【side???】EP2
【side???】
《んー?君達は一体…何者なのかなー?》
存在の無い、その、声。
私は刹那に悟った。
これはこの世の声ではない。
それは彼岸の声だ。
私はその声に嘗てない感情――これが戦慄と云う物だろうか――を覚えていた。
いや、これは、私に渦巻いているこの感情は戦慄等と云える程に生易しいものでは無かった。
全く、底が窺い知れなぬ深淵を覗いているようだ。
私は、何故此処に来てしまったのだろうか?
思えば、あの深淵なる真円へとその身を擲ってからは、維持すると云う事に、ただ『私が私を保つ事』それのみを維持する事に対して、存外多くの私の実務的な労力の領域を裂かれた危険な場所である。
それは、私が私の儘である為のその根源的な領域を『無かった事にされてしまう』そんな類の力場の波が最初はごくごく弱く、そして次第に大きく、水量が次第に増して落下してくる滝の水に打たれるかの如くであったのだから。
最後の私が覚えている範囲の記憶では、私は船で、そしてその滝の水たる力場は、嵐の海の如くであったのだ。
ただ、帆にロープで己が身を縛り付け、私が私で在る事を強く念じ、その力場に翻弄されるがままであったのだ。
存在と云う熱量を徐々に奪われて行き、それに比例して不安ばかりが増大していくようであり、最後の方に至っては、このまま私と云う存在は、この場所で揮発してしまうのではないだろうか、と絶望し、恐らくは、私は叫んでいた事であろうと、そう思う。
其処から、記憶の場面は一気に様変わりする。
私が気が付く前にどうやら私はここに立っていたらしい…同じようにして立っていたと推測される上級管理者、彼がどうやら先に己の魂を再びその柱の掌に無事に取り戻し、そうして彼が私の肩を揺する気配でその、立ったまま茫然自失としている私自身に気が付いたのであった。
何故、私は此処に来てしまったのであろうか?
あれは、あの行為は、管理する惑星があの様になってしまい、自失呆然としていなければ、当然の働きをした筈の理性が疑いも無く制動を掛ける行為だったろう。
健常な状態で有るならば、私は此処へは入らなかったのではないか?
間違いなく、入らなかったろう。
ところが、先程の私は、上級管理者に促されるままに、入った。
重ねて言おう、健常では無かったのだ。
そして、そうやって気が付いた私に、その声が聞こえたのである。
少し呑気を装ったその声には、欺瞞しきれない、隠しようもない気配が満ちているのである。
すなわち、それは、恐るべくして計り識れず、濃密な彼岸の気配のそれであろう。
「虚無の夢の主よ、全ての記憶を守護する者よ、私の話を聞いて欲しい、そして彼女の守護を頼まれたい。」
上級管理者の声が空間に木霊する。
この柱は果たして何を云っているのか?
私を庇護下に?
誰の元に?
何よりも、良くもまぁ、あの様な存在に対して声を掛けられたものだ。
その無謀なる蛮勇にこの際、拍手喝采の心境だ。
此処は何処だろうか?
此処は果たして、何なのだろうか?
まるで厳かな…誰かを悼むかのような静謐なる世界だ。
あの、先程聞こえた、私の存在領域の肝を冷やすかのような声の主は何者だろうか?
何処から聞こえて来たろうか?
姿が見えない。
あの、円形の祭壇だろうか?
《えっと…取り敢えず、『覗く』よ。》
《ちょっと何云ってるかわかんなぁ~い。》
「うっ、うむぅ!」
「ヒッ…ヒイィ!!」
重なる二つの苦悶の発露。
不意に、声の主から感じられた気配…
あの怖気立つ、粟立つ様な濃厚なる彼岸の気配が私の根源に触れる感覚がして、私はその…私が管理していた惑星の『肉の者達』の、代謝の一種たる生理的なそれを無意識にしてしまった…
…忘れていた。
件の研修旅行にて、私は仮の受肉を果たしていたのであった。
焦眉の急たる事態に際して、その『肉』から、抜け出す事について、すっかりと忘れていたのである。
液体は私の足元から、静謐で厳かである世界に広がって行った…
「う、うわぁーん!!」
液体は目からも流れた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
《なんともはや…そう云う事ねー。》
《うんうん。》
《じゃ、裁定はしなくても、良さそうだねー》
《うんうん。》
《けっこう、けっこう。》
虚空から、物体が生まれた。
それは、人間系の文化では、掃除に用いるものである。
主にテーブルを拭いたり、まれにこぼれた液体を吸い取ったりする…雑巾と云う物に似ていた。
それが一人でに動いて、私の足元の液体を吸い取っていく…
足元には、円形の何かの意匠が施されており、それはエルフ族の大規模な魔素の行使の際にしばしば用いられている意匠と似通っている様である。
魔方陣と云う、それであろうか?
