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アナタの本当の姿は?  作者: kame
高校一年生
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【第6話】福袋

狙いは化粧品。

安く良いものを。とわたしは開店待ちをしている。

隣には遥斗じゃなくて遥さん。

今日は同じ化粧品狙いだ。

流石に男装で化粧品は買い辛いとのこと。わたしも買いにくいからリンだけど。


「リンは何欲しいの?」

「アイシャドー」


少しだけ大人メイクも試してみたい。

あと化粧水。まだあるけど予備が欲しい。


「遥さんは?」

「化粧品の後は服!!というわけでリンも一緒に服行こう!!」


なにがという訳なのか知らないけど、行くのはおーけー。


「開店でーす」


さぁ戦場へ!!





「ふぅ」


勝った!!

安く化粧品が手に入ってわたしは満足。

遥さんも満足そうな顔をして一緒にフードコートで一休憩している。


「で服?」

「そうそう。福袋とか買わない?」


福袋ねぇ・・・当たりハズレが怖いんだよね。


「最近は中身オープンだったりして、ハズレは少ないと思うけど」


そうなの!?わたし基本的に福袋はハズレだと思ってるから・・・


「まぁハズレも間違いじゃないけどね」


なんでコンセプトが真逆のアイテムが入っていたりするのか・・・と今までの福袋を思い出しているのか遥さんは遠い目をした。



===>



リンをショップに誘ってやってきた。


「リンって今までどうやって服買ってたの?」

「ん?普通にショップで」


リンってどうやって服買ってるんだろうと地味に気になって聞いてみると、普通にショップだった。

だいたい女装する人とかはネットでの購入が主だと思うんだけど。私も基本的にネットショップで買ってるし。


「ちょっと試着してくる」


といってリンはパンツをもって試着室に入っていった。

あれ?リンがパンツ?珍しい。

で、私が待っているとリンが試着室から出てきた。


「ん。どう?」


といって腰を軽く振ったリン。

で、つい女装漫画を描く上で色々気になってしまう股間部分に視線が


「あれっ?」


ない!?リンは男のはずなのに股間にあれが見当たらない!?

そんな私の目線に気がついたリンが想像通りとニヤリと笑って私に教えてくれた。


「隠してるだけでちゃんとある」


だから普通にショップに行っても絶望的に胸がないだけの女子で通る。とリンは胸を張った。

知っててもリンが男だと思えないぐらい普通に女子だ・・・


「まぁパンツはあまり好きじゃない」


折角スカートはいても違和感ない容姿なのに勿体無い。とリンはまた着替えに行った。

言葉だけなら変態なのに、リンを見ると納得してしまった。


「遥さんも服選べば?」


おっと、すっかり私の目的忘れてた!!



<===



遥さんとファッションショー。

やっぱりちゃんとした女子の遥さんのほうが可愛い。

何故か途中から入ってきた店員さんはわたしの方を多めに褒めるけど。


とりあえずわたしが欲しいのはレディースのコート。

今は両方で使いまわしているダウンコートだからリン専用の薄手の奴が欲しい。


服の置き場は家族公認のこともあって困ってないし、姉から服の供給だってある。

たまに姉がわたしの服を借りていくこともある。弟の服を借りることに大して全く抵抗がないのも・・・無いものかな?


あっ、このコートいいな。





「じゃーお披露目といこーか」


まさか今日遥さんの部屋に来るとは思ってなかった。

彼氏が彼女の部屋に来ているシチュエーションだけど・・・わたし多分普通に女友達扱いされてる気がする。

気負いもなく来る?とか言ってきたし。

片付けはされているけど、まだ冬の祭典で手に入れた同人誌が積み上げられている。なんか既視感ある。


遥さんの部屋に来た理由は福袋をそれぞれで買って、お披露目を遥さんの部屋でやることになったからだ。

両親はサービス業で出勤らしい。お勤めご苦労様です。

さらっと梨花ちゃんも部屋にいるけど、まぁ可愛いしわたしのこと知ってるしオーケー。


「ファーもこもこー」


うーん肌触り最高!!と遥さんは開けた福袋から取り出したファーマフラーに頬ずりしている。


「こっちも入ってた」


わたしも同じようなマフラーを取り出す。

違うお店の奴だけど似てる。


「んー肌触りは変わらないね」

「確かに」


素材が一緒なのかな?

横で見ていた梨花ちゃんにかけてあげる。気持ちいいーという顔をして垂れた。

そんなに気持ちいいのかな?


「あとは全部トップス」


毛糸系から春まで着れそうな薄手のものまで取り揃えてる。


「あっ、これ可愛い!!」


遥さんが興味をもったのは肩がレースになっている服だ。


「いるならあげる」

「えっ?」


いや、あってもわたし着ないし。


「肩見せはちょっと・・・」


華奢といってもわたしは男だから肩を見せると少しごついのが分かってしまうかもしれない。


「あー・・・一度着てみてよ」


ここなら誰も来ないし。と遥さんはわたしに押し付けてくる。

一度ぐらいなら、まぁいいか。と、わたしは服を脱ぐ。


「あっ!?ちょっ!?」


あっ・・・普通に脱いじゃった。

上だけ脱いで、タンクトップ姿だ。

遥さんが声をあげたが、その後は口を開けて呆然としていた。


「どうした?」

「リンお姉ちゃん肌キレー!!」


梨花ちゃんがすべすべーとタンクトップから出ているわたしの肌を触ってくる。

まぁ結構気を使ってますし?


「なんで私よりきめ細かいのか!!」


えーと、日頃のスキンケアですかね?



===>



負けた・・・負けた・・・男に肌で負けた・・・

ちょっと勇気を出してリン状態だけど彼氏を部屋に連れ込んで見たけど、まさか肌でショック受けるとは思わなかった。


「えっと、気を落とさないで?」


それっぽく福袋に入っていた春の薄いTシャツとレースの服を合わせたリンが私を慰めてくれるが、その似合いようにも私は肩を落としてしまう。

軽く合わせただけなのに何この可愛さ・・・


「えーと・・・遥さんに合うかわからないけど、スキンケアなら教えるから」


ちょっとぐさっと私の女心に突き刺さ・・・思ったより刺さらないわ。

これだけ可愛いリンに言われても突き刺さらなかったわ。


「お願いします・・・」


彼氏にスキンケアを教えて貰おう・・・

福袋は買いましたでしょうか?

自分は買ってません。一度着てみないと合わないかもしれないので・・・

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