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ただ、おっさんが夢の中でどっかに旅立ってしまう、世間的には需要が皆無なお話  作者: 加工豚(かこうとん)
【第二章】惑星、恒星、命、輪廻、ヲヂサン、全部回転物です。
40/50

【三ノ宮貭典の異世界冒険譚②】


肉離れって…

痛いですよね~。




貭典(もとふみ)の後方から彼の事を(もともと)々熱狂的に追跡して来ていて、一時期獲物を見失っていたオーガが徐々に歩みを進めて近寄って来る。

それを見やって、貭典(もとふみ)の直ぐ前方に立ち、先程獲物を発見したばかりのオーガは相変わらず、唸り続けている。


それらの意味する所を悟った貭典(もとふみ)は、未だ己の命数は決定的(クリティカル)に絶望方面へと運命を確定する棒が倒れたのではない事を悟った。



――付け入る隙を見付けた――



彼は一瞬そう思い、(ごくごく)々短時間の間に状況を整理し始める。

それは、その思考の高回転っぷりは、今までの(さんの)(みや)貭典(もとふみ)の、これまでの彼が記憶していない周回の中でも起って居なかった変化である。


同種の妖魔2体――自分の天敵――が餌を前に互いにその所有の主導権を取りたがっている…未だ餌たるこの自分が彼等との闘争に敗北し、無残にも横たわり、留めの一撃を待っている状態では無いにも関わらず、だ。


随分と自分は舐められているものだ。

ムカッと、無性に腹が立ってきた。

不思議だ、と、彼は思った。

それは(かつ)ての世界の社会生活では決して芽生えなかった類の感情だったからだ。

何時でも彼は、己の欲求に反するあらゆる有象無象(うぞうむぞう)たる事象の出来事に対して、我を通す事が無くて、諦めにも似た感情で以ってそれらに淡々と従う事を続けていたのである。

それがその社会生活の中で最も合理的で、無駄が無くて、そして社会の方でも、そう言った類の人間こそを必要としている事を肌で感じ続けてきた人生経験からの結果であろうか。

だが、しかし、今の彼はそうでは無くなったのである。

己の心身(こころみ)に問うた時に出たあの返答――




『断固としてそれを拒否する。』

『生きたい、生きていたい。』

『僕は生を愛する。』

『例え生存が無理だとしても…』

『このままいいだくだく々と素直に退場してなるものか!』




──そう、その思いが彼を今までの彼とは違う段階、別の思考アルゴリズムをこの短い時間の流れの中、急速に構築し始めている。

それは未だ完成を試みていないが、にも関わらず、『彼の中の彼』は急速に変化している。

そうして、その変化が今までの彼とは全く別種の感情を呼び起こしていた。




随分と自分は舐められているものだ。




そんな感情と思いは、これまでの『彼の中の彼』には起り得なかった感情である。

そして新しい思考の流れは(よど)みなくこの短時間に流れ続けている…

奴等はどうやら「獲らぬ狸の皮算用(かわざんよう)」と云う例えをご存じないらしい。

そうだ、それを具現化(ぐげんか)させてやれば良いんだ。

お前ら2体の妖魔の脳裏の計画では、お互いがお互い、己の方こそがその闘争に勝利して、そして餌たるこの俺に対する所有の主導権を得て、勝利の美肉に貪りつく算段なのであろうが、誰がそうむざむざとその絵図に従って餌になどなってやるものか!

誰がむざむざと食われてやるものか!





「ぐぎゃっぎゃーががごーごごーーーー!

 (ふっざけんじゃねぇえぇえぇえぇーーーよっ!)」





思わず口を()いて出たその叫び――人間の言葉ではない、それは魔獣の雄たけびとして叫んでいる彼自身の耳朶(じだ)に響き、改めて今、この目の前で起こっている出来事が現実のものである、と認識する。


これがもしも今までの彼であったならどうだろうか?