良く磨かれた石材?
いや、一面だから、世界だ。
私の受肉した姿がしっかりと映っている…
石材が黒色じみているから、顔色までは判らない。
多分、きっと、真っ赤だ。
明瞭すぎなくて良かった。
なんと云う厳かであり、また、静謐に満ち、そして広大に過ぎた空間であろうか!
視界の見渡す限りに於いて、全てが同じ材質の黒く、そして所々に薄く白が入る、そんな、これは石材であろうか?
全てが見事なまでに艶々と研磨されており、それが所々に見える柱を含めて、視界の限りに於いて続いている…
そんな中で、壮麗でもあり、厳粛に満ちている円形の祭壇がある。
円形の祭壇…外周に人間の頭蓋骨位の大きさの水晶球?
仄暗い、深い青色をした球が等間隔で並び、その外周の奥、円の中心に少し近づいた――具体的に云えば、外周の球が並ぶ場所から、人間二人が円の中心方向に向かって横たわった位の――場所に、これまた等間隔に柱が並び、その柱を見上げると、随分と上の方で等間隔に並んだ無数の柱が意識した「点」その趣旨を斟酌し、その無数の柱達が注文しているイメージにきちんと添うような、その様な大きなリング状の…石材?金属?そんな物が柱の描いた円が意識していた「点」にきちんとその全ての場所へと乗る様に置かれてあり、其処から、そのリングから、とても大きな、普通の規模では考えられない大きさの、そんな布が地上付近まで垂れて来ている。
外周の一部分には球も柱も無く、布も其処には無い。
さながら、其処がその祭壇の奥への正規な入り口である、と云うかの様である。
その奥は、何かを悼む様な気配にみちみちており、可視光線を像として結ぶ、人間系の受肉体である此の身に於いての限りでは、それは見えず、柱としての観念が流れ込む視界を用いてすら、それは大変に畏れ多く、直視に耐えぬ物で在った。
────今思えば、その祭壇の外周に配置されている球・柱・布の配置は『あぶらむしをじさん』の世界のいわば、アルファベットで云う所の、円に囲まれた『Ⓒ』の形をしている。
円の部分は、其処から一段、周囲よりも石材の高さが高くなっている部分である。
あの世界の文字、アルファベットと云うモノは、便利である、と私は思っていた。────
祭壇の入り口から、此の、今現在私と上級管理者が立っている魔方陣…その二ヶ所を結ぶ様に、両側に、何か、人間系達が小麦の生地を引き伸ばす際に使う道具──グルグルと延べて使用する──それの様にグルグルと回る…何等かの意味が含まれそうなソレが縦に垂直に配置されていて、それが無数に両側に等間隔で置かれて延びてきており、その光景はさながら、王宮で、著名な誰かが召客された際に、その人物が恐らくは見るであろう光景──その人物と、王との間に、向い合わせで起立して客を迎える兵士、近衛、王宮勤めの貴族達…──と非常に似通っている様にも見える。
────今思えば、これは…恐らくは何らかの宗教儀式的に用いる衣装を兼ねた道具なのだろうか?
これを回すと何らかのご利益が有るとか、そんな感じの…
『あぶらむしをぢさん』の元の主の知識と照らし合わせるとそれはどうやら、チベットと云う国の、ブッキョーと云う宗教の、コーランと云うモノに似ているらしい。
私はあぶらむしをぢさんのもたらす知識が存外役に立っている、まさにその事が、その事実が現在に於いて非常に不愉快である。非常に長い記憶の回想だ、ついつい、私はあの時の私になりきってしまい、時間軸をずらしてしまう。
しっかりと自覚し直す必要がある。
今の私の存在は、あの当時を回想している私であって、当事者の『その当時の』私ではないのであった。
これを忘れてしまうと、私は私では無くなってしまうのである。
よくよく、気を付けなければならない。────
私がその様な事を考えていると、再び、件の声が聞こえてきた。
男性なのか、女性なのか、或いは童であるのか?
そして、何処から声をこちらに向けているのか?
