をぢさんのひ・み・つ♪ 見たい?
「ステータスオープンんんんんん~~~~~!!」
俺は、自分自身のステータスを開示してみようと、
スキルの発動を念じた。
…いや。声に出してしまっている。
テンション、上がり過ぎた。
どうだ!?
発動するんだろうか?
どきどき…
<ステータス・オープンが発動しました。>
頭の中にそんな無機質女の声が響き…
っ!!!
見えた!
視界の片隅に、今現在目視している景色、
それを損なわない程度に薄く
ウィンドウ的な色合いの横に長い長方形が占め…
その中に俺が知りたい情報が書かれている。
うーん。
なんつーか、いよいよ以て
現実世界の俺が良く見ていた
異世界転生だとか転移系の小説みたいだな。
さぁ、今の俺の状態と対面して見よう。
【名前】ヲヂサン
【レベル】1
【種族】ガイスト(人間基)
【性別】男
【年齢】44
生命 135
魔力 53
SP 76
Str 127
Dex 84
Vit 61
Agi 40
Int 65
Mnd 49
Luk 72
Cha 30
【所有スキル】
ステータスオープン LV-
蛋白質の記憶(特異点) LV-
重力魔法 (特異点) LV-
精神攻撃耐性 LV3
精神攻撃 LV5
考察 LV1
推論 LV1
描写 LV1
鑑定 LV2
うん。
俺の欲しかった情報が出てきた。
ずっつらずっつらとまぁ、こう、
文字の羅列が出てきたんだが…
それはそれで、
今度はこの文字の羅列が
果たして何を表して居るのかが…
それが判らんっ!
出てきたステータスの項目を更に鑑定する必要があるみたいだな。
鑑定で、ステータスの項目を鑑定してみた。
結果、こうだった。
【名前】ヲヂサン
(名前。)
【レベル】1
(能力の指標となる経験の重なり。)
【種族】ガイスト(人間基)
(ガイスト=精神体の一形態)
(人間基 =もともとのベースとなった種族)
【性別】男
(性別)
【年齢】44
(年齢。対象が存在した母星を基準とする。)
生命 135
(生命力。この値が0になると死ぬ。)
魔力 53
(魔力。この値が0になると気絶する。)
SP 76
(スタミナ。運動で消耗する。)
Str 127
(力、筋力の強さ。)
Dex 84
(手作業などの器用さ)
Vit 61
(攻撃を受けた時の防御力)
Agi 40
(敏捷、素早さ。)
Int 65
(知力、賢さ。)
Mnd 49
(精神力、魔法防御力。)
Luk 72
(運の良さ。)
Cha 30
(魅力。)
【所有スキル】
ステータスオープン LV-
(能力を開示する。対象は自分自身のみ。)
蛋白質の記憶(特異点)LV-
(有機生命体の体、及び、その残滓に触れると…)
重力魔法 (特異点)LV-
(重力に関係する魔法を使える。)
精神攻撃耐性 LV3
(精神攻撃に対して打たれ強くなる。)
精神攻撃 LV5
(精神攻撃が出来る。)
考察 LV1
(物事を調べる力。)
推論 LV1
(不明な事を調べる力。)
描写 LV1
(姿を浮かび上がらせる力。)
鑑定 LV2
(目利き、見定める力。)
一つが判ると、その続きが判らなくて今度はそれを調べる…
今まさに、そんな感じだ。
俺が屡々(しばしば)陥りがちなヤツだな。
もともとは俺の分隊であった俺も、俺の能力もきっと大同小異であるから、等しく俺の弱点的な部分なんだよな、これはさ。
不器用な俺みたいなクチの学生がいざ就職を果たして、社会へと飛び出したは良いのだが、其処の/社会の/会社の…そんな新しいグループに於けるルール、そこで最低限必要になる共通のアルゴリズム、そんな諸処のASSYを組み込んだアプリ。
それがスムーズにダウンロード出来ない、性能の良いスマホと云う他人がとある動画を7分とかで取り込むのに、俺と云うポンコツスマホは「24時間と48秒後に取り込み予定」だとか、俺の新しいモノを取り込む遅さだよ。
今、まさに俺はそんな状態にあって、
客観的に見たら、ドツボにはまってるぞ、多分。
俺は今。
…
……
………
ん~、
まぁね、俺のこの弱点は仕方が無いよな。
どんなにしたって、それ以上は出来ないんだからさ。
初めて『社会的な場所』へとデビューした頃…
そう、俺の幼稚園の頃だな。
焦っても駄目、いや、焦ったらもっと駄目になり、親のお節介な助言に従っても、結局はろくな結果にはならなくて、で、またその事について不条理な叱責が続いて行くあの今思うと心の底から無駄な時間がそれは悔しくて悔しくてなぁ…
真面目に集中しても集中力が続かなくて、どうしても頭の中に沸いた疑問や考えに誘導されてしまって、それに少し集中している間に、確実に世の中の時間軸が動いていて、俺は毎回、それに取り残されて来ていた。
まぁ、だけどもさ、今現在、俺は俺以外の他人とは一切接点を持たない場所に居るのだ。
『名前の無い者』も云っていたしな。
<訓練に適した恒星系の惑星を用意しているよ。>
<生物が居ないから、>
<最悪、破壊しても大丈夫だからねー>
<君が宝珠から力を取り出し次第、>
<君をとりあえずは其処に転移させるからねー>
この惑星には生き物が居ないらしくて、最悪、破壊しても構わない、みたいな事を云っていたのだし。
時間は存分に有るのだ。
自分の時間の中で、自分の覚え方で、この何だか全く新しい世界のシステムを覚える、今はそんな長いダウンロードの時間だと思えば良いじゃないか。
何を焦る必要が有るのだ?
誰に憚る必要が有るのだ?
そうなのだ。
そうやってこれから覚えて行こう。
さて…
こっから、どうすっかねぇー
…重力魔法ってか?
どうやって使うんだろうな。
いっっちょ、やってみるべか!
年齢って、地球が太陽を一周する一年を、
その生き物が何回繰り返したか、
畢竟の処は、地球基準なんですねー。
書いていて、自覚しました。