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ただ、おっさんが夢の中でどっかに旅立ってしまう、世間的には需要が皆無なお話  作者: 加工豚(かこうとん)
【第一章】限り無く透明に近いをぢさん
7/50

をぢさん は、とある惑星にて、ためつすがめつ している… ▼

痛感しました。

物語を書く時には、勢いで次話をポンポン勢いのまんまに、

無責任に投稿してはいけない!


書き終えたら、徹底的に読み直す。

これ、大事!( ゜д゜)b













世界よ、お早う。

私の帰還である!




…時間が判らねーって不便だな。

あの毒々しい赤、クリムゾンレッドの空が暗くなっており、

月が三つ煌々と輝いていた。


俺はまた一つ発見し、納得した。

この惑星は、あの真っ赤に主張しまくる恒星の引力により、潮汐ロック現象を受けている訳ではなかったのだなぁ、こうして、夜空と…3つ月が見えるって事はさぁ。


月が3つ…

そう言う惑星なのだろう。

何か、一々反応するの、もう疲れたわ。


だけれども、綺麗なもんだな。

昼間の空はずっと夕焼けの癖に。


夜の月の方は、パステルカラーみたいな色彩で、

ピンクがかった色

薄い青を明るくしたような色

そして、黄色。

黄色は、地球の月みたいだ。

ピンクが一番でかくて、青が次にでかい。

黄色は地球から月を見たのと同じ位の大きさだ。


地球の月に見慣れている俺からしたらば、

ピンクと青の月はやたらとでかい。


大きさを、どうやって表現するべきなのかな?

ピンクの月は、そうだな、

自分の目の前にサッカーボールを、

己の目から20cm位の場所に置いて見たような、

そんな存在感だ。

かなり、でかい。

圧倒的な存在感だ。


まぁでも、あの昼間の真っ赤な恒星の存在感から見たらば、十分に可愛らしい範囲と云って良いのではないのだろうか?

あの恒星のビシバシ主張してくる感じを散々見ていたので、この際、夜空はそう思えるんだよな。


青い月は…どの位かな?

野球ボールを、同じく、目から20cm位の場所から見たような感じかな?

こいつも、地球の月を見慣れている俺からしてみたらば、十分にでかい。


黄色の、地球の月に似た大きさの奴は

ざっくり、40cmの距離から500円玉を見た様な。

そんな感じだ。

お前は見ていて安心するよ。

どうかそのままで健やかに育って欲しい。




…いや、やっぱ育つなよ!

君はこれ以上、でかくなるな。

そのまんまの、等身大の、そのまんまの君で居てください。




今がこの惑星に於ける、いわゆる処の、

『夜』と言う事象である事は判る。

だがこの惑星の公転周期だとか自転周期だとかが、

一切不明である。

ふて寝の時間の間に、俺はすっかりと熟睡していた様で、そうでないとあの散々主張してくる恒星がすっかりとなりを潜めているこの夜空の説明がつかないぞ…俺、何時間寝ていたのかな?


…突然、脳内に「ピコーン」と、PCとかにありがちな

お知らせの前に鳴る様な類のサウンドが耳朶(じだ)に響く。

脳内に直接響く類の音を、『耳朶(じだ)』と呼べるのだろうかな?

等と、細かい事は置いといて…




ピコーン!


「個体呼称『ヲヂサン』が新たに、スキル【精神攻撃耐性LV3】を取得しました。」


「個体呼称『ヲヂサン』が新たに、スキル【精神攻撃LV5】を取得しました。」




こいつ、あれだ。

俺が適性があった宝玉に手を翳して、力を取り出す事に成功した時に聞こえて来た声のアイツだ。

無機質アナウンス女だ。


個体名が をぢさん かよっ!

何かこの無機質アナウンス女から、

さり気無い悪意を感じる気がするんだよな…

オメー、俺の事嫌ってんだろ?


それはそうと…

何で唐突にスキルを獲得した?

俺、ふて寝しかしていない様な…













!!!!

あれかぁーっ!

俺のふて寝の原因を作ったあれかぁー!














…思い出したくもねーよ!

