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プロローグ*混沌

これからよろしくお願いします。

尚、このプロローグは、本来の時系列の始まりより、少し後となっております。

本来の始まりは、次の一話から、今回は導入となっております。

 その血塗られた拳は、まだ十六歳の青年ーーカムイには、あまりにも刺激が強すぎた。

 自分のやった事をまだ受け止めきれていないのか、カムイの心には空虚(くうきょ)なナニカが残っている。


 ーー僕はこんな事やりたく無かったんだ!


 酷く濃い朱色の空、村の奥まで見える死人の束。無数に広がる怪物の姿。目に映る万物が、カムイの心を更に抉っていく。誰にも届かぬその想いだけが、空っぽの心を埋めて行く。


 それでも待ってくれる程、怪物は生易しくはない。一匹の怪物を倒した直後、その上司らしき怪物が、目の前に姿を現した。

 先程カムイが倒した怪物の見た目は、普通の人間だった。しかし、その上司は人とは程遠い、紫紺の皮膚に3つの目をギョロつかせた、本当の怪物だった。


 その怪物は、座り込むカムイのことを見下ろすと、不意に喋りかけた。


「その見慣れぬ鉄塊(アイアン)、常日頃我々に向けられる刃のそれとは、勝手が違う様に思えますが。ひょっとすると、あなた……」

「うるさい、黙れ」


 気が動転しているからか、カムイはその怪物を睨みつけると、再び拳を構える。

 しかし、今度の怪物は先程までとは違い、血に飢えた獣の様では無かった。特に悪びれる様子もなく、再び話し出す。


「あなたの力は、遠目ながらも見させてもらいましたよ。実に面白い、奇妙な力ではないですか。しかし、あなたはまだ私には勝てない。ここは会話するのが賢明だと思いますが?」


 ーーチッ、くそっ。


 獣の本能というのだろうか。カムイはその体全身で、目の前の怪物の放つ禍々しい(まがまがしい)オーラを感じ取っていた。

 だからこそ、迂闊(うかつ)に手を出してはいけないと悟ったのだ。だからカムイは、仕方なく返答することにした。


「で?仮に僕が奇妙な力を持っていたとして、あなたには関係ないだろ。なぜそんなことを聞く、怪物」

「怪物とはまた失礼な。私はルベルト、しっかり名前があるのですよ。それはそうとその力、どこで手に入れたんです?」


 聞かれるとは思った、しかしカムイに答える気は全く無かった。それは自分本人のプライドであり、カムイの家系全ての人間に対する侮辱だからだ。


 だから今度は何も言わずに立ち上がって拳を構える。もう覚悟はできていた。

 ギュッと脇を締め、右手に力を込める。目の前の怪物ーールベルトを一瞥すると、力の限り叫んだ。


「鉄塊に宿りし魂よ、今僕に力を貸してくれ!鳥獣防盾(ちょうじゅうぼうき)ライオネット!」


 刹那、辺りが光輝き弾けそうな轟音とともに、カムイの右手は、大きな鉤爪と毛むくじゃらの手に変わり、顔にはライオンの仮面が顕現(けんげん)していたーー





 



色々とわからない、謎なことが多かったと思いますが、次を読めばわかると思いますので、よろしくお願いします。

尚、更新頻度は、1〜7日間に一回となります。

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