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第七十話 五所瓦これぞう劇場『女子高生は渾沌がお好き』第二章

【四幕 教会】


 登場人物 みちよ

      下地しもじ法師



 下地法師、神に祈りを捧げる。そこにみちよ闖入。


下地法師「天にまします我らの~むにゃむにゃ……」


みちよ「わぁ何よここ!ミニスカを穿いた神様が祀られてるわ!」


下地法師「むむ!これ、娘よ、ちょっとこっちに来なさい」


みちよ「何、偉そうに!わわっ、このお坊さんもミニスカを穿いてるわ!なんてこと!」


下地法師「そなたはもしや伝説の生物にして不朽のコンテンツであるJKでは?」


みちよ「ええ、いかにも私はJKよ」


下地法師「歓喜!おお~神よ!ミニスカ大明神よ~」


みちよ「ヤバイ人そうね」


下地法師「娘よ、私は伝説の生物JKを研究している。諸国漫遊の中で、JKのアイテムミニスカについてはこの通り、実際に作ることが出来る程の知識を得た。しかしそれに合う上半身に身につける衣装のことがどうしても分からなかった。しかし今謎は解けた。お前さんが着ているその服、それを是非私にくれ」


みちよ「え、セーラー服を!だめよ、これは学校の制服なんだから。それに男の人にあげるとか何だか犯罪臭いじゃない?」


下地法師「ほほぅ、それはセーラー服と言うのか。良き響きだ。聖なる衣セーラーをまとう娘よ、どうかその情報を私に」


みちよ「そうは言ってもこれは人には渡せないのよ」


下地法師「それならばほら、このヌル板を5枚やるから交換しよう」


みちよ「ヌル板……ヤダ、蒟蒻こんにゃくじゃない!」


下地法師「なんと!蒟蒻というのかコレは!ヌル板よりもずっと神秘的響きのする良き名だ。娘よ、お主はまさか神の遣いか何かなのか」


みちよ「いいえ、私はただのJK。他と違うことと言えばクラスでただ一人バク転が出来ることくらい」


下地法師「バク転!はて、先程から知らぬことばかり。鱗だって目から落ちすぎれば後々問題になるかもしれん。一つずつ片付けていこう。どうしてもセーラー服は譲ってもらえぬか」


みちよ「ええ、どうしても。それに蒟蒻もいらない」


下地法師「よし、ならば私とチェキを撮ってくれ。私の裁縫の腕はちょっとしたもので、形が分かれば後はきっと自分で作ってみせる。何タダとは言わない。ヌル板もとい蒟蒻以上のものと交換しよう」


みちよ「まぁいいけど……なによ、チェキはあるのね。よく分からないところだわ」


下地法師「よ~しではでは、ミニスカ大明神の前に立ってっと……いくぞ~い、せ~のチェキ~~。うむうむ、助かったぞ娘。これはお礼だ。教会に眠るお宝の法銃を手に取られよ」


みちよ「ええ、これってただのチャカじゃない?」


下地法師「何?こっちはチェキで、それは法銃じゃよ」


みちよ「ええ、日本ではこれをチャカって言うのよ」


下地法師「日本とな。また聞かない言葉を、お主は博識じゃのう。お主からは良き話が聞けそうじゃな。しかし今はお祈りをせねば。娘よ困ったことがあったらまたここに来るがよい。ヌル板なら何枚か分けてやろう」


みちよ「妙な教会ね。もう来ることはないわ。このチャカ、じゃなくて法銃は人に見えないようにしまっておこう」


 下地法師はお祈りに戻り、みちよは教会を出ていく。



【五幕 街】

  

 登場人物 みちよ

      商工会職員(男性)



みちよ「なにかしら。広場で長机なんて出して、何か催し物でもあるっていうの」


商工会職員「お嬢さん、ヌル板抽選やっていかない?」


みちよ「何?ヌル板抽選ですって。蒟蒻が何に代わるというのよ」


商工会職員「ええ、何でも当たりますとも。何せヌル板は万能貨幣、この世のあらゆる物はヌル板で手に入れることができるのですから」


みちよ「ふむふむ、ここではヌル板がお金みたいなものなのかしら。食べ物に困ったらどうしようと想って拾ってはビニル袋に入れておいてよかったわ。よし、一つ運試しをしようかしら」