何が悲しくて俺自身のヌードを客観的な視点で見なきゃならねー。

何の苦行だよ。

まったく。


エロだらしない、なら、まだ良い。

ただただ無様(ぶざま)にだらしない中年男の無駄に有り余った垂れたお肉を晒す我が儘ボディー


しかも、それが、俺自身…

他人でも、同じ男性同士でそんな映像とか、

需要皆無だし、苦痛だけれどもな。

ヌード晒しているのが、自分自身だった場合は、途端に自分自身にダメージ入るんだなあれ。


確かにあれは相当にきつかったな。

どんだけキツいか説明する為に

俺(本体)の過去を晒すが…


ほら、カラオケで歌った自分の歌声を収録して

後になって客観的に聞いてみた時みたいな羞恥感だよ。


現実世界の(メイン)、こいつがまた、ダメ人間の癖に、

歌だけは好きでな。

カラオケ行って、自分が歌った歌声を、

某動画サイトに投稿した事が有って、

そん時に、奴が自分の歌声を収録した声を聴いて、

羞恥に悶えていた事を思い出す。


明らかに自分の歌声に酔いながらどや顔で

こいつ、相当この部分に自信が有ったのだろうなー、とそんな事まで判るかの様な…

客観的に第三者として見ると、大変に痛々しさ満開の、

そんな歌い方でとある曲のとあるフレーズを歌い上げる。

英語の歌詞の部分だった。


都会的な洗練された演奏の中で、

関西弁で、男女の別れを描いたその曲。

多分、女の方が男を捨てたのかな?

で、捨てた女の方がが涙をこらえている、

そんな曲を、男性のハスキーな声で歌っているやつ。

そいつを歌う時点で既に奴は己の実力を客観視出来ていない、大変に痛々しい奴なのだがな…


日本語訳にすると、

「キツく抱き締めて」

その部分の、

その時の(メイン)の歌い方ときたら…





客観的に聞いてみると英語発音がとても田舎っぽくて野暮ったい。





現実世界の(やつ)は、動画を投稿したモノを確認した後、これを自分が歌っていると云う事に、自分でも信じられないと云うそんな衝撃を受けていた、つまりは奴は、そんな馬鹿である。

己を客観的に「見る」と言う、そんな視点の第三者視点の(サブ)、つまり、今これを頭の中で述べている、現実世界の(やつ)に、興味本位の実験でブラックホールに落とされ、その結果、今暫定で、(メイン)から独立した存在となった、そんな(サブ)


そんな(サブ)の存在は、だからこそ、必要なのだと思うんだよな。

あいつ、ほんと、馬鹿…


…確か(サブ)はその時に、

明らかに自分の歌声に酔っていたそんな馬鹿(メインおれ)に、

ここぞとばかりに、情け容赦の無い言葉の追撃を食らわせてやった。

ありゃ、本人の為でもあるぞ。

大した才能も無いのに、勘違いしてアップなんかしちゃった馬鹿。

多分、心無いコメントをする輩の格好の標的になるに違いないであろう、隙丸出しのあの軽挙妄動(けいきょもうどう)

ありゃ、徹底的に叩かなきゃ駄目なパターンだった。





話がまた、随分とぶっ飛んだが…

つまり、あの種の類に似た様な羞恥心を耐え抜いた事によるアレだな。


自分のヌードに耐えきった経験…

その経験値を獲得して、レベルが上がったのだろうな。

RPGみたいに。


それは判った。

【精神攻撃LV5】の方は、あれかな?

そんな俺自身の内面からの突き上げに耐え抜いて、

奴を一撃でぶっ倒した事によるのかな?


あれ?

あの時、俺、具体的に、何をやって奴を攻撃したっけ?

…思い出せないなぁ。


ってか、(サブ)のは(メイン)から暫定的な独立を果たした筈なんだけれども、どうやらそんな(サブ)の更に内面的な部分にさ、更に(サブ)を攻勢している幾つかの『分隊』的な俺の存在が、どうやら有るのだろうなぁ。


…で、見ていて大変に香ばしい感情を伴ってしまう、あのイカしすぎた脳内動画は、どうやらその『分隊』の誰かが俺に見せて来たらしいのだよな…どんな奴なのかは知らんが、絶対に許さんからな。


覚えとれよ、クソが!


無意識に、夢中で手を出した。

一撃で沈める覚悟だった。

物凄い怒りだった。

間違い無く、羞恥心(しゅうちしん)源泉(げんせん)にある、

あれはそんな怒りだった。

でも、思い出せないな…

具体的にどうやったんだろう?

