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アナタの本当の姿は?  作者: kame
高校二年生
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【第79話】バレンタイン

「先輩!!受け取って下さい!!」


 女子の制服を着た人物が目の前で頭を下げつつ俺にチョコレートの箱を渡してきた。


 ・・・何してんの須藤君。わざわざこの日に須藤さんと入れ替わらなくてもいいだろ。

 頭をあげた須藤君は俺が呆れた顔で見ているのを見てペロッと舌を出した。可愛いけどさ。可愛いけど、あざとい。


「なんで今日入れ替わってんのさ」

「あー、先輩は分かる人でしたね。ちなみに姉からです」


 はい。どうぞ。といってチョコレートを渡してくれる。

 えーと、須藤さんの渡すチョコレートを須藤君が渡して回ってんの?


「準備までしてやっぱ恥ずかしい!!だそうです」


 告白するような子だし、バレンタインにチョコを渡すぐらい恥ずかしいとは思わないと思うんだけど。


「嘘です。風邪で寝込んでしまったんで変わりに渡してるだけです」

「本人に許可は?」

「貰ってません」


 にひひ。と意地悪そうな顔で笑う須藤君。


 ――ブブブ


 須藤君のスマホが鳴る。


「あっ姉さんからですね。はい。もしもし」

『幸平!!鈴木先輩に渡すチョコ持ってったでしょ!!私の制服もないし、私として行ったんでしょ!!』


 電話口から須藤さんの元気そうな声が聞こえてくる。家族ならではの砕けた言葉遣いだ。


「丁度今渡した」

『え゛!?』


 はい。先輩とスマホを渡してきた。


「風邪大丈夫?」

『えっ鈴木先輩!?だ、大丈夫ですっ!!』

「チョコありがとうね」

『い、いえ!!直接渡せなくてすみません』


 まぁ須藤君が勝手に持ってきたらしいからな・・・


「じゃぁ、お大事に」


 須藤君にスマホを返し、須藤君は何か話した後に電話を切った。


「そういやさ、なんで須藤さんは俺にチョコ渡す予定だったんだ?」

「まぁ日頃お世話になってるからじゃないですかね?」


 何かお世話したことあったっけ?



 *



「はい」


 遥さんからラッピングされたチョコを貰う。


「ありがとう」

「あ、あんたのために作ったんじゃないからねっ!!」

「なぜいまさらツンデレ・・・」

「ちょっと言ってみたかっただけー、それに今回は作ってないし、早々に諦めた!!」


 うん。怪我されるぐらいなら既製品でいいです。というか貰えるだけ嬉しいです。


「「「えっ・・・?」」」


 クラスメイトがこっちを見ている。そう。ここは放課後の教室。つまりはまだクラスメイトが残っているわけで、しかもバレンタインということで期待を持って残っていた男子達や相手に渡そうと残っていた女子達が多くいる。


「ちょ、ちょっといい?飯島さんと鈴木君ってチョコ渡すような関係なの!?」


 近くに居た女子が聞いてきた。


「え?あー、うん。そうだよ」


 もう遥さんもぶっちゃけた。

 俺達が付き合い始めて一年が経ったわけだし、そろそろ付き合っていることを言ってもいいんじゃないか。とは話していたことだ。出会いのエピソードなんて口裏をあわせておけばどうってことはないし。


「え?まじで鈴木!?」


 こんなのだよ!?とは言葉して言われないが、目では語っている。まぁ俺はもさい感じだからな。


「まぁ色々あったからね」

「あったな・・・」


 遥さん、いや遥斗と出会ったのはなんだっけ?確か夏の祭典で同じ本を取ろうとして手があったのが始めだったような気がする。


「いつから?」

「付き合い始めたのは一年生のクリスマスからかな?」

「大晦日じゃなかったか?」

「んーその辺だね」


 実際クリスマスに告白されて返答したのは冬の祭典の帰り道だったから、俺らは祝うことはしないけど記念日にするなら大晦日となるとは思う。


「うわっまじ?全然気が付かなかった」

「あーでも、言われてみれば二人の距離って近かった気がする」


 ぼそぼそと教室中から声が聞こえてくる。

 まぁ結構色んなイベントで一緒に動いたりはしてたからな。


「あたし的にはなんで今までバレなかったのかが不思議なぐらいなんだけど」


 早乙女さんが会話に入ってきた。手には幾つかの同じパッケージのチョコがある。


「はい。義理だけどチョコ」


 二人にどーぞ。と早乙女さんは俺と遥さんに渡してくれた。


「「ありがとう」」


「え?なに。あかりんは知ってたの!?」

「おう。よく二人で行動してるのも見てる」


 早乙女さんとは色んなイベントで会うからなぁ。オタクは現場被りしやすいからな。


「結構私もあかりんと遊ぶけど会ったこと無いよね!?」

「んー、あ、ないんじゃね?」


 一回だけあるな。この前のクリスマスで会いました。目の前でキスして見せつけたこともある。


「うわ、まじか・・・飯島さんは鈴木と付き合ってたのか・・・」

「だからか告白したのに断られたのは・・・」


 クラスメイトの男子達が撃沈している。

 いやここは、こんなもさいやつでも彼女がいるんだから俺でもとか思ってポジティブにいけよ。


「というわけで私は佑樹と付き合ってるからねー」


 俺の後ろから遥さんが抱きついてくる。教室では初めてだな。


「うわっ、恥じらいもないってことは相当抱きつき慣れてる!!」


 まぁ事あるごとに抱きつかれるからな。

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