あの日の野球少年は、今異世界で重力に刃向かう。
とても面白い事実が発覚した!
あの無機質アナウンス女、あれ、プログラムだとかそんなんじゃなかったのである!
「中身」の人が居たんだなー。
しかも、何か俺の直感的予測が当たっているらしい、罰ゲームでは無いにしろ、きっと何等かの制約・掣肘を受けているに違いないのだろうなぁ!
まぢうける!
がっはっはっはっはっはっはっはっ!
やー、試してみるもんだよなー。
…てか、ポルターガイストだよっ!
あれがまだ出来てません!
どうやるんだろうなぁー。
うーん…
俺は再び横になって目を瞑った…
そう、何時もの思考スタイルである。
何か…何か引っ掛かりが大事なんだな。
例えるなら、あの…ロッククライミングとかかな、岩にすがり付ける場所、手懸かりだ。
【並列思考】…
取り敢えず、こっちを試す?
詰まったなら他の事を試してみるんだ。
メーデー、メーデー。
こちら本体から独立を果たした俺…
分隊聞こえるか?
「ザザァーッ─ピー…──て…ます─」
何か並列思考、あっさりと成功したんですけども!?
しかし、聞き取り辛いな、これは。
殆んどノイズに返信の声が阻まれてしまっているぞ。
うん。
これは、あれだな。
俺の記憶の引き出しの古い部分だからなぁ。
遠いのだろうかな?
俺が今呼び出そうとしている並列思考の分隊にしようと漠然と計画している少年は、少年時代の俺なのである。
40過ぎたおっさんの、そんな記憶の引き出しは何か少し錆び付いて、色々とこぉ…駄目んなってきているのである。
少しばかり、記憶の引き出しに流れる電流値を上げる必要があるのかな。
俺は俺の昔の記憶を呼び出す…
記憶の小旅行だな。
…
……
………
走っている坊主頭…
少年野球だ。
かつての俺は野球少年であったのだったよな。
キャッチャーで、打順は五番だったな。
試合では殆んど打てなくて、練習では清原さん並に長打ばっかパカパカ量産してたっけなー。
内弁慶過ぎるだろっ!
子供にだって、プライドみたいなもんがある。
野球少年だった俺は、坊主頭がそれはもぅ嫌で嫌でたまらなかったんだっけかなー。
昭和の手動式バリカン、あの手を握ったり開いたりして使う、握力疲れちゃう奴な、あれには歯の所に噛ませるアダプターみたいなのがあって、それを付けると付けたアダプターに従って、髪の毛の根本から3mmだとか5mmだとか、均一に刈り取った後に残す長さの調整が可能なんだよな。
それは今の電動式のバリカンにもあるシステムなんだろうかなぁ?
或る日、例によって、髪の毛を坊主頭にされる時に親がうっかりとバリカンの歯を入れ忘れてバリカンを入れたのだ!
これが何を意味するかと言えばさ、つまり、つるっパゲにされたんだよな。
やがてその無慈悲な一撃の後に、親はようやく気が付いたのであって、そっから、少年に対してその事実を宣言する。
すなわち…それは当時の少年にとっては死刑が確定されたに等しいのだ。
「ぁ。バリカンの歯、入れ忘れたわ。」
最初のそのバリカンの一撃がもう、既に致命的である。
当然、限り無くハゲに近い部分が出来上がった訳だ。
少年は、絶望した───
何とか「マシ」にしたかった。
必死だった。
明日、学校に通った時のクラスメイトの視線──
ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい。
絶対に笑われるべや。
だが、素直にそうはならんぞっ!
俺にだって意地がある!
知恵だってあるんだ!
そんなふうに野球少年が必死でバカな頭をフル回転させた結果、
あのトチ狂った髪型が出来上がったのである!
