ちょっとお話も長くなってきたので、説明パート気味
自身も忘れかけている設定の思い出し回的な説明パートです。
自分があまり頭が優秀じゃないもんだから、良く、他人の作品を読んでいて、
「あれ、この人誰だっけ?」
「どういった人物だっけ?」
「このスキル、何だっけ?」
だとか、そんな事が頻繁なものですから、わりかし、わりかししつこい位に思い出せる様に、そいつを心掛けております。
自分が書く小説なら、自分が理解可能な感じにやってみよう、です。
ご了承下さいな。
さぁ、今から、妖魔・オーガの腸内に巣食っている細菌叢の集落の一つに接近し、恐らくはセンサータンパク質が手に入れた物質から予想するに、その場所は悪玉菌vs善玉菌の戦場となっているであろう、その場所へと殴り込みだ、コノヤロー!
次第に昂りつつあるテンションに中てられたのか、心成しかそれに比例して勢い良くぶん回っている様に感じられる鞭毛モーターの回転数と振動が、それすら何だか心地良い。
俺が異世界へやって来て、別の惑星にいた頃に分身が出来上って、そいつらを利用して作り上げた警戒・戦闘システム
――イージス艦兼空母打撃群的な――
そのシステムの警戒・索敵体制を第一級戦闘態勢へと引き上げた。
――――現実世界の奴が厭世感の余りに、現実逃避気味に真夜中、宇宙について色々と妄想をしていた時に、そんな奴に視界を提供する為に自らブラックホールの眼前に位置していた俺は、奴の 「ブラックホールに人間が落ちたらどうなるのだろうかなぁ…」 と言う、そんな興味本位の実験台にされた挙句にブラックホールに叩き落された哀れなる犠牲者であり、元々は奴の意識の中に存在していた、自身の行動などを客観的視点から眺めて逐次に突っ込みを入れたりしていた、『己の内部に存在しているもう一人の己』的な分隊意識だったのであるのだが、ブラックホールに叩き落されてから、俺はどうやら奴からの独立を果たしてしまったらしい。
そうして良く判らない内に、何だか棚ぼた式に独立した存在となってしまったこの俺は異世界にて色々とやっていたのであるが、とある惑星で、新しい世界でのこれからのやり方ハウトゥを色々と試行錯誤しつつ、模索していた頃に、どうやら、奴から独立を果たした、そんな俺の内面にも更に俺から枝分かれした様な幾つかの俺の分隊が居るらしい事に気が付いたのだ。 ――まぁ、彼等はある意味、奴の弛まぬ脳内妄想が根本であった幾つかの俺とは別の人格で有った筈だったのであるが、かのブラックホール事件にて、どうやら俺とくっ付いて一緒になっちゃってこちら側へと来たみたいなのだなぁ。―― これから異世界で色々な困難と遭遇して行くのであるから、そいつらと俺はいわば一蓮托生の関係な訳だから、確か…俺が、何かの選択を迫られた時に迷いが生じてそいつ等を呼び出し相談してみようかと試みたのが分隊たる彼等との最初の接触だった。
そうしたらば、それがスキル発現の条件であったのだろうか、新たにスキル【並列思考】を手に入れたので、これ等、俺の内面に存在していた更なる枝葉である分隊に対して、それぞれが独立した演算処理が可能な ――パソコンの最近のCPUの複数コアの中の内の、分隊の1人1人がそれぞれ1個のコア的な―― 役割を果たすように彼等に依頼したのである。
奴から分かれて独立を果たした俺ではあったのだが、所詮は社会で躓き気味の、そんな奴が元々の雛型である、いわば奴のコピー的な 頭の悪さ/スペック しか持ち合わせてはいない俺であるが故に、前述の俺の分隊を独立させそいつ等に俺に降りかかる負担を分割して請け負ってもらい、俺本人の負担を減らそうと考えていたのである。