俺よ。


まぁ、良いかな。

思い出せないんじゃ、仕方がない。









はぁ…

それはそうと、

これが、『名前の無い(ホル)』の言ってたあれかな?

それで、新しいスキルが発現(はつげん)したと?




<全ては、君の生きざま、感じ方、選択次第…以下なんちゃらかんちゃら…>




しかしねー、

あれだよ。

スキルとやらが新たに増えたのは、素直に喜ばしい事だとは思うんだが…自分の状態がいまいち判らねー以上はなぁ。

得たスキルがどんな効果なのだろう、だとかさ、

そもそも、この世界での俺の立ち位置だとかさ、

相対的に、俺の強さとか、どの位なんだろう、とかさ、

そう言う事が判らないとなー。

得たスキルの有効活用が判らねーよ。


うーん…

色々とやってみるしかねーのかなー。





ピコーン!

「個体呼称、『ヲヂサン』が、新たに、それぞれ、スキル【考察・推論・描写スキルLV1】を取得しました。」





…また何か新たなスキルを獲得したみたいだ。

色々と頭で考えたからだろうかなぁ?

それだけでも、スキルって増えるのか。

ならば、これは或いは。


俺は、とあるスキルが欲しいな、

と、思った。

そいつが有ると無いとでは、

かなりその…

有利・不利が判れるんじゃねぇーの?

インフォメーション的に。

情報って、大事だからな。







……

………



俺は景色をあれこれと、眺め続けている。

夜空を見たり、月を見たり、はたまた、地上の砂漠っぽい砂を眺めたり、赤茶けた岩場を見たり、

夜空と地上との境界に浮かび上がる稜線(りょうせん)を眺めてみたり…

幸い、月が三つ存在する世界だ。

夜でもそんなに視界は悪くはない。

そう言う事を続けて、小一時間位かな?

感覚的に。

頭の中に、慣れてきたあの音が響いた。




ピコーン!


「個体名称、『ヲヂサン』が、新たにスキル【鑑定LV1】を取得しました。」




来たぁー!

狙いの通りだ。

そうだ。

【鑑定】が欲しかったんだ。


こういう異世界転移とか異世界転生とかだと

物凄く重要なスキル扱いだったりしたもの。

女子高生が昆虫になったりして大変なラノベのお話とかでは。


しかしなぁ…

俺が見た異世界転生とかそんな奴って、

こんな簡単にスキル得られるようなお話って、

そんな無かった気がするぞ。

良いのか?

何つーか、世界のバランス的に…


まぁ、良いか。

深く考えんな。

次だ、つぎつぎぃー。











……

………



俺は寝転んで、目を閉じている。

そうして、一心に、俺の能力値を鑑定してみたいなー

鑑定してみたいなー、鑑定させてくれねーかなぁー

鑑定させてくれる人になってくれねーかなぁー

ほらほら、此処に俺を見てみたい、

物好きな俺が居るぞ。

見してくんねぇーかなぁー

ほらぁー、自分の気持ちに素直になって

さぁ、さぁ、こっちへおいで~

スキルちゃん、恥じらいを捨てて、

こっちへおいでぇ~

ホラホラ…生まれたまんまの…


(以下、長いし、ちょっとキモいので略…)


と、しつこいナンパ師みたいなアプローチで()って瞑想していた。

こういう場合のセオリーは、座禅とかなのだろうが、

そんな事嫌だ。

足、痺れんじゃん。


スピリチャルな存在になってから、

座禅とか組んだことねーから。

果たして、足が痺れるのかどうかは判らないが…

第一、俺そんなキャラじゃないしな。

怠惰(たいだ)の塊みたいな男だ。

俺、考える時は大体は寝転んで目を閉じるんだ。






ピコーン!

「個体名称、『ヲヂサン』のスキル【鑑定レベル1】が、【鑑定レベル2】になりました。」

「個体名称、『ヲヂサン』が、新たにスキル【ステータスオープン】を取得しました。」






ん!?

ステータスオープンか。

これは盲点だった。

確かに異世界モノであったな。

大体は『女神様』的なキャラから、異世界転移or転移へのボーナスとして支給(?)される特典的な扱いの奴で、他には異次元収納スキル的な奴も付いて居たり、後は…そうだな、『言語理解』だとかの三点セット。

よしよし。


ちょっと当初の意図とは違ったが、

目的は果たせた。

俺の勝ちぃー!


よし!

見てみようか。

自分自身を!









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