【逆モヒカン男誕生秘話】
バリカンの歯を入れ忘れて刈ってしまい、もはや限り無くハゲに近い惨状とあいなった部分は
──その若草を無残たらしめたそれは、──
両眉毛の中間位から始まり、頭頂部を経て、やがては首へと至る、そんな正常なラインを描く事無く、少し斜めんなっていたのである。
やや延び放題な短髪と言った佇まいに於ける柴草に、草刈り機で最初の一撃を加えた時に出来上がる鮮やかな一本のライン…
親も、まさか自分が歯を入れ忘れる等とは思わずに、
「満遍なく歯を入れたら均一の長さで上手く纏まるだろう」
程度に思っていたに違いない。
少年の頭の内部では、予期し得なかったその様な奇襲的な事態に、混乱し、動揺し、揺さぶられていた…
そして、そこから、少年は限り無く少年にとって、より残酷に、より面白い方向へと、その判断の舵を切ることになったのだ。
なってしまったのである。
その時、馬鹿は動いた!
ムキになった少年は、少しでも長い部分を…と、とにかく、長さにこだわってしまったのである…当時の少年の思考をトレースしてみようか。
『此のままではハゲだ!
ダメだ。
ダメだぞ。
ハゲはマズイ。
坊主はまだましだけども、ハゲだけはマズイ!
絶対に弄られる。
いじり倒されてしまう!』
そう言った必死な思考ルーチンを経て、やがて、それは生まれた。
俺の黒歴史史上に未だに燦然と上位に輝く、逆モヒカン男の誕生である。
少しずれた感じで両眉毛の真ん中付近の若草を起点として、頭頂部、少しずれたラインで、首に至るハゲ部分。
それ以外は、五ミリ均一に綺麗に慣らされた柴草。
当時の少年は理解出来なかった。
間違えて刈られた以外の部分の髪の毛の長さを少しでも長くする事に固執するあまりに、それがどう言った事態を招いてしまうのか、と言う事に対して、全く見えていなかったのである。
ハゲ、駄目、絶対。
その前提条件に固執する余りに、大局を見謝ったのである。
森を見て、木を見なかった感じのあの、あり得ない判断力…
あれは今思えば、考えられない過誤である。
そうやって出来上がった、逆に、逆に目立つ一本のハゲライン。
それ以外は五ミリの、逆モヒカン野郎。
目映いばかりの朝日の陽光を受けて光る頭皮の一本のハゲライン…
そんな爽やかな朝の風景と反比例するかの様に一抹の不安を拭いきれずに登校したあの日の少年。
学校で、散々弄られる衝撃的なデビューを果たしたのであった。
そして、伝説は更に広がって行く…
それは、少年野球の試合の時であった。
試合の前に、両チームが、ホームベースを境として、皆一同に横並びになり、お互いに向かって帽子を取り、深々と頭を下げて、
「よろしくおねがいしまぁーす!!」
と必ず挨拶をする、少年野球お決まりのあれの時である。
両チームがそれをやった瞬間…
相手チームの父兄の方々、監督に一気に広まった激しい爆撃みたいな爆笑の渦。
それは暫く止むことが無かったのである。
伝説はそれだけでは終わらなかった。
当時の少年はキャッチャーで、ホームベースの後ろに立って挨拶を見届ける本塁審判員の直ぐ側でそれをやったのである!