【並列思考】を入手後、そんな俺は更に新たなスキル【空間認識】を手に入れてしまって、そのスキルはどうやら俺単体で使いこなすには余りにも負荷が高く、俺の性能が悪い脳内記憶領域が耐えられない、使いこなし切れないオーバースペックである事が判って、その解決方法としてスキル【並列思考】の分隊を用いる事によって俺脳内の処理能力負担を分散・分担させてしまえば良いではないか、との思い付きによって彼等分隊を上手く用いた視界方面担当制の警戒・索敵システムの様なモノを構想して実践を試みたのである。
そして、そんな彼等分隊を用いて、手に入れたスキル、【空間認識】が俺が手軽に使用に耐えうる様な体制作りを確立させるぞ…と、再び試行錯誤をやった末に、分隊CPU的な人格がまだ足りないと感じて増員を呼び出したところ…その新メンバーに何と…俺の元の宿主であった奴が出現した次第である。
これは説明が少々ややこしいところであるが、そもそも、俺は元々は、今現在も現実世界での生活を営んでいる、奴の脳内に元々は存在していて、奴の行動を第三者的視点で客観的に俯瞰して時々、奴のボケた行動に対して突っ込み役を果たしたり、奴が何かを見て、それについて何かを感じた時に「まるで〇〇の様だ」だとか、それを何かに例えて理解しやすくする役目、それを担っていた、いわば一個の人間の脳内に存在していた『自己の中に存在している客観的な視点の自己』であったのが、前述した様なブラックホール事故で以って、そんな偶然で一個の人間の脳内に存在していた架空の人格が独立した存在となってしまった状態であり、そんな独立を果たしている俺が更に己の内部に存在しているらしい分隊の、新メンバーを呼び出してみたらば、なんと現実世界の奴の意識と繋がってしまったのである。
なんとややこやしい事であろうかなぁ。
つまり、この異世界では、奴は、俺の、元来は主人で有るにも関わらず、この世界では逆に、俺に仕えて役目を果たして居ると云う…見事に主従の関係が逆転した、捻じれた主従関係を持っているのである。
まぁまぁ、そうやって出来上がった今や別人格をも持ち始めていたり、元々は俺の主人だったりしたりしている分隊達に協力して貰って、何かと物騒であろう事が予測されるこの異世界での戦闘等に対応する為に、視界を分担させて索敵とその視界の範囲内での敵勢力への対応を任せるという、そんなシステムを構築したのである。
その分担範囲は…
俺の立っている場所を中心として、大まかに正面・右側面・左側面・後方・別次元の5方面であり、分隊を指揮する代表としての分隊達も5人存在している。
ざっくり、俺が立っている場所から、90℃毎に視界範囲をそれぞれスキル【並列思考】によって独立したタスクをこなせるようになった分隊達に担当してもらう。
円形のメロン、そいつを4分割に包丁でスライスするみたいにして、その1個1個の視界範囲を担当して貰いつつ、それにプラスして、「別次元」と言う、何だか良くは分からない領域を加えて5分割にするような感じで大まかにそうやって役割を割り振ってやった。
今現在俺が立っている方向を基準としての5分割。
今後、異世界でバトルとかになった場合は、俺がそれを発動した時点で、俺が立っている場所、視界を基準に5分割した方が把握しやすいのでそうなった。
今俺が立っているところ、其処がホームベースと見立てて。
キャッチャーの位置からピッチャーを俺が見ているその直線から右に45℃、左にも45℃の合わせて90℃の視界の範囲は、現実世界に今も存在していて、その意識だけが俺と繋がっている、不思議な状態の奴が担当する。
ホームベースのあの形だ…キャッチャー側に一番近い場所に位置するでっぱった形の角度って、ちょうど90℃なんだよな、んで、そこを起点として石灰のライン引くとその石灰の二つの線のラインがレフト側・ライト側へ向けてそれぞれ広がって行くだろ?
