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アナタの本当の姿は?  作者: kame
高校二年生
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【第78話】漫画家の先生

 わたしはエコバッグを肩にかけて、豪邸のインターホンを押す。

 インターホンの隣には表札があり、そこには『藤堂』とかかっている。そう。この豪邸は以前ツバサちゃんと真奈ちゃんを二人にした時に行った個展を開いていた有名漫画家の藤堂先生の自宅兼事務所の建物だ。

 わたしとしては豪邸だと思うんですけど、先生はまだ豪邸とはいえないとか言ってました。ゲストルームに離れまである邸宅なんですから豪邸でいいと思うんですけど。


『いらっしゃい。開けるよ』


 インターホンに付いたカメラでわたしだということを確認したのか、ガチャリと音を立てて鍵が開く。

 自動では・・・門は開かない。隣の小さな扉から入る。大きな門は車の時にあくけど、わざわざ人だけの場合に開ける必要はない。


 中に入ると数台停まっている車とまだまだ余裕のある駐車場が見える。あの車はアシスタントの人たちの車だ。先生の車は車庫の中にしまわれている欧州車だ。


 意外と近くにある本宅の玄関から入ると藤堂先生がいる。


「こんにちは」

「こんにちは。今日は晩御飯作ってくれるって言ってたっけ?」

「ん。ちゃんこ鍋をしようと思う」


 麺を入れてシメとしましょう。どうしてもわたし達の家族は行動する時間がずれるので中々鍋ってやりにくいんですよね。なので人がいる先生の家で結構鍋を作らせてもらっている。


「ちゃんこかーいいねー」

「ん。色々買ってきた」


 先生の家インスタントばかりで、材料何もないんです・・・



 *



「そういやリンちゃんってこの広告出てたよな」


 そういって藤堂先生が仕事部屋からあのモデルをした広告を持ってくる。


「何故持ってる」


 確かにこのあたりの新聞広告だけど、その広告着物屋の広告だからあまり男性は見ないと思うんですけど。


「あーおか、ごほん、参考資料にだな」


 ・・・いまおかずって言いかけました?広告の女の子をおかずにするのは高度過ぎませんかね。


「で、これリンちゃんだと思うんだが、こっちの子って・・・」

「ん。男の娘」


 気がつく人は気が付きますか。でも須藤姉弟は横に並べるとそっくりだから判断つかないような気がするんですよね。ということは先生に須藤さんを見せたら男と判断するのだろうか。少し気になるけど、ここに須藤さんを連れてくるわけにも行かないですから確認はおあずけですね。



 *



「そうそう。もうちょっと高めで」

「こんな感じ?」

「そうそう」


 藤堂先生の指示で声を調整してサンプルボイスを吹き込んでいく。


「次はこっちの男性で・・・渋めの声って出来る?」

「ん。ごほん。あーあー」

「おけ」


 同じ部屋に居るアシスタントの人達もこっちの方を見ている。結構何度もやってるんで慣れてると思うんですけどね。


「あっリンちゃんってこの前のイベントでいさみんに連れて行かれてた?」


 アシスタントの一人がこの前の冬の祭典でわたしが伊佐美さんに連れて行かれたことを聞いてきたから頷いておく。


「連れて行かれたって?」


 先生が興味持ったじゃないですか。


「えー、とちょっと待ってください。ツイート掘り当てるんで」


 少ししてからその人のパソコンで冬の祭典でわたしが伊佐美さんに連れて行かれる画像のツイートが出て来る。皆さんネットリテラシー低くないですかね。わたし写真撮影の許可も投稿の許可もした覚え無いんですけど。


「おーリンちゃんだ」


 まぁこの時は完全にリン仕様でしたからね。


「でこっちは声優の伊佐美さんか。会ったことあるな」


 確か先生のアニメにも出てましたよね。


「リンちゃん。伊佐美さんと知り合いなのか?」

「ん。姉さん繋がり」


 先生とも姉さんから繋がってるんで、伊佐美さんとも知り合いですよ。


「んー・・・鈴木さんの妹で、伊佐美さんと知り合いで、この声で・・・」


 ん?先生は何か引っかかる所でもあるんでしょうか?


 ――ガッ


 先生がいきなりわたしの肩を掴んできた。


「リンちゃんってもしかして悠里さんと知り合い!?」


 おしいっ。

 声までいったなら当ててほしかった。


「あっ」


 渡辺さんが何かに気がついたのか、無言でわたしを写真を撮ってパソコンに読み込んで何かを描き足していく。


「やっぱりそうだ!!リンちゃんが悠里ちゃんだ!!」


 ぐるっとパソコンのモニタをこっちに向けて渡辺さんはびしっとわたしに向かって指を指してきた。

 パソコンのモニタには、今撮ったわたしの写真にロングの髪が追加され、その横にはアングルは違うが悠里としてステージに立った時の写真が比較されるように表示されている。


「ぴんぽん」

「なんで言ってくれないんだぁぁぁぁ」


 ぐわんぐわんと先生がわたしを揺らす。こうなることが分かっていたから言わなかったんです!!

 先生は悠里好きを公言してるんで面倒臭そうだったんですよ!!



 *



「ねぇリンちゃん。声優の仕事受けてくれない?」

「時間があわない」


 わたし学生なんで、平日の朝からの収録には参加できないんですよ。芸能人学校でもない公立高校ですし。仕事のために休むなんて出来ませんから。



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