恐らくは『これがよもや現実である筈が無い、これはそう、夢なんだろうか?』等と茫然としたまま、その動きを止めてしまって思考停止(フリーズ)していたに違いなかったが、今の彼は以前のそれと違っている…内面(それ)が変化したのであろう。


今まで貭典(もとふみ)の内面、膨大なる諦観(ていかん)と云う名の砕石の山の中にて、すっかりと(うず)もれてしまっていた感情、それが初めて顔を出したかの(よう)だ。

彼はこうして追い詰められた事を自覚したまさに今に於いて、確かに、確実に湧き上がって来たこの感情の種類を何と云うのか知らないでいた。

その、未だに彼が知らないモノに背中を押されて、激情を迸らせ、だが、頭の中はこの死線にあって冷静だったのである。





チロリンチロリン♪


「個体呼称『(さんの)(みや)貭典(もとふみ)』が新たに、スキル…………を取…しまし…。」





謎の効果音と男の声が不意に貭典の耳に聞こえてくるが、彼はその声を無視した。

うぜぇよ、今それどころじゃねぇよ、引っ込め。

彼が激情の(まま)に上げた叫び声。

それを耳にした二体の天敵オーガ達は、




「こいつは未だ諦めていないらしい。」

「ほぉ…健気な事だな。」

「先ずはコイツを確実に殺すか、その後で(コイツ)の所有権を決めよう。」




そんなやり取りがあったかの様に、二・三回、互いに低く唸り合った後、後方のオーガが貭典(もとふみ)との間合いを更に詰めて来て、前方のオーガはこれから始まるであろう、一方的な狩り――


彼にとっては明らかな『格下』を複数で(なぶ)る極上の遊戯(ゆうぎ)


――それの準備に入っている。

あの貭典(もとふみ)が今まで散々逃げるのに走り回った『(しょく)桟道(さんどう)』の道に並んで敷かれている角材を剥ぎ取ったのだろうか、それをこん棒の如く武器に構え、下品な乱杭歯(らんぐいば)を隠そうともせずに開いてこれから始まるであろう一方的な殺戮に対しての喜色(きしょく)を隠そうともしていない。

後方のオーガは貭典との距離を確実に縮めて来ている。


不味(まず)いな、挟まれて二正面からの攻撃を待つのは悪手だ。

限られた短い時間で貭典(もとふみ)の脳裏に二つの戦術が浮かんだ。

後方から迫る奴をすり抜けて、先程まで身を隠していた岩の上によじ登るのか、前方で未だじっくりと、此方を見ている奴をすり抜けて、あの狭い桟道(さんどう)へと行けばあそこでは挟み撃ちは出来ない。

そのまま逃げ続けるもよし、逃げ切れなくても最悪、一対一に持ち込めれば、二正面よりは楽になる…

よし、あの正面の奴をすり抜けよう、問題は奴が立っているあの場所の幅がせいぜい3mの狭幅(きょうふく)だと云う事だ。

前方に立ちはだかるオーガの体躯(たいく)で殆ど埋まってしまっている、これでは立ちはだかる壁の様である。



逆に考えれば、前方の天敵(オーガ)の体躯にこの幅では戦闘行動そのものが大きく制限されている事になる。

そこをついて奴の後方――


『蜀の桟道』が再開されている部分からは


――更に道幅が1mに狭まると云う訳で、尚更、活路が見い出せるだろう。

そのまま、体力の続く限りこの桟道を逃げ続けるのだ。

それが良いだろう。

そう考えると、彼は後方を警戒する為に後ろを見るふりを一瞬だけ見せた後に…前方へと全力で走り出した。

立ちはだかる前方オーガの利き腕側…こん棒を構えていて、狭い幅が尚狭まっている其処へ彼は今までの人生でやった事が無い、見た事しか無かった、高校の球技大会での野球の人数合わせの際に走者(ランナー)になった時にもやった事が無かった足から始まるスライディングをした。

不意を突かれたオーガは咄嗟に角材を構えるも、この狭い道幅の為に角材を振り回せない――


彼が持つ武器・角材は、彼の右手に持っており、また細い3mの道幅の一方は河へと落ちるので左腕は自由に動かせるのだが、一方の右側にはそそり立つ崖があり、その立ちはだかる壁の為に武器を動かす範囲が制限されているのだ。


――オーガはそれでも、右足を動かしてどうにかこのちょこまかと小賢(こざか)しく策を巡らせるネズミのこの突進を阻止しようとしたのではあるが既に(もとふみ)がかましたスライディングが、オーガの踏み潰しを意図して上げた右足の隙間をすり抜けて行った後に虚しく地面を打つばかりであった。

一方の貭典(もとふみ)はスライディングの後に、そのスライディングの惰性を利用して立ち上がる。――


彼はスライディングの姿勢の儘、その体高を地に沈め、オーガの振り上げていた右足を潜り抜けた後その姿勢の儘、惰性で滑って居る己の体躯を立て直し、まるでスライディングの逆再生を見て居るかのように自然にそのまま立ち上がったのである!