あれがそのまんま、奴が担当する視界範囲になる。
四つに切ったメロンの内の一個の担当。
奴から見て右側は、武闘派担当ヤクザチックな人格の俺分隊に任せた。
四つに切ったメロンの右側担当だ。
左のメロンは、オカマキャラチックな人格の俺分隊が担当。
後背のメロンは、野球少年の頃の人格の俺分隊が担当。
引き籠りキャラの人格の俺分隊の担当は、少し特殊な立ち位置である。
次元を超えた領域に潜んで監視し、俺に向かう殺意・害意・脅威の存在が無いか、そんな領域を監視して貰う。
キャラ的にも何かそっち系が得意みたいだからな。
そして、この五人の分隊達(まぁ、一部、分隊ってか、本体が居たりするんだけれどもな。)が更に更に配下を持っていると云う、そんな複雑怪奇なるこの警戒・索敵体制迎撃システム…
正面視界担当の奴の下には更に、奴のミリタリーオタ根性が想像で生み出した装甲兵力。第二次世界大戦時代のドイツ軍の戦車兵と5号戦車・パンターGが20両。
1両当たり、5人の戦車兵がパンターGに乗り込むので、戦車兵の総数は100名に上る。流石は本体の面目躍如と云った所だろうかなぁ。普段は俺の脳内に存在しているらしい、駐屯地的な領域で演習等をやっているらしく、質でも数でも、俺の中での最大戦力である。戦車兵達は週末には駐屯地内のバーで既に一杯だかいっぱいだかは判らんが、ビールを引っ掛けて、派手に陽気に俺の脳内に存在している街中までに繰り出してきては、後述の武闘派メンバー達が騒いでいるフィリピン・パブやらオカマメンバーのやっている夜のお店になだれ込んで、肩を組んでジョッキを持ちながら足踏みしつつ、その足踏みのリズムに合わせて戦車兵の歌である『パンツァー・リート』をみんなで熱唱していたりするらしい。軍隊らしく、一糸乱れぬその連帯力で興じる歌唱には、ある一定人数のファンが出来つつあるらしい。武闘派メンバーも最近はそんな彼等戦車兵達から本格的な軍隊式の戦法・戦術を学ぶ奴等が出てきており、分隊達の交流の切っ掛けを作り始めているのが彼等なのかも知れない。
武装はズバリ、第二次世界大戦で実際に活躍したドイツ軍戦車、5号戦車パンター、主砲70口径75㎜、副武装に7,92㎜機関銃MG34を2門装備。主砲は通常弾・徹甲弾・榴弾を選択可能。赤外線暗視装置付きであり、夜間の行動もばっちり、走・攻・守のすべてを高い次元で纏め上げた戦車界のイチローと呼ばれた戦車である。
右側面視界担当の武闘派野郎の下には更に、武闘派らしく、俺の脳内にどうやら存在しているらしい脳内町内会の一角の領域に組事務所を構えており、そこに常駐している構成員達が20人前後存在していて、俺が緊急の事態の際にはそこの事務所に詰め込んで待機して俺の声が掛かるのを待っている様子だ。普段は雀荘に籠って麻雀三昧だったり、中華屋でランチしていたり、フィリピン・パブでどんちゃん騒ぎをしていたりするらしい構成員達…合計20名前後。最近、飲み屋で前述の戦車兵達と意気投合し、旧来のヤクザ的なそれとはまた別の、軍隊式の戦法やら戦術やらを学び、交流が進んでいるらしい。後述の野球少年の頃の奴キャラ分隊からは、野球ボールの投擲戦術をも学んでいる。意外と自分等の飯の種となるそういう戦い方を吸収して行く意思が強いグループである。
武装は幅広い。素手の格闘・木刀・真剣・ピストル・マシンガン・10tダンプを用いた突入・そして、野球少年から学んでいる投擲攻撃など。後述するが、野球少年の投げるボールの殺傷力と破壊力は、はっきりいってえげつなく極めて凶悪である。
左側面視界担当のオカマ野郎の下には更に、彼…いや、彼女?ややこしなぁもぅ。よし、『彼女』に統一しようか。オカマ野郎、その下には更に彼女が働いているお店のオカマ仲間達が存在しており、彼女達の総数は武闘派の配下とほぼ同数の20名前後。彼女等は俺の脳内に存在している街の一角に夜の商売を構えており、わりかしシフトが入り組んでいて、全員が揃う事など余り無く、現在のところ、正直、増員が望まれる現状である。
彼女等は極めて女子力(?)が高く、食事も自分で手料理の時間を惜しまずに丁寧に作り上げて、メイクにも肌の手入れにも余念が無い。
