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アナタの本当の姿は?  作者: kame
高校三年生
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【第95話】夏休み1

「事故に気をつけて~」


 壇上で校長が長々と話しているのを聞き流しながら、この夏休みの予定を考える。

 まず予定として決まっているのは、3年生対象の夏期講習と収録、夏の祭典の参加。あと夏祭り。今年も遥さんが夏の祭典のスペースが取れてるからそこの手伝いと企業ブースの方で手伝ってとも言われてるから遥さんの出店日以外は企業ブースの方を手伝う予定だ。

 人によってはこの夏が大学受験の為に塾に通ったりするんだろうが、そもそも遥さんとの試験勉強で順調に成績が伸びたお陰で、先生からも夏の祭典の売り子を頼まれた。だが、先生のサークルはR18を出すらしいから売り子はしない。


 遥さんも無事誕生日を迎えて、誕生日にほしいと言っていたR18本と新しいペンタブを渡した。ペンタブは最近反応が鈍いとか言ってたからね。



 *



 久しぶりに2年時の屋上メンバーでファーストフード店で軽く夏休みに入ったから打ち上げをする。


「そういえば前リンさんの車の乗せてもらったんだよ」


 えー、と・・・あぁ、沖縄土産を配った帰りにスーパーからついでに送り届けた時か。一応家の場所を誤魔化す感じで逆方向に進んだ記憶がある。


「でさでさ、この前その車を見つけてさー」


 あ?

 家の駐車場に停めてあったのを見られたか? 俺と遥さん、早乙女さんの間に緊張の空気が流れる。


「あの芸能事務所の駐車場にあったの!!」


 はぁ・・・そっちか。よかった。


「リンは一応事務所に所属してるからね」


 遥さんが伝えてくれた。


「声優として所属で・・・あれ?いいんだっけ?」


 んー・・・自信ない。最近マネージャーっぽいこともしてるし。


「最近原画もしてたな」

「ほんと、リンさん何してるの・・・」


 それ俺が聞きたい・・・



 *



「歌ってみた投稿第10弾!!乙女さんが受験勉強の現実逃避で作った曲で!!」


 近藤と柊さんだけで何本かあげてるけど、時間を見つけては4人で歌ってみたを投稿しているから4人では今回で10本目だ。そして早乙女さん現実逃避してたんだ。


「あはは、ほらテスト期間って何か部屋の掃除とか今しなくても良いようなことやりたくならない?」

「わかる。無駄に掃除とか凝った料理とかしたくなるよな」


 うんうん。何かしないといけない事があると余計に別のことやりたくなるんだよな。


「私もついついネームやっちゃうんだよねー」


 そういえば遥さんは夏の祭典の原稿は終わったんだろうか。この二人にはイベント参加してるとは教えてないからここで聞くことはしないけど。


「じゃー録ろう!!」


 おけ。

 今回は確か早乙女さんも歌うんだったよな。



 *



「リンちゃんお願い!!テレビ局まで車出して!!」


 アテレコしていると社長と守山さんが現れた。他にも車はあるでしょうに・・・

 まぁ今日のわたしの収録分は終わったので良いですけど。


「なぜ急に?」

「ドラマで急に一人欲しくなって守山君にオファーがね」

「へぇ、結構順調」


 本当に全然テレビに出れない人もいるところに、このドラマ出演とは相当順調なんじゃないだろうか。わたしアイドルに知り合いはいても俳優とか女優に知り合いは・・・いなくもないけど、ほとんどいない。確か知り合いの女優の人は今北海道だったはず。たまに大型バイクに乗ってるところをメールで送ってくる。あの人も結構長い下積みがあったんですよね。


「前のテレビの仕事で目をつけられたみたいでねー嬉しい限りだねー」


 でも守山さんも受験生なんですよね。


「あぁ受験は大丈夫。1,2話だけの出演だから夏休み中には撮影終わるってさ」


 うちは学業優先なので。と社長が胸を張って言う。その割にわたしの仕事量減ってませんけどね。増えてもいませんけど。


「リンちゃん成績的には志望校問題ないんだろ?」

「ん」


 遥さんと勉強しているおかげか志望校でA判定が出ているし、順調に成績は伸びてる。


「なら問題ないだろ?」


 うちでそのまま高卒就職でもいいよ。リンちゃんならどこでも即戦力だし。と言われる。わたしのどこが即戦力なのか分かりませんが、まぁ今の調子なら成績は全然問題ないですね。


「じゃ、行く」


 あそこのテレビ局の景色も良くて社食美味しいんですよね。



 *



「リーンちゃーん」


 え?ちょっ?なんであなたがここにいるんですか!?あなた今北海道のはずですよね!?

 わたしが守山さんとテレビ局に入るとわたしにすぐに抱きついてきたのは、今北海道にいるはずの女優の知り合いだった。名前は藤堂(とうどう) 沙苗(さなえ)。わたしは沙苗さんと呼んでいる。


「旦那がねー!!またうちに女の人連れ込んだの!!」


 沙苗さんは既婚者で旦那さんは一般男性です。でも旦那さん沙苗さんにベタ惚れじゃないですか。


「これ見てこれ!!」


 そう言って見せてもらったスマホの写真には悠里としての格好のわたしと漫画家の藤堂先生が写っていた。そうです。沙苗さんの旦那さんは藤堂先生なんです。

 この写真は・・・藤堂先生にせがまれて悠里の格好をしたときの写真ですね。流出先は・・・あぁ、アシスタントの一人ですね。後で先生にちくっておきましょう。


「それわたし」

「えっ!?これリンちゃん!?」

「ん」


 声優悠里です。と伝えると全身舐めるように見られて・・・


「た、確かに面影が・・・」


 リンの面影は頑張って消して男っぽくしてるんですけどね。

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