――この一連の行動に自分でも驚嘆(きょうたん)の思いであったが、喝采を上げる事はまだ早い、この危機を抜けた後…天敵をこれから走り続けて諦めさせる、または撒く事に成功してからだ、その時には存分に先程の自分を褒めよう…と(いま)だ勝ってもいないこの(いくさ)に於ける(かぶと)()の緩みを引き締める、狭い桟道がもう直ぐだ…よし、着いたぞこの幅1mの道をこれから息の続く限りのマラソンだ!




そのタイミングで…脹脛(ふくらはぎ)を突然襲って来た激痛の衝撃の前に…姿勢を崩して桟道上(さんどうじょう)に転倒する。




何だ!?

これは!?

後方のオーガが石を投げて来てそれが命中したか!?


彼は身を起そうとするのだが、右足の挙動(きょどう)がどうも…脹脛(ふくらはぎ)がおかしい。

石を投げられたのなら、その辺に転がるし、その音も聞こえるはず…

もしかしてこれは…『肉離れ』と云う奴だろうか!?


何で!?

()りに()ってこんなタイミングで!?


くそっ!

上手く行ったのに!

上手く行っていたのにっ!


右足の挙動がおかしい。

無理に立ち上がり、走る事を再開したのだが、スピードが出ない。

そのまま、バランスを崩して前方に転倒する。

危うく狭い桟道から転落する所であった。

だが、幸運にも落ちる事は無かった。


幸運!?

これが幸運なものか!

くそっ!

オーガは迫って来る。

恐らくこの肉離れを、天敵は理解して居る。

間抜けにもゴブリンの自分にさきほど『股抜き』じみた失態を犯したコイツが笑うかの様に唸っているからだ。

コイツの更に後ろからは、今までの事態を眺めて、余裕を持ったのか、のんびりとやって来るもう一体のオーガ…


難局が続いている。

けれども…何か無いか!?

生存の可能性。




『諦めますか?  はい いいえ』




頭に過る自問自答。

再び己の脳裏に浮かぶ(こえ)




『このまま終わりを受け入れるのか、それで良いのか?』

『No! fuck No!』




中指(なかゆび)おったてて脊髄反射(せきずいはんしゃ)で答えた。




そんな貭典(もとふみ)の答えに運命と云う何かが手助けをする様に、()って天敵(オーガ)から遠ざかる彼の全身の感覚が今、一条の光明を見い出した。

彼が今這って進んでいる部分の桟道(さんどう)

明らかに今までの桟道と違う反応に気が付いた。

彼が少しでも、細い道を天敵と逆の方向へと這う、その身が進むと、僅かに沈んだのだ。

高さが沈んだ。


恐らくは桟道を支えている、二本の柱、それが腐食、または劣化していやしまいか…

迫りくるオーガから思い切って意識を離し、彼は道を構成する並べられた角材の隙間から、柱の様子を伺う事に集中すると…


ビンゴだ!

二本の柱…片方は腐敗して半ばから朽ちて、最早、柱としての働きを成さずにいる。

それも、負荷の大部分を負う役割の方の、斜めに天を指している方の柱である。

この部分のもう一方の横に水平に伸びている柱は、本来以上の負荷を負っており、それは本来の斜め柱が負うべき負荷、この水平の柱には明らかにこの細い桟道を支え切るには無理なモーメントが掛かってしまっている。

何らかの切っ掛け――


それは恐らくは今から来るであろう天敵(オーガ)の体重


――次第で、この部分の桟道は崩落する可能性が有るに違いないのだ。

そして同時にまた、或いは、奴等の体重モーメントに、この柱が耐えてしまう可能性もあり、その可能性の天秤の行方が未だに不確実に揺らいでいる…そこに今自分が己の運命を手繰り寄せ、有利にする何らかの干渉が出来ぬものか…

水平に立つ柱は実は、垂直方向へと掛かる荷重には弱い。

あの水平の柱は本来、荷重を背負う役割ではなくて、道幅を確保する役割の柱なのだ。

考えろ、考えろ、自分…


近寄って来る天敵。

5m…3m…ゆっくりと、勝ち誇って近づく。

オーガが、最早この期に及んで武器は要るまい、ほれ、使いたかったら使え、それで戦局を優位に出来る者ならばなっ!

