【第85話】修学旅行1
「んんー」
俺は長時間のフライトで固まった体を伸ばす。周りでは修学旅行で同じ沖縄を選んだ同級生が同じように体を伸ばしている。
「はーい。こっちに集まってください」
わざわざ沖縄引率を立候補してついてきた華岡先生がバスの前で手を振っている。
今日は今から学校がチャーターしたバスでホテルまで移動して自由時間になる。
小学校、中学校の様に団体行動というわけではない。結構ウチの学校はゆるいから自由に出来る。明日は全員で首里城と水族館の方へ行くが、今日は移動だけでそれ以外は自由時間。
修学旅行の日程としては三泊四日、三日目が全て自由時間になり時間までにホテルについていればいい。
「楽しみだね」
「そうだな」
二人でバスの横の座席に乗り込んで流れていく沖縄の風景を見る。といっても思ったよりもザ・沖縄といった感じではない。
「ところで、これどうする?」
そういって遥さんはスマホの画面を見せてくれる。画面にはちょうど三日目に沖縄で開催されている同人誌即売会のイベント情報。見事に日付が被っている。この情報を見つけてきたのは母さんで行ってきたら?とURLを送ってきた。
「んー、後ろの二人に聞いてからかな」
流石に俺達二人の意見で行き先を決める訳にはいかない。
「あたしらは別にいーよー」
後ろの席から身を乗り出して声をかけてきたのは早乙女さん。危ないからちゃんと座ってて下さい。免許取ってからこういう行為が相当危険行為に見えてしまうんです。
「沖縄のイベント風景も見てみたいし」
多分一緒だと思うけどなぁ・・・アカネ君はどう?
「すみません。俺はどっちでも。行きたい所はあまりないし」
アカネ君はどっちでもいいと。じゃぁちょっとだけ覗こうか。
*
海辺のホテルに着いて自由時間になる。部屋割りとしてはしっかりと男女で分かれている。
「よいしょっと」
俺は海の見える窓辺に椅子を持ってきて、カバンの中からタブレットを取り出して、ホテルの無線の設定をしたらゲームを起動。海を見ながらするゲームは格別だなぁ。ガチャでいいのが出る気がする。
「いや、一緒じゃ・・・」
まぁまぁ、沖縄一発目ガチャポチー
「orz」
まぁ無理ですよねー・・・
「近くにゲーセンあるらしいし、沖縄限定でも取りに行く?」
「やることないですし、いいですよ」
よし、決まり、女子二人にも連絡を入れておく。とりあえず男子二人はゲーセン行ってきます。と。
*
「あっいたいた」
UFOキャッチャーで沖縄限定の服を来たフィギアを取っていると遥さん達が来た。というか既に手にはキーホルダーが。もう取ってきたな。
このサイズのフィギアは持って帰りにくいからホテルからお土産もある程度纏めて宅配便で送っておこう。
「結局やってることは向こうと変わらないというね」
まぁ、海とかは飛行機の中で見たし、日の入りの時間まではもう少しあるからやることないからな。
同じ様にゲーセンにはちらほらとうちの学校の生徒が・・・あれ華岡先生じゃない?結構本気でUFOキャッチャーしてません?引率はいいんですかね。
「あー」
先生が失敗した。あの位置だと取りにくいんだよなぁ。2,3回突いて位置を移動させる必要があって余計にお金も時間もかかる。
先生が悩んで・・・諦めた。そして少ししてから店員が取りやすいところに移動させたのを確認したのか、さっと先生が戻ってきた。
「なんというか、手慣れてる?」
「一時的に台から外れて戻された途端戻って来ましたね」
あっ取れた。
*
「なー、鈴木って飯島とどこまでやったんだ?」
ホテルの大浴場に入るとクラスメイトに聞かれた。なんか男子高校生っぽい話しだ。
「どこまでって・・・キスまで?」
うん。キスまでだな。それ以上は高校生の時にはしない。というか二人でいるだけで色々楽しいからな。何と言っても趣味が同じというのは気楽でいい。そもそも俺達は趣味の繋がりからだからな。
「すっげぇ!!あの飯島さんとキスしたんだろ?」
まぁ遥さん外見は良いからな。内面はがっつりオタクだけど。
「どっちからしたんだ?」
「どこに?」
頬に?口に?
「どこにって決まってるだろ。口にだよ」
んー・・・
「俺かな」
多分目の前でしたな。確かクリスマスの時にいたよな?
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「ねね。遥って鈴木君とどこまでしたの?」
ウィッグが被りやすいようにショートボブにした髪をパパっと洗って体を洗ってから湯船に浸かると、クラスメイトの子から聞かれた。
「キスまでだよ」
たまに一緒に昼寝してたりするけど、夜に一緒に寝たことはない。明け方まで一緒に会話しながらゲームとか原稿はしたことあるけど。
「その先はするの?」
「高校生ではしませーん」
学生の間はしない。流石に子供が出来たらまずいし!!お金は全然問題ないと思うけど。祐樹が高校生とはいえないぐらい稼いでる上に私もたまに手伝う原画で結構貰ってる。
「高校ではってことは、卒業したらヤっても良いってこと!?」
「祐樹ならいいかな」
うわ、マジ!?もうそこまで行ってんの?とクラスメイトの子が驚いている。
いや、私達は相当遅いと思うんだけど。どっちかというと一緒に趣味を楽しむのが第一だし。
ヤるヤらないの前に、漫画描いてるときに私達の子供が出来たらどんな子かな?とは話したことがある。
リンみたいに可愛くなるかな?とか遥斗みたいにカッコよくなるかな?と話した結果どっちにでもなれる中性的な子じゃない?ということで決着が付いた。
「まぁ私達は肉体関係を求めてるわけじゃないからね」




