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ただ、おっさんが夢の中でどっかに旅立ってしまう、世間的には需要が皆無なお話  作者: 加工豚(かこうとん)
【第一章】限り無く透明に近いをぢさん
10/50

ぼくのかんがえた さいきょうの すきる!





目の前でずっと、

この砂を手に取って、

おにぎりおにぎりギュっと握って♪

いや、でも、おにぎりよりもさ、

球体の方がカッコ良くね?

ってイメージで見ていた、


そう念じて来た、

その目の前の砂が

一握り…


ちょうど俺が作るであろうおにぎりなら、

大体こんな大きさかな?


って位の規模で、宙に浮きあがり、

それが次第に球体を形作って行く…


そしてそれが次第に赤熱を帯び始めた…

砂粒同士が溶け合って一塊の粘土の様な挙動を示して行き…

完全なる球体になった!


辺りに、有機物が加熱された匂いとは違う、金属や無機質な物体が加熱された時に漂うような、一種独特な匂いが漂っている…それは(メイン)溶鉄(ようてつ)砂型(すながた)に流し込み出来たモノを、回転するグライダーで無駄な場所を削りとったりしていた仕事をしていた頃に嗅ぎ慣れた種類に属する、そんな匂いであった。


ってか、俺、精神体だけども、嗅覚はあるのか。

この今の俺の状態の一端がまた垣間見えた。


球体の大きさは、当初俺が予測していた、

俺が作ったおにぎりだったらば、こんな大きさになるのかな?

と云う予測に反して、

少し小さめの、そう、野球ボール位になった。

恐らくは、隙間の空気のスペースが抜けたせいだろう。




なんと をぢさん は じゅうりょくまほう を つかえるように なった! ▼

(ファンファーレ希望。)




おー!

出来たじゃん!

成せば成るなぁ。




ピコーン!

「個体呼称、『ヲヂサン』のスキル【重力魔法(特異点)】で、新たに、物体加圧/加熱/成形が可能になりました。」




うん?

これは…

そうか、スキルとして分岐しないのか。

つまり、スキル【重力魔法】に()いて、

可能である多岐(たき)(わた)事象(じしょう)内訳(うちわけ)としての

一部分である、と言う事かな。

他にも色々と出来る重力魔法の中の内の一つの能力に過ぎない…と。

こう云った事だろう。


流石(さすが)は『特異点』って何か別枠スキルみたいな扱いなだけの事はあるぞな。

特異点スキルって奴は、何かスペシャルなんだろうな。

覚えとこ。


…何か疲れたな。

魔法使って、消耗したのかな?

ちょっと、ステータスとか見てみるか…




<ステータスオープンが発動しました。>


【名前】ヲヂサン


【レベル】1


【種族】ガイスト(人間基)


【性別】男


【年齢】44


 生命  135/135

 魔力   48/ 53【down↓】

 SP   76/ 76


 Str 127

 Dex  84

 Vit  61

 Agi  40

 Int  65

 Mnd  49

 Luk  72

 Cha  30


【所有スキル】


 ステータスオープン LV-

 蛋白質の記憶(特異点) LV-

 重力魔法  (特異点) LV-


 精神攻撃耐性    LV 3/10

 精神攻撃      LV 5/10

 考察        LV10/10→進化可能

 推論        LV10/10→進化可能

 描写        LV10/10→進化可能

 鑑定        LV 2/10




魔法を使って、『魔力』の項目の数値が確かに減少している…

やっぱ、魔法使ったから、魔力って減るんだな。

5ポイント、減っているのかな?




あれ?

何か今まで無かった項目出てね?




「進化可能」かぁ…




ちょっと、鑑定してみるかなー。




 考察   LV10/10→進化可能

     (スキル、【考察】が進化可能。)


 推論   LV10/10→進化可能

     (スキル、【推論】が進化可能。)


 描写   LV10/10→進化可能

     (スキル、【描写】が進化可能。)




…そのまんまやんけ!


俺が知りたいのは、

そぉーゆぅーことじゃねぇーーーーー!


これは、あれかな?

鑑定レベルが低すぎるとかかな?


情報を得ないまんまに、

進化させてもなぁ、

後で後悔するかも知れない…


ここはいっちょ、

鑑定を育てるしかないかな?









……

………



俺はここ数カ月…

いや、「数か月間」と云うのは、

俺の感覚的なモノなんだけれどもな。

そもそも、この星の一日の時間だとか判んないしな。


ってか、この惑星はどうやら俺の勘違いではなく、一日の長さが日によって露骨に違う。


あれかな?