如何とも曖昧模糊として、それは識る術を持たないのである。
《…君達さぁ、特にイケメン君の方だけどもさ、》
《存在が消えかかって居ないかな?》
《まぁ、『覗いた』結果で云えば、》
《イケメン君はもうそんな年齢…》
「それ以上の配慮は、有難いが、遠慮致します。」
《…………諒解ぃ~。》
その様なやり取りを、上級管理者と『虚無の夢の主』が行っていた。
不意に其の、『虚無の夢の主』の話し掛ける河岸が、此方の方へと向いた。
《その、お漏ら…ゲフッ!》
《君の方さぁ~、あっちに入りなよ。》
《私が保護するんだからね~。》
《まぁ、彼処に這入って隠れて置けば大丈夫さ。》
《…たぶんね~。》
《…うん、大丈夫、大丈夫。》
《君は未だ戻れるから。》
《高尚な方が気取って用いる…》
《御隠れになられた》
《ってなことにはならないだろうからさ~。》
虚無の夢の主が『覗く』序でに、私に情報を流し込んでくれたお陰で、私は私の今の状況をある程度理解した。
それは上級管理者の方も同じ様である。
話し合いの時間を用いる事なく、それは刹那になされた格好であった。
すなわち…
敵対勢力が攻めて来て、その敵の策略によって、虚を突かれた隙に、私の惑星はあの様になってしまった。
上級管理者は、敵の動く徴候をほぼ正確に把握しており、それをわざと泳がせていた。
敵の攻勢の徴候を理解していた彼は、未だ戦うには心許ない私を研修と云う理由を付けて離れさせて、その間に迎え撃つ作戦だった。
しかしながら敵もさるもので、巧妙に十重二十重と策を巡らせ、上級管理者の鉄壁の守りを破り、彼に一撃痛打を加えた。
そのタイミングで恒星風が暴走したのだ。
そうして、私の管理する惑星は…
上級管理者は、敵に痛烈なる逆撃を加えるつもりでいる。
彼の闘志はむしろ益々と以って旺盛であり、その怜悧・狡猾なる頭脳を用いて、反攻の一撃に牙を研ぎ澄ませているかの様だ。
そして、その時点での私は、只でさえ、研修と称して彼が戦場から私を離した様に、ひよっ子であり、更には、火急の事態とは言え、己の存在を賭した無茶をしてしまって――ブラックホールに突入――その柱としての存在が薄まっており、しばらくの間は休養が必要であると云う状態…
それが、現在の状況である、と云う事であった。
私は、私が彼、上級管理者の役に立てない事が…隔離されていた事実がとても悔しく、しかしながら、合理的な脳裏は彼の判断は尤もである、と、どこか腑に落ちており、何とも複雑な心持ちではあったのであるが、此処は先達のそれに従う腹積もりであったので、上級管理者に対しては、こう述べるだけに留めた。
「諒解しました。」
「君にも不服は有ろうが、ここは一先ずは安んじていてくれ給え。ある意味では、私が命じる、それは逼塞なのだからな。」
そう命ぜられてしまえば、否やは述べられなかった。
そうやって、上級管理者は、どうやら戻っていった。
『虚無の夢の主』が転移の魔法を用いたのである。
これには驚きであった。
人間系が用いる転移等とは比べるべくもない、膨大な…それ以上なのだけれども、相応しい言辞すら浮かばない様な規模の魔素を大胆かつ、繊細に用いたそれは、矢張り上級管理者が焦眉の急に訪れて助力を願い出た、その様な柱…──なのであろうかな?正確には何者なのであろう?──の、それは当たり前の力量の一端なのであろう。
《はぁ~い。》
《彼処に入った入ったぁ~♪》
《大丈夫だからぁ~♪》
《痛いのは最初だけだからぁ~♪》
《だんだん気持ちよ…ゲフッ!ゴフッ!》
…段々慣れてきた。
この柱、中身がセクハラおじさんだ。
私は『虚無の夢の主』が彼処、と呼称したそれを見る…すなわち、それは円形の祭壇のあの奥である。
────今思えばそれは、あの『あぶらむしをぢさん』の元である人物の記憶の知識を用いれば、祭壇、それはさながら、スジスワフ・ベクシンスキーの描いた一枚の絵
─彼は作品にタイトル名を付けないのである。─
の如き祭壇であり、その奥に広がる…可視光線を用いて見る視界に於いては全くの暗闇であり、観念として流れ込んでくる景色で見たらば、畏れ多く直視に耐えぬそれはさながら、アルノルト・ベックリンが描いた「死の島」のあの、森の奥の領域の如くである。────
此処に這い入ると云うのか!?
選りに選って、此の私が!?
ぇ。
さっきのあれ、冗談じゃなかったの?
もしかしてソレ、本気で云ってんの!?
ちょっ!
まっ!
《這い入る前に、これはいとくぅー?》
空気中から現れたソレは、
人間系の赤ん坊が、溢さぬよう、また、垂れぬ様に、股間に巻き付ける…
ちっくしょぉーてんめぇー!