審判員にも、色々な方がおり、因みにその時の審判員は、常にむっつりとしていて、何だか怖いと、当時の野球少年達の間ではしばしば噂になっていた人物像であった。
少年は相手チームのそんな酷い爆笑の渦にショックを受けており、その時には気が付かなかったのだが、少年の直ぐ隣に居た少年の女房が、ベンチに向かう道すがら、
「あの堅物審判の足元、プルプル震えてたぞ、…多分必死で笑いたいのを堪えていたんだよ、お前…すげーよ、アイツ…あの怖えぇ審判を笑わせるかよ!ぷっ!」
そう、少年はそれとは知らずに、例の噂になるレベルの堅物審判員に、そんな彼に対してナチュラルに年末になると毎年やる、お笑い芸人「下町」をメインとした、「笑ってはいけないシリーズ」に似た類いの試練を与えていたのであった。
試合が終わった後、その審判員が近付いてきて少年にぽつりと…
「君、面白すぎる、ズルいよ。」
と、照れ臭そうに、そしてちょっと生暖かい感じの視線を少年に向けて、一言云って、そして去っていった…
相手方チームの父兄・監督からも、終始、その様な視線を受けていた事も付け加えて置こう。
少年野球での逆モヒカン伝説は他にも大小様々ではあるのだが、それは置いといて、学校での話に戻そうかな。
学校では、俺の逆モヒカンはあまりにも有名になってしまい、少年は今や「時の人」みたいな感じになっていたのであるが、やがて、そんな俺の目立つ感じにライバル心を燃やしたのか、ある日、そいつは俺の目の前に現れた。
こいつも今思えば、少年の頭の悪さに比肩し得るレベルの馬鹿だったのだろうと思う。
しかし、奴が凄いのは、少年は偶然の悲惨な事故から端を発したのであるが、奴はそんな少年を見て、敢えて意図的にそれをやった事であろうかな?
奴は不敵に俺の前に堂々と現れた。
その髪型は…
俺が凹なら、奴は凸である。
凸以外の部分は綺麗に五ミリで揃えてきて、そんで、凸の部分は1cm位に揃えたそいつは、なんか俺に向かって鋭い眼光を光らせていた…
すわ、喧嘩になるのかな?
不良漫画だとかのシチュエーションだと、そんな感じでの奴の登場は風雲急を告げるどす黒い雨雲を伴った背景描写での登場に違いあるまい。
ライトモヒカン野郎…こいつと俺は雌雄を決するのか…これが天下分け目の戦いなのか…ゴクリっ!
少年がそう思っていたタイミングで、だが、そこで再び、「その時馬鹿は動いた!」のである。
それを見ていた群衆の一人が、少年と、そのモヒカン少年の前でポツリと…
「もしかして、お前ら二人、合体ロボみたいに合体出来るんぢゃね?」
凸と凹の化学反応である。
一瞬で俺達は化合した
新しい友達が出来た。
お調子者の、そんな感じの友達である。
二人で女子のスカートめくったり、無邪気ないたずらを散々やった。
そして、先生に怒られる時も大体は一緒だった。
…
……
………
ぐっ!
あの頃の少年も、御多分に漏れずにバカである。
これからスキル【並列思考】で呼び出す分隊って、きっと、大なり小なり、きっと全員がバカなんだろうなぁ…
思わぬ所で精神的なダメージ来ましたよ。
まぁ、回想はこんくらいで良いだろう。
この位やっとけば、このポンコツになった脳味噌ん中の海馬にも、電流回った筈だ。
メーデー
メーデー
こちら、俺、野球少年、返答送れ!
「あー、おじさん誰ぇ?」
音声は明瞭。
大成功だな。
詳しい説明は後だ。
お前これ、この目の前にある野球ボールみたいな石、これ、ちょい投げてみ?
「あー、無線ごっこねー。」
「面白そうじゃーん!」
「了解!」
「投げてみるー。」
こうして、ポルターガイストなのか?
これは?
まぁ、成功したよ。
少年があの岩石ボールを掴んだのかな?
岩石ボールが見えない何かに持ち上げられ、さながら野球の投手のピッチングを、透明人間がやっているかのように、あの岩石ボールは、一旦後方へ動いた後、俺が頭ので描いている投球フォーム…
「この辺にグラブがあって、今構えてんだな、んで、振りかぶって球が一旦後方に…そっから肩、肘、手首を使って…あー、今手元を離れたのだなぁ。」
その頭の中の動きを辿るように、あの岩石ボールは投擲されていた。
そのタイミングで、やっぱり、俺の腹の腑辺りで、何かがグルグルとざわめくような、蠢く様な感触があって、矢張り、魔力が使われているのだと自覚した。
『目の前にある自分が重力魔法で捏ねて作った野球ボールみたいな石をぶん投げてみたい』
と言う、その目的はな。
出来れば、これ、俺本人が投げたかったなぁ…
俺のそんな思いと関係なく、岩石ボールは実にあっさりと宙に浮いて飛んで行ったのである。
何だか昔に帰るって良いもんだな。
うぇーい、
ばっちこぉーい!
