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アナタの本当の姿は?  作者: kame
高校二年生
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【第60話】2年目の文化祭2

「さぁさぁやってきました。演劇主役決めオーディション!!」


 うちのクラスの男子実行委員がマイクに見立てたペンに向かって喋る。テンション高いな。


 ロングホームルームで行われる演劇の主役決めオーディションだ。

 今回の参加者は既に担当が決まっている人を除いた未配役の人たちによる女装男装のオーディションになる。つまりは俺と遥さんは既に背景担当だから外れているのと、早乙女さんも音響担当として対象から外れている。

 担当が決まっている人は教室の後ろに下げた机と椅子の上に座ったり、床に直接座ったりして話している。


「結局さ、これ両方男子でもいいわけじゃない?」


 遥さんがさらさらと今回の演劇の絵コンテを描きながら言う。

 なんで遥さんが絵コンテ描いているのかは知らないけど、男女でやる必要はないよなぁ。問題は特徴的なシーンをどうするかだし。

 俺は持ってきたノートパソコンで『YOUの名前は。』を流して、どんなストーリーだったかなぁと見返している。DVDは事務所にあったのを借りてきた。


「エントリーナンバー1!!岡崎!!」


 あぁ・・・アカネ君か。ガラッと教室の扉をあけて入ってきたのは少し地味めの女子だ。服装は、数人の女子が提供した女子の制服だ。まぁスカートだけだけど。俺も制服を持ってることを知られているから、貸してと言われて持ってきた。姉さんのなんだけど。

 ブラウスがあればよかったんだけど、流石に人数分用意できないから、そこは妥協だ。


 髪はアカネ君の長めの髪にエクステを追加している。それ付けなかったらまだ男子だったんじゃね?エクステとかウィッグは先生はどこからか手に入れてきた奴だけど。


「地味すぎるよな」


 あぁ声はアカネ君だ。たまにライブで会う時と全く違うが、まぁ主役なんてやりたくないよな。俺だって地味めにして選ばれないようにするし。


「普通に女子だが、地味すぎるな。脇役だったらいけると思うが」


 ――パシャパシャ


 ・・・先生。何写真撮ってるんですかね。


「ぐふふ」


 この先生もうダメだ。

 アカネ君は終わった終わったと俺達に合流した。えっと、着替えなくていいのか?そんなにスカートの数がなかったと思うんだが。


「ナギサ姉さんに貸してもらったから」


 あぁ、ナギサさんのか。

 あの人もここ出身だったのか・・・


「メイクなし?」

「まぁ主役やりたくないんで」


 遥さんがぼそっと聞いて同じようにアカネ君も小さな声で答える。


「じゃぁ次ー女子だなー」


 男女交互にするらしい。

 男装した女子が入ってくる。あぁ、胸が大きくて男子役は無理かな。


「くっ」


 遥さんはこんな所でショック受けないでほしい。



 *



 意外とノリノリだったクラスメイトの男装女装のオーディションは無事終了し、今はクラス全員での多数決中だ。

 先生の撮っていた写真を俺のパソコンで表示して教室のプロジェクターで投影して投票をしている。このノートパソコンには見られたらまずい物は・・・メールボックスがまずいな。仕事関連のメールも結構ある。一応ログインユーザーはゲストに変えておいたけど。


 文化祭の実行委員の二人が集計して・・・


「じゃぁ片山と守山で決定な。二人共よろしくー」


 色々見ていった結果、この二人になった。木の役から大躍進だな片山君。


「こんなはずじゃなかった・・・」


 orzとスカート姿で落ち込む片山君。トランクスが丸見えですが。なんでまだ着替えないんだろうか。

 守山さんもはぁ・・・とため息を吐いている。演劇部の方は問題ないのだろうか。


「飯島さん。コンテの方どう?」

「こんな感じ?」


 守山さんが、絵コンテの進み具合を聞いて来た。遥さんはナンバリングを直してから守山さんに渡す。


「早っ!!」


 オーディションと投票の間に遥さんが描いていた絵コンテは八割方完了している模様。遥さん速筆だからなぁ。大筋が決まっていたら描くのは早い。

 今回は原作というのがあるし、30分程度にまとめるだけでいいから簡単なものだ。


「うちの演劇部でもこんな速度で描く人いないよ・・・」


 というか遥さんは描くのが専門だからな。



 *



 練習が始まったものの、声が・・・姿は結構メイクでどうにでもなるんだが、声がなぁ・・・


「すずっちすずっち」

「ん?」

「一回すずっちがこの台詞言ってみて」


 早乙女さんから台本を渡されて・・・ふむ。


「俺達、入れ替わってる!?

 私達、入れ替わってる!?」


 こんな感じ?片山くんと守山さんの声をコピーしてみた・・・ん・・・だけ・・・ど・・・

 なぜ教室中の視線がこっちに向いているのでしょうか。


「そりゃそこまでコピーしたら驚かれるに決まってるし」


 俺の横で背景画の大まかな下書きをしていた遥さんがぼそりと呟いた。


「今の鈴木君!?」「まじ!?」「そっくりだったんだけど!?」


 教室中がざわつく。早乙女さんが計画通りとばかりにニヤリと笑った。俺が職業病でこういった台詞を言う時に声変えると思って頼んできたな!!


「その声を二人に仕込めない?」

「はいはい」


 チクショウ、仕事が増えた。



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