商工会職員「おおっ、やるのですね。ではヌル板五枚頂きますね」


 みちよ、五回ガラポンを回す。


商工会職員「え~と参加賞が四回……と、おおっ!最後は三等が出ましたよ!」


みちよ「三等か、まぁいいわよね」


商工会職員「では参加賞の白プチが四つ、そして三等賞は~はい、マートゥンです」


みちよ「ええ、炊いてない米が四粒に、マートゥンってこれ、マトンじゃない、生の……。ええ?マトンは裸のまま手渡し?袋くらいちょうだいよ」


商工会職員「はいはいただいま」


みちよ「なによこれ、マトンは好きだけど……生で一枚もらってもねぇ……」


商工会職員「夢のヌル板抽選、またのご利用を」 


 みちよ。悶々としながら抽選会場を後にする。



【六幕 崖】

 

 登場人物 みちよ

      電磁九郎でんじくろう


      

 電磁九郎、崖の上で火をおこして調理中。そこへみちよ到着。


みちよ「はぁはぁ、ここまでくれば街が一望出来るわね。まったくこの街は謎だわ。人はいるけど、誰に何を聞いても的外れでとんちんかんな答えしか返ってこない。結局何もわからないじゃないの。あっ、また戦闘機が蒟蒻を落としている。謎だわ……」


電磁九郎「おいそこの娘!」 


みちよ「は?あなたは誰?」


電磁九郎「へっ?俺が誰かだって?それを知りたきゃお前が先に名前を言うか、何かをくれるかするのが筋だが、筋よりも気分優先で生きる俺はさらりと語ろう。俺は音速大蛇流おんそくおろちりゅう二刀剣術免許皆伝者電磁九郎」


みちよ「まぁ漢字の多いこと!でもここへ来て珍しく何かを教えてくれる人だわ」


電磁九郎「娘よ、どっちかと言うと女性も果実も熟れた方が好みの俺が、お前のような青い娘に声をかけた理由は一つ、お前が手にしているそれだ。俺が思うにそれはマートゥンでは?」


みちよ「いかにもこれは三等賞のマトンよ」


電磁九郎「くれくれ!」


みちよ「何よ急に物乞い?」


電磁九郎「そうか、タダでは動かんか。お前はケチな娘なのだな。ならば……え~と……すまぬが交換の品がない」


みちよ「そんなあなたは今何をしているの?」


電磁九郎「はっは、よくぞ聞いた。ヌル板抽選で多様性兜ジャニューを手に入れたので、さっそく使っているのだ」


みちよ「え、ジャニューですって。それはどう見てもただの鍋じゃない?」


電磁九郎「ナベ?いやこれはジャニュー。戦闘において頭部を守るアイテムであり、こうしてヌル板を調理するにも使える画期的アイテムだ」


みちよ「本当だ。よくみれば蒟蒻を茹でている」


電磁九郎「そうだ。お前の持っているマートゥンもジャニューで美味しく調理すればよいではないか。それで半分分けてくれ」


みちよ「ダメね。あなたには三分の一だけ」


電磁九郎「何?三分の一だと。それはどのくらいのなのか?」


みちよ「この世界には分数の概念もないの?」


電磁九郎「いや、分数は学校で習ったのだが、何せこの俺は算術が苦手ときている」


みちよ「まったくだめ剣士ね。頭だって無くちゃ戦いには生き残れないわ」


電磁九郎「まぁまぁここに座るが良い娘よ。今日は仲良くヌル板時々マートゥンジャニューパーティーと行こうじゃないか」


みちよ「仕方ないわね、お腹も減ったしそうするか」


 みちよ、電磁九郎、仲良くジャニューをつつく。

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