もしかすると、その辺の女子よりもよっぽどに女子らしい彼女等であろう…俺の脳内に存在している、なんだかうらぶれた赴きの強い町の一角の、昭和の古き良き、そして質素であるマンションに居を構え、向こう三軒両隣を箒で掃除したり、週末には付近の神社の境内に立ち寄ったりして、野良猫ボランティア活動などをやっており、メスの猫が子供を増やしたりして、周囲の住人にも、猫本人にも不幸となるであろうそう言った問題を解決すべく、働いたお金をカンパしてそんな猫ちゃんたちの避妊手術や飼い主探し等を行っている。見た目は…アレだが、中身はマジ、天使だよな。
彼女等の武装は、野球少年の頃の奴分隊達から学び取った投擲攻撃である。
オカマだと侮る無かれ、メイク・家事・肌の手入れ・ご近所付き合い・奉仕活動などに一切の妥協を試みない彼女等のその性質は、見事に投擲攻撃にも反映されており、手作りで、オーガニック且つ滋養に満ちた質素な食事を作り、それを自ら食している彼女等は健康そのものであり、『健全なる肉体には健全なる精神が宿る』の言葉を体で表しているのが彼女等である。
ただちょっと…肉体の性別と精神の性別に乖離が存在して宿ってしまっているだけなのだ。
美容と健康の為に、トレーニングにも余念が無い彼女等の、その投擲力は、実は武闘派配下達をも凌駕している強肩である。ちょっとした高校球児並みに。まぁ、それでも、彼女等は肩幅が厳つくなってしまう懸念を考慮しており、(彼女等から投擲攻撃を受ける立場の敵にとっては)幸いな事に、7割程度のトレーニングに自重している次第である。
後方視界担当の野球少年だった頃の奴キャラ分隊、彼の下には更に少年野球のメンバー達が存在しており、その総数は20人以上。そいつ等をこの野球少年の彼は率いている次第である。
彼は度々前述してきた『投擲攻撃』を最初に実践して成功させた殊勲者でもある。
俺の魔力を用いて、スキル【ポルターガイスト】を使う事により、当時は幽体みたいな存在であった俺が
――今も種族スキル『憑依』を用いて腸炎ビブリオに憑依している格好であるのだが、この肉体は恐らくは物を持ち上げたりが可能な筈である、何故なら鞭毛を用いてあれこれとポーズと取ったり、頭を抱える仕草が出来たからである。――
当時、やりたくて仕方が無かった、自分がスキル【重力魔法・物体加圧/成形】を用いて圧力と熱を加え、砂を溶かし成形して完成させた、野球ボール大の岩を持ち上げて野球みたいにぶん投げる、投擲を最初に成功させた、その殊勲者。
そして、そこから更に野球少年は俺のアドバイスに従って、俺の魔力を引き出して使って筋力を増強し、俺が脳内で指示した様に回転数と球速をどんどんと吊り上げて投擲を続けて行った結果、次第に投擲された岩石野球ボールは、地面側に円弧の軸が存在するかのような、そんな物理法則的に当然である放物線を描く事を拒否し始めて、引力を無視したかの様に逆に、空側に円弧の軸が存在しているかのような、空側に向かって弧を描いて曲がる様なNunaturalなる軌道を描き出して…
――プロ野球選手でも不可能なレベルのストレートの非常識に伸びる軌跡を描いて――
遂にはその、空側に存在している架空の円弧の中心軸の 外周/直径 に向かって沿った様になり、その円弧自身の直径が次第に小さくなって行って、そして遂には空中にて1回転するようになり、
――駄菓子屋に売っていたウレタンの戦闘機。あの昭和世代には懐かしい飛ばすおもちゃ。そいつを組み立てて、翼のフラップ部分に二か所ハサミで切り目を入れてからフラップ部分を折り曲げる。前の翼のフラップは下向きに曲げて、後方の尾翼の方は同じようにハサミで切れ目を入れた後にフラップを空側に曲げて、(それはレシプロ戦闘機が宙返りをする時の実際のフラップの操作と一緒の動作なのだが…)そいつを地面に叩き付けるくらいの勢いで地面に向かって飛ばすと、そのおもちゃは地面に衝突はせずに、優雅なる円を空側に…まるで架空の円弧の中心軸が空に存在するかの様にその円弧の外周に沿ってカーブを描いていって、実際のレシプロ戦闘機がそうである様にそれは見事な宙返りを決めるのであるが…――
