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アナタの本当の姿は?  作者: kame
高校三年生
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【第89話】お土産

「ん。皆に沖縄土産」


 修学旅行から帰ってきて一回目のスタジオで沖縄で買ってきたお土産を配る。

 人数が多すぎるから大ぶりのお菓子の箱を4箱買って家に宅配便で送ったものを車で持ってきた。結構一つ一つがずっしりしたお菓子だから重い。

 他にも漫画家の藤堂先生にもお土産を頼まれていたから、このアテレコ帰りに寄るつもりで積んできた。始めはお酒とか言われたけど未成年なんで買えません。


「わぁっ!!ありがとう!!」


 伊佐美さん達声優の人達がお菓子を取っていく。中には須藤君もいる。学校でお土産は渡したんだけど・・・祐樹とわたしは別人扱いですからね。どうぞ取ってくださいな。


「リンさん修学旅行沖縄だったんですね。僕の親しい先輩も修学旅行で沖縄行ってきたって言って、これくれたんですよ」


 須藤君が見せてくれたのはカバンに付けているストラップ。半透明の球の中にイルカが浮かんでいる。佑樹として渡した沖縄土産だ。須藤さんとは色違いとなっている。

 つまり須藤君のいう親しい先輩というのはわたしの事で、須藤君の中ではわたしと佑樹は別人で沖縄に修学旅行に行っているという状況になる。


「先輩のこと好きな姉さんが凄く喜んでました」


 それはよかった。一応可愛いの選んだつもりだけど趣味に合わなかったらどうしようとは思ってた。他にもお菓子は渡したんだけどね。



 *



「そういやリンちゃんあっちのイベントに出没したんやって?」


 休憩中に伊佐美さんが聞いてきたから頷いておく。どこからそんな情報入るんですかね。


「SNSでリンちゃん登場!!って書かれてたで。ほら、前のイベントでうちが引っ張っていってからリンちゃん一部に知られとるし」


 それ、伊佐美さんのせいですよね。わたしは表舞台に立つつもりは無いのですが。悠里としての姿であれば多少は出てもいいですけど。悠里の姿は人前に出るための姿ですから。


「リンさん修学旅行中にイベント行ったんですか!?よく行けましたね?」

「班全員オタだから問題なし」


 さらには先生まで居たんだから問題があるはずがない。先生が頒布していたものは少し問題かもしれないけど。


「来年僕も修学旅行なんですよねー」


 どこいこうかなーと今から楽しみにしている須藤君。


「国内がいい。なにより言葉が通じる」


 海外に行っていたクラスメイトとお土産の交換をしながら聞いた限りだとある程度は日本語でも通じたらしいけど、やっぱり細かい所は英語が出来たほうが良いとのことだ。特に翻訳が怪しい所があったりして悩んだことがあったらしい。翻訳アプリで乗り切ったらしいけど。


「あー言葉は大丈夫です。僕英語喋れるんで」


 須藤君がぺらぺらと英語でなにか喋った。へ?英語喋れるの?


「さっきのは今回のキャラクターの台詞ですね。

 僕のおじいちゃんがアメリカ人なんでクォーターになりますね。おじいちゃんと話したかったら英語覚えろって言われて子供の頃頑張って覚えました」


 へぇ、クォーターだったんですね。須藤姉弟。



 *



 母さんの車で藤堂先生の豪邸に向かい、インターフォンを押して少し待っていると自動で大きな扉が開いた。

 つまりは中に車を入れろということだろう。アシスタントの人の車の横に停めてお土産を持って建物の中に入る。こっちもそれなりに人がいるから結構量の入っているお菓子をお土産にした。


「リンちゃんいらっしゃい」


 毎度のことだけど藤堂先生が迎え入れてくれる。


「お邪魔します。お土産」


 ん。と3つの箱を渡す。知り合いが多いとお土産が多くて大変だ。


「あっリンちゃんリンちゃん。はい。新刊」

「ありがと」


 藤堂先生から直々に修学旅行中に出た漫画の新刊を渡される。今までも新刊はよく貰っている。


 お土産配るのは終わったし、帰りますか。帰りがけに夕飯の材料を買って帰らないと。



 *



 今日の晩御飯はラーメンでいいか。生麺が安売りしてる。


「あれ?リンさん?」


 購入した物を袋詰めしていると声をかけられた。この声は柊さんかな?


「ん」


 声が聞こえてきた方へ向くとやっぱり柊さんがいた。わたしと同じ様に袋詰めしていた。


「買い物ですか?」

「晩御飯」


 少し手抜きのラーメンが晩御飯。スープだって既成品だしね。

 柊さんは・・・惣菜ですね。手軽に一品増やせるから、わたしも結構惣菜は買う。



 *



 駐車場まで一緒に出て、運良く出入り口の目の前に停めることのできた車に荷物を積み込んで・・・


「乗ってく?」


 徒歩だという柊さんに声をかけた。

 一応柊さんの家を知っているけど、このスーパーからだとまぁまぁな距離があったはず。むしろわたしの家の方が近い。普段はわたしは歩いてここにきますし。


「えっ?いいの!?」

「ん」


 送りますよ。

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