とばかりに、彼の方へと武器であった角材を放り投げた。

貭典はそれを手にすると、オーガの足元をじっと見やって集中し始めた。


あと、2m…1m…

オーガがニヤリ、と笑っている気がした。

不思議と恐怖が無く、オーガに意図を悟られぬ様に今から試みようとする、その方向は見ていない。

そしてほぼ(ゼロ)距離へとオーガの足が桟道を踏み締めるか締めないかのタイミング。

それに合わせて、手にした角材を力一杯、細い木の道に這った姿勢から肉離れの痛みを堪えて立ち上がり、振りかぶって叩き付ける。


オーガではなくて、水平に伸びた柱の先端、河側の先端へと。

その瞬間、この世界のとある(ごくごく)々小さな領域の、物理法則と物質の強度に於ける一種の『揺らぎ』の事象が確定した。


斜めに天に向かって突き出る柱とその柱の描く直角三角形の垂直部分の辺の如く水平に伸びる支柱の二つで支えていた、とある山奥の険峻(けんしゅん)な崖に存在しているか細く頼りない桟道の、柱が役割を放棄して、最早支柱部分でのみ危うくも保っていたその部分は崩落して、重力に忠実に桟道を構成していた木材、其処に乗っていた大きな妖魔、オーガ一体が落下して行った。


貭典(もとふみ)はその天敵の終焉(しゅうえん)に巻き込まれぬ様に、必死で痛む足を堪えつつ、柱に一撃を加えた後に後方に避難してこの崩落に巻き込まれないでいた。





「や…やったぞ!」





保証キャンペーンの残りがもうない事に気が付き、『最後の一機』と云う土壇場で天敵と遭遇して、緊張を強いられた逃走劇を演じ、運命が絶望へと傾いたり、明るく光明の方向へと揺らいだり、己の中で新しい感情(なにか)が沸き起こったり、目まぐるしく変化して、目の前の問題が片付いた為だろう。

彼は一瞬、オーガがもう一体、居る事を失念してしまっている。

だが、崩落した崖下から、細い桟道へと視界を戻した際に一瞬見切れた視界の中、そのもう一体のオーガがこちらに向かって跳躍する瞬間であったのだ!





「ヴォ~~~~~~~~!」





叫び声を上げながら空に舞うオーガ。

何時の間にか手に持った角材。

恐らくは崩落した道を構成していた木材。

それを振りかぶって、貭典(もとふみ)ゴブリンへと狙いを定めつつの跳躍。


終わって居なかった。

未だ、脅威は過ぎ去って居なかった…


なんっだよ、もう~~。

立っていられない。

全て出し尽くしてしまった…

もうターボエンジンは白煙を吹いてしまっている。

さっきのが火事場のクソ力だったのだ。

もう随分と前から回転限界(オーバーレブ)を続けていた。

実際、自分は良くこの高回転に耐え続けていた。

これだけ足掻いて、駄目だったのかな。


ははは。

異世界来て、見せ場無しで幕引きかな。

迫るオーガが随分とスローモーションに見える。

そのせいか、己にとどめを刺すであろう()の天敵の様子がつぶさに観察出来ている。



そんな風に、まるで我に関係なしとばかりに見ていた時に、跳躍して空中に身を躍らせていたオーガがバランスを崩した。

その顔は激痛に満ちていた…

腹を押さえた姿勢、跳躍のバランスを崩して、そのまま、加速と跳躍が混じった運動の曲線が、此方(こちら)に向かう事無く険峻なる川面(かわも)目指してその曲線の運動ラインが変わって行った。





「ヴァアァアァアァアァ~~~!?」





己の身に降りかかった運命(それ)の把握さえ理解出来ずに、天敵(かれ)の人生の終幕は下りた。

そして、貭典(もとふみ)とその周囲の世界に静寂が訪れる。

視界の下で流れる深い水深の濁った緑色の川面(かわも)は、生贄の妖魔二体を受け入れて、何ら顔色を変えていない。

深く早く、音を立てずに流れ続けている。


空高くで、この様な場所にも獲物が居るのだろうか?

或いは、この辺りで上昇気流でも発生していて、それに便乗して高度を上げようとしているのか…

前世で見た、猛禽類、(とび)の様な鳥がぐぅるぐぅると、弧を描いている。







<条件を満たしたので、個体三ノ宮貭典の種族が、上位種族、『ゴブリン・エリート』へと進化を開始致します。>






先程にも、立て込んでいる時に脳内に響き渡った(こえ)

それが響いて来て、最早目まぐるしく運命の天秤に揺られて思考停止状態(フリーズ)していた彼は、随分と無抵抗に、そして素直に意識を手放してしまっていた…






ふくらはぎ の肉離れの痛み。

後ろから誰か石でもぶん投げて来やがったか!?

誰だゴルァ!?

って経験は、これは実は著者が実際に体験した痛みです。

本当に誰かに攻撃されたかと勘違いしました。


全治1ヶ月。

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