更に岩石野球ボールにかかる回転数と球速をどんどん上げて投擲試験を行った結果、その1回転がもっと小さな円弧を描いて、やがては2回転となり、3回転になり…その間にも球の軌道が描く円弧の直径はどんどんと小さくなり続けて…やがてはモーター式のバイブレーションが振動を起こすためにわざと軸を少しだけずらさせて回転させた時の様な、その振動を出す為のモーターの回転軸位のレベルの…直径が小さすぎて目視での認識が困難な程の小さな弧を描く円弧の直径となり、最早、岩石野球ボール自身の球の直径よりも小さな円弧運動になって行き、最終的には、一見すると、全く空中で宙返りをしない感じの一見すると普通の直球のような軌跡に戻って…
――つまりはその位に円弧の直径が小さくなってしまったごくごく小さな、目視不可能である宙返りの連続をしているのだろう、その球は――
そんな直線軌道を描いた後に、恐らくは球が回転して風を切るその速度が音速を超えてしまったのであろう、空気の存在している惑星上にて、その物体が、音が伝う速度を超えようとした時、その音の障壁を破る時に生ずる凄まじい音と衝撃である、衝撃波を周囲にまき散らしつつ、とある断崖絶壁に命中した後に、今度はその爆散の爆音を発生させ、岩石野球ボールは跡形も残らずに消滅したのである。
爆心地へ行って確認して見たところ、400m先の断崖絶壁に命中したのであるが、その爆心地には直径40m、深さ20mの半円状のクレーターが出来上がっていたのである。
半円状だったのは、命中した場所が地面すれすれだったからそうなっていた訳であり、地面側の砂はやはり漏斗状に砂が抉れていた所を考えて見ると、単純に、この岩石野球ボールの投擲による攻撃力は。直径80m・深さ20m程度にわたって切り立った崖を抉れさせる、そんなえげつがない攻撃力を秘めているのである…いや、秘めていないな。そんな攻撃力を、むざむざと露骨に見せつけたのである。
この魔球の威力については、速やかにそれぞれの分隊達にその情報と技術が共有化が為されている。
まぁ、元々が奴脳内に存在していた、奴とは少しだけ違うけれども、奴が人生の思考の末に悩んだり、発見して来たりして、そうやって生み出され、時間をかけて無意識に育んできた要素を持ったそれぞれのキャラクター達が人格的なモノを持ったのであるから、そんな風な発生に至る根幹がごく近い我々の結び付きは強くて、スキル【タンパク質の記憶】の効果もあり、奴・俺・武闘派・オカマ・野球少年・引きこもり、この6人間の情報の共有化は極めて高度である。
そんな野球少年の頃の奴の要素の分隊、髪型は基本はスポーツ刈りなのであるが、そのスポーツ刈りの真ん中から、『逆モヒカン』みたいな感じでハゲ部分が有る。
普段は俺の脳内に存在している、昭和風の懐かしい市街地に住んでいて、日々、探偵ごっこやら駄菓子屋通いやら、野球の練習やら、小学校に通うやら、そんな事をやっている様子である。
引き籠りキャラの分隊…一番の謎部分である。
『次元の中』に潜り込んで、俺に対して、殺意・害意・脅威を抱く存在について監視している…らしい。構成メンバーが、一人のみ。
具体的に、どの様な手段で以って探って居るのか、どの様な方法にて次元の中などと訳の分からない領域に潜んでいるモノなのか、その一切が不明である。
こんなメンバー達が、俺の四方周囲の敵情を索敵・迎撃出来る体制がこのシステムである。
前方に奴。
右に武闘派。
左にオカマ。
後ろに野球少年。
次元のハザマからは引き籠り。
こいつ等が、それぞれに俺の360℃のグルリ周囲と、敵意の様な意識までを索敵可能であり、また、各々の武装によって迎撃も可能なのである。
360℃グルリ。
つまり、俺が地上に立っていたとして、その地中の敵情の索敵も可能であるし、更に次元の間からは、引き籠りが俺に対する殺意・害意・脅威を監視している。