ピッチャーびびってるぅー♪
俺はその日は一日中、野球少年に球を投げさせた。
今現在の俺の脳裏の変化球の知識、感触も惜しみ無く教え、成長して上がっている筋力を意識すると、野球少年にその筋力的な要素が流れ込むらしく、球速と変化球のキレは加速度的に良くなり、やがて、プロ野球選手をイメージした俺のそれをくみ取って理解した野球少年の球速は、石の重さに負けない球の伸び具合を見せ始めた。
能力値を確認してみても、筋力はそんなに高くないのだから、矢張り「魔力依存」でイメージする様に操る分野のスキルであるのだろうなぁ。
ポルターガイスト。
ならば…
俺の身体能力、Strに依存せずに、魔力に応じて物体を動かす力ならば…今の俺の膨大なる魔力をアホみたいに使えば…
俺は本体がその昔に見ていた、某動画サイトで、九州の何処かにある、球速240kmのピッチングマシーンを使うことが可能なとあるバッティングセンターの動画を思い出す…
通常、延びのあるストレートを投手が投げる場合、地面の角度とより近い水平方向の軸を持ったトップスピンで投げると、球は良く伸びるストレートになる。
野球選手の特集で、投手のキャッチャーに届くまでのストレートの球の回転数を詳しく調べている企画がニュースやなんかで有ったっけな。
プロ野球選手ですら、ピッチャーがストレートを投げて、キャッチャーに届くまでの間に、そんなプロ野球投手達の中でも、特に「良く球が伸びる」と言われている、一流の中の一流の投手がストレートを投げる…そんな人間達が投げて、その回転数は45回転前後。
ピッチングマシーンと言うのは、大体はあれは、回転数は、投手が投げる回転数よりも大概は少ない。
肩、肘、手首の関節を全部使って、梃子の原理やら使ったりしてさらにしならせて、鞭を叩き付けるみたいにして投げる投手の球の回転は、ピッチングマシーンの、人間で言ったらば、「肩」しか使わない、しなりの少ない投げ方と比べたらば、それだけ回転数の養われる素養が違うのだろうなぁ。
それに、バッティングセンターのボールってーのは、大体はすっかりとゴムが磨耗してしまっていて、硬式ボールの「縫い目」を意識して意図的に少し突起させた部分はすっかりと削り取られてしまい、全く凹凸の少ない球に近くなってしまっていて、あれでは折角のトップスピンをかけたとしても、その球筋が「伸びる」なんて事はかなり難しいと思うのだ。
だけども、その九州のどっかにある240kmを出すピッチングマシーンは、ホップしているのである!
ホップ…「伸びる」と言う現象。
この表現はピッチャーのストレートが延びが良い場合、良く言われている。
「おー、今日は調子が良くない?ホップしてるよ、球がさぁ。」
などと良く言ったりするのだが、あれは、実は言葉のあやだ。
プロ野球選手の良く伸びるストレートを投げるピッチャーですら、ピッチャーの手首を離れてキャッチャーに届く時に、ピッチャーの最後に手を離した瞬間の場所の高さよりも、キャッチャーが球をキャッチした時の方が、地上からより離れており、球が実際に物理的に、「ホップ」している…等と言う現象は、存在していない。
意図的に投手が、「上」を意識して投げた場合は別であるのだが、あれだって、細かく映像をスローにして見たらば、上に上がっていたとしても、緩やかに重力の制動を受けて少し地面側にその円弧の中心軸があるかのように、弧を描いているはずなのだ。
つまり大なり小なり、ピッチャーの手元からキャッチャーに届く間に、その球は地面の重力によって引き寄せられ、高さが下がってしまのが正常である。
その、九州のピッチングマシーンは、まるで違って見えたのである。
すなわち、球の軌道がピッチャー/キャッチャー間に於いて、緩やかな弧を描き、地面に近付く通常のピッチングの逆の軌道である。
ピッチャー/キャッチャー間に於いて、そのピッチングマシーンが手放した瞬間から、逆の軌道を描いて、球はキャッチャーの捕球する辺りでは、明らかに高さが上がっているのである!
