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017:国際職業互助協会

本日の更新はこれで打ち止めです。

ストック? 初めて聞く言葉ですね()

 俺とアオはガヤガヤと騒がしい建物の中にいた。

 キョロキョロと辺りを見回す俺たちはお上りさん丸出しだが、ここは初めてくる場所であるし仕方ない。


 屈強な男、妖艶な女。場違いに思える幼女、怪しい仮面を被った少年らしき人物。


 なるほど。国際職業互助協会なるものがよくわからないものだということがわかった。

 エリノアに話を聞いたところによると、随分昔、魔王と呼ばれる異世界人に対抗するために別の異世界人が作り出した組織であるらしい。


「冒険者ギルドのようなものと言えば伝わるかも」


 というのはその異世界人の言であるようだ。一言で言うと何やってんのお前、であるが、根無し草の俺たちには有難いのが事実だ。

 面白いのが、国際組織であるということ。国際職業互助協会に入っている人間は国同士の戦争や政治に関わることは表向き(・・・)はできないという点だ。

 そもそも冒険者ギルドって何だということから、その異世界人は組織立ち上げに関して色々と悩んだというのが手記として残されているらしい。


 もっとも、それでも抜け道は見つかるが、創設者が争いを好まなかったということは、理念として今も大切にされているようだ。


 何にせよ、その規模は本当に大きく、どの国にも国際職業互助協会はあるとのこと。本当に小国であったり、あまりにも治安のよろしくない国であればないこともあるらしいが、この協会のカードでほとんどの国では身元の確認が可能とのことだ。


 その甲斐あってか国際化が進みすぎている様子の人々の様子に、アオが思わず後ずさっていた。


「な、なんかすごいですね」

「だな。これはちょっと」


 あまりの混沌具合にカウンターに行くのを躊躇っていると、全身を筋肉で覆われた大男が俺の肩に手を置いた。


「おい」

「な、なんだ?」


 有り体に言って非常に怖い。どうして顔に刀傷があるというのか。こんな凶悪な姿の人物が話しかけてきたら吃るのも自然、だと思いたい。


「新人だな。よし」


 何が良しなのかは全くわからないが、何か犯罪にでも巻き込まれやしないだろうかと冷や汗が首を伝う。


「新人のカウンターはあそこじゃねぇ。一番端っこのあそこだ。行けば説明してくれるだろうよ。それと、張り切って無茶すんなよ」

「あ、あぁ。ありがとう」

「良いってことよ。誰もが通る道だ。彼女、泣かすんじゃねーぞ」


 ひらひらと手を振ると、大男は俺に指差したカウンターとは逆のカウンターへと向かう。

 間違いじゃなければ、あの人はすごく良い人、な気がする。


「あれが、ギャップですかね」

「多分」


 幸いにもカウンターには誰もおらず、俺とアオは特に待つことなく受付のところまで来れた。

 どう言えば良いのか迷っていると、受付の女の人がニコリと微笑む。


「おはようございます。お二人は当協会のご利用は初めてですよね」

「あ、はい」

「失礼ですが、ケント様とアオノ様、でございますか?」


 なぜ名前がバレているのかと思ったが、シュノーが俺のことを報告したと言っていたような気がする。

 頷く俺とアオに受付嬢は針と銀色に光るカードを取り出す。


「申し遅れました。私、ノノと申します。今後お二人の専属ということになりますのでお見知りおきください」

「新人にそういう事ってあるんですかねー」

「通常ですとそう言ったことはありません。理由はお二人自身が知っているかと思います」


 つまり、何から何まであの二人が手を回してくれているということだろう。


「で、このカードと針は……」

「はい。登録に血液が必要ですのでブスッとお願いします。カードに少し付けば結構です」

「わかりました」


 言うが早いか、躊躇いなくアオが指に突き刺すとカードに血を垂らす。

 めちゃくちゃ痛そうだが、当の本人は何も気にした様子はなく、俺に見られていることに気づき、にへらっと表情を崩す。


「はい、ケント」


 アオの血が付着している針をノノが差し出したハンカチで拭うと少しだけ指先を傷つける。

 滲む血をカードに押し付けると、カードが一度ぼんやりと光る。


「これで登録は完了です。ギルドカードに等級はありますが、それで見た目が変わるなんて事はないので気にせず高ランクの依頼を受けてくださいね!」

「じゃあ、等級は何のために……」


 その呟きに、ノノは嫌そうな顔をせずに一枚の紙を取り出す。そこに書かれているのは階級ごとの特権のようなもの。


「貢献度ですよ。ギルドが運営している酒場や宿で割引が利いたり、危険度が高い立入禁止区域もギルドカードの等級が高ければ入る事ができます。信用のない方にそれらを提供するのはお金もかかりますし、こちらとしてもリスクが大きいのです」


 非常に納得のいく説明だった。


「なるほど、わかりました。説明ありがとう」

「いえいえ。お二人はランクCからのスタートです。本来ならばFからなのですが、ケント様とアオノ様はとある方の推薦がありましたので。他に何か聞きたい事があればどうぞ」

「依頼にはランク制限とかってあったりします?」


 アオがノノに問いかける。チラチラと依頼が貼られているボードを見ているのはわかっていたが、これだけは聞いておくつもりだったのだろう。


「いえ。あそこにあるものは無いですよ。そういったものはこちらから提示するか、指名依頼という形式をとります」

「それじゃあ俺たちは見てこようと思います」


 そしてカウンターを離れようとした時に、ノノがあっと声をあげる。


「すみません、ケント様、アオ様。こちらを渡すのを忘れていました。前回の指名依頼の報酬ですね」

「あ、はい。ありがとうございます」


 見た目は品の良い指輪だ。

 流石に呪われていたり、俺たちに不利益な品だとは思いたくない。


「後でカード化してみましょー。今は依頼を選ぶということで」


 アオの言葉に頷くと、俺たちはボードの所に足を運ぶ。

 ズラリと紙が張り出されたそこには多くの人が群がっていた。


「お、おお。あれが有名なゴブリン退治か」



 ゴブリンの集落の壊滅

 推奨:Cランク

 依頼主:ユッケ村村長


 村近くの森でゴブリンが集落を作ってしまいました。規模は最低三十体。上位種出現の可能性があります。集落の破壊で依頼完了とします。食事と宿は当方で負担、至急お願い致します。


 場所:ユッケ村

 契約金:30000ディル

 報酬:500000ディル



「ゴブリンにしてはやけに推奨ランクが高い気が……」

「やっぱり群れを倒すとなると大変なんじゃないですかね。それにしても相場ってこんなもんなんですかね?」

「まぁ、そうなんじゃないかな。で、これにする?」


 アオの了解を得て、俺は人混みに突入し、目当ての紙を剥がす。

 少し破れたが、隣でもっと悲惨に破いていたやつがいたのでそれと比べるとまだマシなはずだ。


 俺とアオはもう一度カウンターに戻ると、それをノノに渡すのだった。



最近思ってるのが、そもそも冒険者ギルドとはなんぞやということです。

ですが、この作品は作者のその場のノリと勢いで書かれており、プロットなどというものはカケラも存在しません。なので深く考えずに頭を空っぽにして読んでほしいなと思います。


間違ってるところもあるかもですが、そう言う世界もあるんだーくらいでお願いします。


ついでにぽちっとブクマと評価をして頂けるとやる気に繋がります。

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