俺が索敵を命じると、この各々が音の速さで配下を広げて担当の範囲を ――4分割したメロンの1個――― 偵察して、その配下が目視した情報をそれぞれの方面の担当の長である、前述の彼等が一旦拾う。そして、必要だと判断した視界情報だけを俺に齎すシステムとなっており、これによって俺の脳内負担が激減したのである。一応、反撃に対する命令権は俺に帰属しているのだが、緊急を要する事案 ――スキル【タンパク質の記憶】による情報共有の迅速さすら上回る速度での敵勢力の攻撃等―― に関しては、各々の長にその対応への権利を委譲した形になっている。
この強力なるシステムの警戒・索敵体制を第一級戦闘態勢へと引き上げたのである。
このシステムに更に、前の惑星に居た頃に生き残っていた生存者達…まぁ、『生き残り』ってか、むしろ『逝き残り』の幽体なんだけれどもさ、そいつ等の魂をスキル【タンパク質の記憶】を用いて、一時的に俺の脳内領域に避難させている。
前に俺達が居た惑星アルヴィスが、アルヴィスを照らしていた恒星フレイアの寿命が尽きる際の超新星爆発に巻き込まれると言う緊急事態で彼等三人の魂を吸収して避難させたのであるが、この三人を戦闘顧問・魔法顧問・元国王の立場からの他民族との折衝等に役立って貰おうと考えている。
フェルディナント・ディ・ザイモス三世…
元々住んでいた惑星アルヴィスにて、人間族の王国の一つ、フェルディナンド王国の国王の座に就いていた人物で、本人は何だか国王等と言う柵だらけの立場よりも、後述のゲルファウストの様な気楽な隠遁生活や俺みたいな境遇に対して羨ましいと思っている、そんな心の流れがスキル【タンパク質の記憶】を用いて流れ込んで来るところを見るに…国王の座なんてさっさと還俗してしまい、趣味を謳歌して見たい、異文化交流の旅を好きなだけやって、色々な種族・民族と触れ合って様々な体験をしてみたい、と、その様な思いが強いみたいである。
俺にウィリアムの名を与えてくれた。
俺はこれから知的生命体に戻ったらば、「ウィリアム・ウォーディセン」を名乗ろうと考えている。
ザイグーヌ・ファテマハト…
元々住んでいた惑星アルヴィスのドワーフ族の王国の国王であった人物で、酒が大好きで、メカが大好きで、鍛冶が大好きで、スキル【タンパク質の記憶】から流れ込んで来るその精神性は天衣無縫で汚れる事を知らない様子である。こういう人物が国王って大丈夫なの、そのドワーフの国は?…己の関心が向く分野の好奇心に突き動かされるままに、それに没頭して、自ら試して、それが失敗ならトラーアンドエラーを繰り返して、成功すると屈託のない笑顔を見せて仲間達と談笑し、酒を酌み交わす、そんな男である。最近、戦車の知識に関心が向く余りに、奴隷下の戦車兵達が駐屯している場所に詰め掛けて行って、連日戦車を弄繰り回しているらしい。見た事も無い工具だとか、あっという間に使い方をモノにしていって、戦車兵や戦車のメンテナンス技術者から注目されて、どんどんと現代兵器の知識を吸収して行っている様子であるが…この人間性であるならば、その様な兵器を用いての悪い意味での暴走は行わないであろう、と判断している。
カウス・フォン・ゲルファウスト…
元々住んでいた惑星アルヴィスの、上記の国王二人の内、人間の王国の方の国王、フェルディナント・ディ・ザイモス三世の宮廷魔術師の座に就いていた過去が有り、それを引退してからは、惑星アルヴィスを照らしている恒星フレイアの危険性、寿命が尽きる時には爆発するでろう、その事について独自の研究からその危険性を導き出して、何とかその絶望的な終末からやり過ごす為の方策や避難場所を作り出していた、慧眼かつ、行動のやり手。
実は恒星フレイアがその命数を使い果たす前に、なんとその恒星フレイアの現身である本人と、何らかの魔法技術的な製品の共同開発みたいな事をもやっていたらしいし、今現在のところ、このファンタジー異世界へと転生して来てから、魔術的なあれやらこれやらに関しては、彼の世話になって居る事が多い。
何れ、何れ、彼の手から独立しようか…あーでも、この爺さん、非常に便利な存在だよなぁ~。
警戒・索敵システムの結構、穴の無い感じのそれに加えて、更に上記の三人衆が、俺に対して助言してくれている。最早、戦闘に関して、この様な重厚なる防御態勢を抜いて来る敵は中々(なかなか)存在しないのでは無いのだろうかな?