月が三つも有るんだ、恐らくはそれぞれの月の引力の干渉、それが惑星とそれぞれ三つの月の軌道・距離・互いの位置関係によって相互に作用して、そんでなんつーか、「潮汐ロック」では無いにしろ、「潮汐ブレーキ」みたいになって、それの具合が強かったりそうではなかったりして、この惑星の自転に影響を与えてしまって、それで一日の長さが多かったり少なかったりして行ってるって事なのかな、これは?


多分、ある一定の周期によって、長い目で見たらば、細かな一日の長さの長い・短いのその周期は繰り返し繰り返しなのだろうなぁ。


例えば月曜日は昼間は五時間、火曜日は七時間、水曜日は36時間、木曜日は29時間、金曜日は23時間、土曜日は18時間、日曜日は39時間…だとか、こんな周期を繰り返していて、そんで月曜日になったらば、また五時間、だとかそんな周期を。


その周期は一週間なのかも知れないし、一か月なのかも知れない、或いは一年であるのかも知れないし、はたまた、円周率計算みたいに何処まで計算しても割りきれずに、そもそも周期なんて無いのかも知れないが…

んで、絶妙なバランスの上に何とかあの赤い恒星、赤色矮性(せきしょくわいせい)だか赤色巨星(せきしょくきょせい)だかは知らんが、そいつの回りを公転する事に成功しているのだろうかなぁ?

兎に角、この惑星の一日の長さは、露骨に違っているように感じた。

時計も何にもないから、己の感覚でしか感じられない事がもどかしい。


話が逸れたな。

戻そう。


俺はここ数カ月…

いや、「数か月間」と云うのは、

俺の感覚的なモノなんだけれどもな。

ひたすらに、重力魔法(特異点)を用いて、

様々な材質の岩やら、砂やらを物体加圧・加熱・成形を用いて、

様々な形に成形して行った。


精神的な疲れ、とはちょっと違う、

魔力の減少による立ち眩みに似た眩暈(めまい)

それが出た時には寝た。


別に急ぐ旅でも無いしな。


何回か、引き際を誤り、気絶した。

「魔力切れ」と云うやつだろうかな?

まぁ、他に誰も居ない惑星で、

精神体に成っちまったそんな俺には、

財布を盗まれる心配も、危害を加えられる恐れも無い。


この星の昼間を司る恒星のコロナの暴発だとか恒星風だとか、

放射線だとかに対しても、果たしてこの精神体と言う奴がノーダメージなのかは、

実は、不明だ。


敢えて気にしない事にした。

気になる事が多すぎて、正直、今は一々気にしてらんねーよ!


まぁ、そうやって次々と重力魔法で球を作ったりなんかして、

そうやって出来上がったモノに、ひたすら鑑定をかけ続けた。






(砂を加圧して融解させ、球状に成形した球。)


          ↓

ピコーン!


「個体名称、『ヲヂサン』のスキル【鑑定レベル…  」

          ↓


(細粒砂を加圧・加熱させて融点で融解させ、球状に成形した球。)


          ↓

ピコーン!


「個体名称、『ヲヂサン』のスキル【鑑定レベル…  」

          ↓

(石英35%、長石22%、岩片17%、磁鉄鉱13%、赤鉄鉱7%、その他の金属6%等を成分とする細粒砂を加圧、加熱の工程を経て融解させ、球状に成形し、自然冷却させた球。)

          ↓

ピコーン!


「個体名称、『ヲヂサン』のスキル【鑑定レベル…  」

          ↓





……

………

…………

……………





ピコーン!


「個体名称、『ヲヂサン』のスキル【鑑定レベル7】が、【鑑定レベル8】になりました。」

          ↓

(石英34%、長石20%、岩片20%、磁鉄鉱13%、赤鉄鉱7%、チタン鉱2.5%、マンガン鉱1.2%、クロム鉱0.7%、アルミナ鉱0.4%、黄銅鉱0.4%、ニッケル鉱0.2%…を成分とする細粒砂を素材とし、二つの相対するダークエネルギーの反作用の挟み込み効果を用いておおよその主成分を加圧・加熱・融解させ、球状に成形させた後に熱処理は自然に行い、完成された球。強度は自然の砂岩よりも二倍程度固い。)


…うん。

この位で良いかな?

【スキル進化可能】を鑑定してみよう…

これ以上【鑑定】を進化させたら、鑑定様の知力が軽く俺を上回り、逆に、逆に何言ってるか判らなくなりそうだ。


しかし…

鑑定様、まぢ有効な!


はぁ、しんどっ!

