写LV10】へと成長しました。」
頭の中で、チャイムが鳴るのと、
目の前で見つめていた砂漠の砂の一部分が変化の兆しを見せ始めたのは、
その考えに至ったタイミングであった!
このお話に於ける、私の中のもう一人の私。
つまり、この物語の主人公。
今更ですが、この物語の主人公は、現実世界の私がモデルです。
この主人公のスキル【考察・推論・描写スキル】は、
どうやら現実世界の私の成長をも反映させているみたいです。
すんっっっげぇー悩んで、
悪い頭をフル回転させた1日でした。
つぅーかぁーれぇーたぁーーー( *¯ㅿ¯*)