舐めやがって!
やっっってやろぉーじゃないのさぁー!
むきぃー!
私は意を決して歩き出した。
祭壇の奥へと向かって。
…
……
………
空は夜空であり、いつの間にか先程の空間とは違った場所に在る様だ。
其処には様々な事象が踊っていた。
煌々と輝く事象は、さながら、夜空に在る、無数の星々の如くだ。
それらのあまりの美しさに、儚さに、うっかりすると、ついつい見蕩れてしまいそうである。
実際、見蕩れて恍惚と忘我の淵で、そんな心持ちで歩いていた時間があったのであろうか…
ふと、正体を思い出して私は私が歩いてきた筈の後ろを振り返ると、最早入り口はすっかりと見えなくなっており…私はまた正体を失って歩む。
やがて、無限の距離に思える平原を踏破した後に、山の少し穏やかな稜線の様な場所をひたすら登って歩く…
何億年歩いたのかな?
何時まで歩くのかな?
いや、そもそも、何時なんて、果たして意味が在るのかな?
時間は重力に比例して長くなり…遅くなり…歩みは牛歩になり、亀になり…やがて微生物の歩みになっていくのであろうかな?
さながら、10÷3= の計算の様に…1つくり下がって10分の1の速度になって、其処から、さらに10分の1…更に10分の1…果てしなく続く、それはさながら、鏡を向かい合わせて写し出した光景みたいだ…割っても割っても、果てしなく続いてゆく悪夢の様な割り算だ。
鏡を抜けるとその先に鏡が映っており、どうやら、また、その中に這い入らなければならないと感じて、また這い入る…しかし、そこに見えた新しい景色はまたしても、鏡に映る鏡であり、やはりその場所へと移っても、変わらない景色が広がっているのではないのか…
意識を意図的に薄くする作業。
そうしなければ、延々と続く此の作業…「歩く事」の平坦さに押し潰されて仕舞うことを理解する。
歩きながら夢を見ているのか、はたまた、夢の中で歩き続けているのだろうか?
どちらでも、正解なのだと思う。
ふと、私は私で在ると云う事に対して、妙なこだわりを捨ててはどうだろうか?
疑問が沸き上がる。
沸き上がっては消えて、消えてはまた、沸き上がる…
ふと、私は今私が歩んでいる動きをこの際はすっかりと止めてしまって、此処に踊る数多の事象の星空の内の一部分となってみてはどうだろうか?
と、迷いが出る。
迷っては消えて、消えてはまた出る…
いつの間にか私は、私の当初の目的など忘れたようだ。
忘れても尚、理由が思い当たらないのにも関わらずに、歩いているそんな私を、ただ、無感情に、そして、暖かに、そんな視線で私は私自身を俯瞰する、私以外の誰かの気配を感じるようになってきた。
私は私がこの気配の主を、今までよりもより深い部分で理解し始めた事を理解した。
理解では最早無かった。
悟性を越えた、何かその先の領域での、それは電流が流れる様になった、僅かな部分でだ。
それは、上級管理者である。
いや、上級管理者だった者だ。
私はそうして悟った。
彼はもう既に…
しかしながら、それでも尚、彼は私をこうして見守ってくれており、今や彼は私の内面で一体化し始めた。
一体化し始めたが、独立した存在でもあった。
そうやって、そんな彼の存在を感じてからは、かなり楽になった旅路ではあったが、やはりその苦行は、計り知れない時間の無い時間の中での時間の長さを存分に感じて有り余る、そんな時間を過ごしたのであった。
山は遂に頂きに至った。
其処には一脚の椅子が置いてあり、私は何故だか自然な感じで、まるでそうする事が当たり前で在るかの様に、椅子に座り、夜空を眺める…
遂には私は、今わたしが、時間の意味がない、そんな場所のまさにその中心へと到達したのだと悟った。
今私は、此の場にただ在るだけで心地好い、その様な感覚に包まれていた。
目を瞑る…
少し寝て居たようだ。
一億年?
