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アナタの本当の姿は?  作者: kame
高校二年生
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【第67話】イベント

「寒い」


 わたしは羽織ったダッフルコートのポケットに手を入れて遥斗の横を歩く。頭はウィッグのおかげかそこまで寒くはないけど、足が特に寒い。もう少しデニールの高いタイツを履くべきだった。ちょっと気温読み間違えた。


「寒いならスカートやめればいいのに」


 俺は裏ボア付きで温いぞーと遥斗がいう。それは分かってる。わたしだって素のズボンで遥斗と同じの持ってるからそれが温いことは分かってる。


「オシャレは我慢」

「まぁそれはそうなんだけど、我慢して体壊しても不味いからな」

「ん。気をつけてる」


 病気にはなりたくないから、結構気は使ってますよ? 流石に原因が女装で体冷えたからだなんて言えませんから。


「あっ、はるさーん、すずっちーこっちこっち」


 そう言ってわたし達を呼んだのは早乙女さん。今日の予定は早乙女さんの知り合いが主催のイベントへの参加だ。

 中規模のイベントで遥斗が申し込みしてから主催者が早乙女さんの知り合いだと知った。


「それにしても二人共BLオンリーだけど問題ないの?」

「全然」「無問題」


 わたし達むしろBLを描いている側ですよ。わたしが描いているわけではありませんがね!!一緒に考えたりはしています。

 というか今回BLオンリーイベントにサークル参加なのでBL描いてますよ。


「それもそっか」



 *



「うぇっ・・・なんで先生のサークルの隣なのか」


 会場に付いて宅配で送っておいた本を手にブースまでやってくると隣に担任である華岡先生がいた。先生は変装もせずに堂々とサークル参加だ。

 わたし達みたいに見た目の性別を変えたり、早乙女さんみたいにガラリと雰囲気を変えていたりということはしていない。


「あっ隣のブースの方ですか?今日はよろしくお願いします」

「こちらこそお願いします」


 ひとまず重いダンボールをおいて華岡先生に挨拶をされたから返しておく。声だって違うわけで、そうそうバレないはずです。


「あれ?飯島さん?」


 あっ遥斗は一度文化祭で遥斗の姿を晒していたんだった。


「俺は飯島ですけど、お会いしたことありましたか?」


 あくまで他人で押し通すらしい。遥斗は声は出していなかったはずなので、これで・・・


「あっ、すみません。似ていたので知り合いと間違えました」


 声の影響って大きいですからね。遥斗は冷や汗かいてますけど。

 スマホで遥斗と早乙女さんに学校の話はアウトと送っておく。気が付かれるかもしれないですからね。


 先生と遥斗の間にわたしが陣取る。どちらかというとわたしの方が姿を晒していない分近づいても問題ないはず。流石に担任にこれをバレるわけにはいかない。


「あっこれうちの新刊なんですけど、よかったらどうぞ」

「ありがとうございます。こちらの新刊もどうぞ」


 先生の方から新刊をもらい。こっちの新刊を渡す。今までのイベント参加で何度もやってきたことだ。


「ん?」


 わたしは先生から貰った本の端に書かれているR18のマークを見る。

 今回のイベントR18だろうが島は別れていないらしい。


「すみません。わたし達まだ17歳なので」

「あっそうなんですか!?すみません。あーでも黙っていればバレませんよ」


 それは教職の言うことですかね。


「でも、受け取れないのでお返しします。うちの本は貰って下さい」


 流石に色々まずいのでお返しします。



 *



「ありがとうごさいます!!」


 わたし達のサークルの本はこれで残り二冊。帰りは宅配便を使う必要はなさそう。隣の先生の本は・・・結構残ってますね。R18なのではやめになくなると思ってましたが。意外と遥斗の全年齢版のほうが需要があるんですかね?


「せーんぱい!!こんにちは!!」


 おろ?ツバサちゃん今日は遅かったですね。あと今日はコスプレじゃないし、性別通りの服装。ウィッグもしてない。


「ちょっと今日は用事があって遅くなったんです。本残ってますか?」

「あるよ」


 遥斗は始めに確保しておいたツバサちゃんの分を取り出した。今回は印刷所から直接会場に宅配にしたから、先に欲しいと言ってくれた知り合い用に何冊かは確保してある。


「わぁ!!ありがとうごさいます!!」



 ――バサバサバサ


「え?」


 隣から本の雪崩の音が聞こえた。


「あっすみません」


 先生のサークルだ。拾うのを手伝う。助け合いは大事ですよね。


「えっと貴方うちの高校の生徒?」

「へ?」


 どうやら先生はツバサちゃんをみて驚いて山を崩してしまった様子。

 あとどの高校か言わないと伝わりませんよ。


「あっあー学校でみたことあります!!」


 ツバサちゃんが先生をみて思い出したのか言った。そしてツバサちゃんは密かに顔をひきつらせている。BL本買いに来ていることを教師にはバレたくなかったんだろう。救いは女装していないことだろうか。

 ツバサちゃんがちらっとわたしの方を見たから首を横に振っておく。先生はわたし達のことは知らないです。


「えーと確かレクリエーションで居た二年の先生ですよね?」

「え、えぇ」


 ――パンッ


 先生が手を顔の前で勢い良く合わせた。


「お願い!!私がBL漫画描いてること学校で言わないで!!

 できれば今日ここであってないということに!!」

「え?あっ、はい。僕の方もここで会ってないということで」

「了解ですっ」


 先生はびしっと敬礼。あと、本どう?と渡している。先生の本R18でしょうに。まだツバサちゃん年齢達してないです。

 教師としてそれでいいんですか?

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