更に、更に、これだけでは無くて…
女神アルヴィス…
前に俺が新しい環境、異世界ハウトゥーを色々と試行錯誤していた舞台となっていた惑星アルヴィス、その惑星自身の現身であるアルヴィス、女神的な存在である彼女が…どうも、俺の脳内?魂?なんかそんな領域との間に『道』が通じているらしく、その『道』が止むを得ない事情とは言え、俺が大魔力で以って強引に恒星フレイアの超新星爆発を吸収している際についでに惑星アルヴィス自身をも巻き込んで吸収した関係で、その『道』は更に太くなって繋がっているみたいで…最初、惑星が無事だった頃は決まったセリフを繰り返す、そんな無機質アナウンス女であった筈が、何か、俺に向かって罵詈雑言をぶつけて来るやさぐれキャラに変化していた。
そして、件の星系が終焉を迎えた際に、どうやら脳内メンバーに話を聞いていると、俺はどうやらまたブラックホールに落下していたらしく、前に一度会った特異点の主、『名前の無い者』との再会を果たして、彼女の誘いに乗って再び新たな異世界・惑星へと赴くべく、白い空間にて、『女神ナタリア』を名乗る何だか胡散臭い依怙贔屓女にダーツを手渡されて回転する的にそれを投げて刺さった場所に書いてある種族に転生するルールと言われたそのダーツを投げる際に緊張して派手にすっ転び、ダーツは地面に刺さっており…こうして、腸炎ビブリオ転生と相成った次第である。
この暴言女神アルヴィス、コイツは意外と、殊の外、やり手であり、依怙贔屓女神ナタリアが持ってきた書類関係に点在していた姑息な罠を次々と看破して、更にそれを相手方に気取られぬ様に潜り抜けて見せた。
そのフォローの手練の数々、俺を助けてくれた善行を褒めると、なんかツンデレみたいに、「かっ…勘違いしないでよねっ!……以下略」と言い出したもんだから、善行に対する照れ女、略して『ゼンデレ』と言うあだ名をつけてやった。
まぁ、彼女にはそんな、人間視点では中々把握できない様な、そんな、少し生き物の理の外からみたフォローが可能な力が有るみたいだ。頼もしいのだ、口は悪いのだが…
月ぃーず三人衆…
惑星アルヴィスを周回していた3つの衛星 ―月― の現身である星ぃーず達お子ちゃま3人衆。
女神アルヴィス自身も、月の現身の彼女等お子ちゃま達の存在を当初は把握しては居なかったと思われる。最近、どうも女神アルヴィスの周囲に纏わりついて鬱陶しいらしい。何だかんだ言ってだけれども、「ねーちゃんねーちゃん」と慕われるのは嫌ではないらしく、また、他の脳内分隊やら、生存者三人衆たちにも、人見知りせずに纏わりついている。
常に三人一緒で纏わり付いて来るので、構う時にはそれなりのエネルギーが必要である。
脳内の現在の所の癒し系、マスコット的な存在と化している。――――
そんないまや結構な大所帯となって来た脳内メンバー達を引き連れ、そいつ等の協力の元、迎撃・索敵システムにも不備が見当たらない、そんな万全な感じで、極鞭毛モーターをフルに回転させて、交戦が予測されている地点へと、直進を続けている。
先程まで、全く他の細菌など見当たらない場所に居たのであるが、次第に、細菌達の産生物の濃度、細菌達の死骸の濃度その様な細菌達の気配が段々と濃厚になって来て…やがて、脳内索敵システムの分隊からの報告がやって来た。
「此方、前方視界担当。距離、約3000感覚mの場所にて、細菌叢の善玉菌と悪玉菌との前戦地帯を目視。」
さぁ、初めての戦闘である、皆、心して掛かろうか!
極鞭毛の回転速度を更に上げる。
簡単な事だ、ナトリウムイオンの取り込みの量を増やしてやれば、極鞭毛モーターに流れ込む電流値も上昇して、回転数はそれに比例して上昇する。
ナトリウムイオンの細胞の外と細胞内部との濃度差、濃度勾配を利用している故に、あまり急激にナトリウムイオンを細胞内部に取り込み続ければ、濃度勾配の差が小さくなり、結果として、『スタミナ切れ』となる問題が有るので、このやり方は常時継続する訳には行かないが、今までにきちんと出力を抑えていたので、今は未だ大丈夫である。
俺にも目視出来る距離になって、それは見えて来た。
善玉菌と悪玉菌のそれぞれの勢力の境界線に、お互いになんだかベタベタした物質を出し合って絡み合っているのである。
先ずは敵方の、このベタベタを駆逐せねばなるまい…
各方面視界担当、総員に攻撃準備を命じてくれ、派手にやるぞ。