その位だ。
だが、この場所では時間は意味がないのだ。
目を開いた時、それは突然、目の前に立っていた。
質素な白い衣に身を包んだ、黒髪の長髪ロングストレートの、将来は絶世の美人となることが疑い無い…非の打ち所がまるで見当たらない。
そしてまた、同時に、何だかその存在自体が不自然な…
深淵の狂気に等しい仄暗い静謐を、そんなものを孕んだかの様な、ドロリとした──それでいてそれは、少女らしからぬ、惚けた様な、官能の残滓を今尚貪欲に反芻しているかの様な凄絶なる色気を秘めた──そんな黒目を艶やかにさせている…
その少女が、口を開いた。
「ほらね、直ぐに気持ちよくなるって…」
「そう云ったでしょ?」
「あっはっはっは!」
間違いなく、あの祭壇に降りた際に直接柱に響き渡って来た声の主である。
道中の神々しい雰囲気と、彼女自身の魅力、その双方を台無しにする、それは能天気な声であった。
腹から出しているかの様な健康的な笑い声付きで。
何だかそれすらも心地好い。
私は再び目を瞑る…
【side誰でも無い者】
いやー、存外とまぁ、彼女、根性有るんじゃない?
びっくりびっくり~♪
来ちゃったんだものさぁ。
私の餌にならないで、来ちゃったんだもの。
恒星君の助けがあったとは言ってもね~。
まぁ、惑星ちゃんは、恒星君の子供みたいなもんだからねぇ~。
そりゃ、可愛いのだろうね~。
そんな恒星君は、私が食べましたけどもね~。
うん。
美味しく頂きました。
もぐもぐ。
君の事はずっと仕舞っておくよ。
私が何時か、蒸発するその日まで…
話を戻すと…
実際、凄いじゃないこれ。
彼女、惑星ちゃん!!
来ちゃった以上はさぁ、此方も応えてやらないとね。
なんてゆーか、そんなの、有るでしょ?
うん。
じゃ、損なった柱を此処で以ってさ、先ずは存分におぎなってて貰おうかな~。
じゃ、惑星ちゃん、お・や・す・みぃ~♪
あれ?
何かもう1人突っ込んで来てない!?
え!?
え!?
しかも、逆側から来てないこれ!?
え!?
どぉーゆぅーことぉー?
何か叫んでる。
うん、ちょっと聞いてみよう。
「…だらぁーごる…てめーこんな……───ただで済むと……──ぁー!」
「明日の太陽…─…─……──拝めると……─……─……るぁー!!」
「てめーは絶対にゆる…からなぁー…─ごるぁー!」
「俺のネットワーク総動員して兵隊集めて…──…からなごるぁー!」
「その仲間使ってきっちりと狙わせてやっから覚悟しとけやごるぁ!」
「聞いとけやタコ坊主!」
ヤンキー?
ヤンキーなの?
叫ぶ内容が何か…香ばしい雰囲気。
ぁ。
あそこに着いた。
ちょい見に行ってみよ…
…
……
………
いやー。
ちょろいちょろい。
この私にかかればぁ~♪
男一人転がすなんてさぁ~♪
コツはやっぱ、あれだよねー、幾つかの真実の中に嘘を盛り込むっと。
まぁ、正確には嘘なんかじゃないんだけどもな~♪
たららんっ♪
誤解を惹起させるラインのあれやらこれやら~♪
しかし、あれだよね~。
あんな裏技、あったんだね~。
だからむしろ加速して、光さえ入れない場所なのに突っ込んで来られた訳なんだねぇー。
本人はそれをそれと知らずに…条件が重なった偶然なのかなこれ…有り得ないっしょ。
有り得ない偶然だこれ。
どんな運してんのさ?
まぁ、偶然とは言え…凄い逸材じゃない。
しかし、惑星ちゃん、無意識にアイツに反応してアナウンス仕事していたよねー。
あれはどうなのよ~。
…さてさて、どーするかなぁー。
…!!
惑星ちゃん、アイツの誘導に使えるかもなぁ…
うん。
そうしよう!
いやぁ~♪
流石は私っ!
よーっ!
このぉ~♪
憎いねっ!
美少女ぉ~♪
惑星ちゃん、惑星ちゃん、
…いや、全部でなくていーから。
一部。
そう。
うん。
まぁ、さぁ、そうやって寝ている間のアルバイトだと思ってさぁー。
実際、一部だし、余計な事出来ないようにプロテクトかけておくからさぁ、大丈夫だよ…多分。
実際無意識に仕事しちゃって、奴にやっちゃったでしょ?アナウンス。
はいはい、そうそう。
一部だけだから、ほんのちょっと。
はぁ~い。
これでおっけぇ~♪
さてと、じゃ、惑星ちゃんの一部を奴に埋め込みますかねっ!
相性的にも、悪くない筈だしさぁ~
性格とかじゃなくて、
能力の方でね~。
じゃ、惑星ちゃんの一部ちゃん…
いってらっしゃいっ!
あでゅ~☆
( ˘ω˘ ) スヤァ… ꉂ(ˊᗜˋ*)あっはっはっは!
\(*°д°)ノごるぁー!