球が天に向かう。
まるで、重力を無視するみたいに、少し弧を描いているのだ。
まるで、その円弧の中心軸が、「空側」にあるかの様にして、弾が上に向かって弧を描く…
リアルにホップ。
あれから学べることはつまり、
球をホップさせる要因として、二つあり、1つは回転数、そして、もう1つは、球の球速なのでは無いのか?
ピッチャーが球を投げると、二つの運動が発生していて、1つは球の回転運動であり、もう1つは球が一方向に向かってゆく運動…
で、もしかしたらば、球をホップさせるには、球の一方向に向かうエネルギーがより重要で、地上の傾きに対してほぼゼロ角度のトップスピン回転エネルギーの方は全く無いのは問題だが、速度よりは少なくて良いのかもしれない…
…いや、待てよ。
回転数の方だって、それこそ、100回転、200回転、500、1000…際限無く上げて行けば…もしかして…
おい、ちょっとそこの野球少年。
ちょっと、こっからはさっきの説明よりも更にイメージで捉える事が重要になる、そんな説明になってしまうんだけどもさ、球の回転数を常識はずれに上げてみてくれないか?
「んー?わかったー。」
球の軌道が凄いことになった。
地面の地下深くの何処かを円の中心とした弧を描かずに、空中の何処かを円の中心とした、そんな軌道で、球は宙に舞い上がり始めたのである。
球はそうやって、空中に舞い上がり、其処から球が一方向へ進む為の方の運動エネルギーが空気の抵抗により減衰されて、それに比例してホップの力も弱まり、やがては重力の軛に捕まって、緩やかに再び地面に向かって落下していった。
もっとだ!もっと回転数を上げてみろ!
もしかしたらな、お前…自分の投げた球がな、ほら、お前駄菓子屋好きだったろ?
で、発泡スチロールみたいな擦るとキュッキュッ言う材質で出来た、第二次世界大戦時代のレシプロ戦闘機の形をした飛ばすオモチャあったろ、あのプラスチックのプロペラついた奴な。
お前、あれの前後の翼の部分──戦闘機のフラップ──に鋏で切れ目入れて、フラップ調整出来るようにして、前の翼はフラップ下側に向けて、後ろの翼はフラップ空側に向けて、地面に叩き付けるつもりの勢いでぶん投げたら、その戦闘機、宙返りしたことあったろ?
あのイメージだよ。
お前、感動してたよな、確かあの時。
お前、そうなる仕組み──原理──は判らなくても、色々と試して、フラップの方向とか色々やってみて、それにたどり着いたよな。
あれだよ、あのイメージ。
お前の投げた球がな、あの戦闘機みたいに宙返りするんだぞ、それ、やってみたくはないか?
きっと、また感動するんじゃない?
「なにそれ、凄い!」
「わかった、やってみる!」
ガキの頃の下らない遊びの反復の中から、たまにそんな偶然が起こる。
そんな時にガキ(おれ)やガキの仲間達と見た景色は、何よりも尊く、そんな俺達は誰よりも優れた探求者であったろうな。
かくして、野球少年の投げた石の野球ボールは、重力の掌を嘲笑うようにして、見事な宙返りを見せたのである。
すげーぞ、野球少年、今日は何か…
あんがとな。
何かずっと忘れてた…
そんなすげぇいーもん見さして貰った気分だったわ。
ブォン( っ'ω' )╮ =⚾️
おー!すげー!Σ(๑°ㅁ°๑)