随分と長い苦行だった。

俺が精神体とやらで、加圧・加熱で生じた熱を感じなかった事は僥倖(ぎょうこう)だったな。


なんつーか、ガラス職人か鍛冶職人にでもなったかのような時間を過ごした。




さて、ステータスを開こうか。


<ステータスオープンが発動しました。>



【名前】ヲヂサン


【レベル】1


【種族】ガイスト(人間基)


【性別】男


【年齢】44


 生命  135/135

 魔力  129/287【up↑】

 SP   76/ 76


 Str 127

 Dex  84

 Vit  61

 Agi  40

 Int  72【up↑】

 Mnd  88【up↑】

 Luk  72

 Cha  30


【所有スキル】


 ステータスオープン LV-

 蛋白質の記憶(特異点) LV-

 重力魔法  (特異点) LV-


 精神攻撃耐性    LV 3/10

 精神攻撃      LV 5/10

 考察        LV10/10→進化可能

 推論        LV10/10→進化可能

 描写        LV10/10→進化可能

 鑑定        LV 8/10




…魔力とMnd、Intが増えておる!


無我の境地だったからなぁ。

最終的には、野球ボール状にして、縫い目も付けてみた。


どうやったか?

つまりは、加圧する注射ポンプの方の押す部分の形を、変形させたら良いのさ。

ハンコみたいにな。


冷却もゆっくりと行い、急激に冷やされて、違う組成同士の結び付きが破壊される事を極力防いでみたり、

金属成分やガラス成分や石の成分、全てが融解する温度に上げて、

良く捏ねてよく混ぜて、均一にしてみたり…


で、その出来上がった球体を、手に持とうとした。

変化球を投げてみたかった。

主に、ここ数ヶ月のストイックなやり込みで溜まったストレス発散の為に。


持とうとしたら、手をすり抜けた。

すっかりと忘れていた。


そんなんだよなー。

失念していたなぁ…

俺はスピリチャルをぢさんだったのだ。


新しい方法が、何か必要だな。

色々と考えてはみたのだが、

その時はひたすら球体作りがメインでやっていたからな。

俺の不器用なシングルコアの脳ミソでは、何か画期的な発想は新たには生まれて来なかったんだ。


今後の課題だな。

物質を「持つ」的な手段の開発。


ってかさ、

物を持てないのにさ、

Str(筋力)とかはどうなのよ?

物が持てないのにさ、俺の初期パラメータの中で一番高かったのが筋力なんだよな。

死にパラメータじゃんか、これ。


色々気になって主題から逸れた。

スキルの「進化可能」を鑑定してみよう。




考察の「進化可能」を鑑定する。




 考察   LV10/10→進化可能


従来の【考察】スキルよりもより上位のスキルへと進化させる。


 進化候補


  ①…新たに、洞察    LV1/12となる。


  ②…新たに、形而上思考 LV1/15となる。


    ②の場合は、スキル【推論】

      LV10/10と統合される。


  ③…新たに、ゲシュタルト思考LV1/30となる。

   ③の場合はスキル【推論・描写】

    LV10/10と統合される。




①は統合を行わない進化か。


②は考察と推論が統合する進化。


③は考察、推論、描写と、

 現在発現している思考系スキル三つを統合する進化。





ぬーん…





続いて、推論の「進化可能」を鑑定する。




 推論   LV10/10→進化可能


従来の【推論】スキルよりもより上位のスキルへと進化させる。


 進化候補


  ①…新たに、蓋然的思考LV1/12となる。


  ②…新たに、形而上思考LV1/15となる。


    ②の場合は、スキル【考察】

     LV10/10と統合される。


  ③…新たに、ゲシュタルト思考LV1/30となる。

   ③の場合はスキル【考察・描写】

    LV10/10と統合される。




これもノーマル進化、

二つ統合進化、

三つ統合進化のパターンだな。




一応、最後の進化も見てみるかな。




 描写   LV10/10→進化可能


従来の【描写】スキルよりもより上位のスキルへと進化させる。


 進化候補


  ①…新たに、写実的思考LV1/12となる。


  ②…新たに、ゲシュタルト思考LV1/30となる。

   ②の場合は、スキル【考察・描写】

    LV10/10と統合される。




ノーマル進化と、

三つ統合進化の二通りだな。




これ、あれだぞ。

かつて俺が好きだった、

セガ・土星から出てた、


「Bigなstrategy」って感じのタイトルのゲームみたいなもんだ。

千年帝国のアレの方も好きだった。

ドイツ軍オンリーの奴な。

シナリオやり込むと南極で宇宙人とか出てきたよな。


つまり、俺の今の状態は…

そのゲームとかに例えたらば、

最強の、夢のドイツ戦車に進化するには、

迂闊な進化・改良すると後戻り出来なくて、

やり直しとかになっちまう、そんなパターンじゃない?




…何か手掛かりはないモノか。

俺は再び、考え始める…











やってみて判る…

ステータス管理の煩瑣さ、面倒臭さ(><)

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