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アナタの本当の姿は?  作者: kame
高校二年生
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【第55話】夏休み2

「お母さん!?」


 遥さんが声をあげた。わたしは固まったまま動けない。

 梨花ちゃんもえっ?もうっ?とお母さんの方を凝視している。


「あらーやっぱりリンちゃんが遥の彼氏さんなのねー」


 そんな簡単にバレますか!?


「なん・・・で・・・」


 本当になんでバレたのか分からない!!


「遥に同類の彼氏が出来たのは聞いていたし、遥が目の前で漫画描けるような友達は今まで居なかったから、もしかしたらなぁーとは思ってカマかけしたんだけどやっぱりね」


 わたしたちはカマかけに思い切り引っかかった形ですか。


「すみません。本当は鈴木祐樹といいます」


 まぁバレたならしかたない。正直に名乗っておく。声も地声で。女装する彼氏というのはあまり知られたくなかったんですが。


「んん~なんか違和感バリバリだからいつも通りでいいよ」


 あぁ、はい。リンの姿で地声は違和感ありますよね。


「可愛らしい彼氏よねー」


 んーこんな息子も欲しかったーとお母さんがわたしの全身を見る。

 そしてネタ来たぁぁと小さくガッツポーズしている。


「えっと」


 女装のことは何も言われない感じでしょうか。


「あぁ、遥のことこれからもよろしくね」


 じゃぁ、あとはお若い人達でー私は絵を描くっ!!と出て行った。


「えっと・・・女装にはツッコミなし?」

「みたいだね」


 私の男装で慣れてるからじゃないかなぁ・・・と遥さん。

 なよなよした男にうちの娘はやらんとか言われる覚悟はしてたんだけど。

 あっ、でもこの台詞はお父さんが言う台詞か。



 *



「ん?」


 イラストサイト巡回しているとお気に入り登録してあるユーザーから絵があがったと通知が入った。

 あぁ、この人か久しぶりだ・・・な・・・ぁ・・・

 ちょっ!?


 俺は遥さんにイラストサイトのURLを送信。いまだに原稿やっているであろう遥さんは即既読が付く。この即既読は多分またソシャゲやってたな。


 ――ブブブ


 返信が返ってきた。


『お母さんとっちめてくる!!』


 ファイトとスタンプを送っておく。


 俺の記憶違いでなければこの更新されたアカウントは遥さんのお母さんのアカウントだったはず。昔、イベントのサンプルをあげていたのをみてお気に入りした記憶がある。

 そしてこの更新されたイラスト・・・タイトルが『娘の恋人が男の娘な件』で構図がこの前の遥さんの部屋での構図。髪の長さは違うし、顔立ちも違うけど、これは俺達を描いてると思う。



 ===>



「お母さん!!これ何!!」


 今日は仕事が休みでリビングにいたお母さんに部屋から持ってきたタブレットを見せる。タブレットには鈴木君から送られてきたお母さんの投稿したイラストページを開いている。私もお母さんのサークルのお手伝いをしていたこともあって、お母さんのアカウントは把握している。


「あっバレた?」


 悪びれもせずにっ!!


「公開する場合、モデルには一声かけるでしょ!!」


 私達なにも聞いてない!!私だってリンは描くけど公開はしてないし!!

 髪型いじったり、服を変えたり、私の部屋に積み上がっている同人誌が消されたりはしてるけど、これ完全にこの前の!!


「ごめんって~、創作意欲がどんどん湧いてきちゃって、押さえられなくなったのよー」


 そういってお母さんはコピー誌をリビングにあるプリンターから取り出して渡してきた。

 まだあたたかい。刷り立て・・・?


 渡されたからにはペラペラとめくって・・・


「っ!?」


 リンがモデルだと思われる男の娘が女子に押し倒されている創作百合?の漫画だった。

 服ははだけ、馬乗りになった女子に無理矢理唇をあわせられ、舌をねじ込まれて・・・ってこれR18指定モノでしょ!?正直R18作品は見たことはあるけど、まだ私17歳!!

 コピー誌はリビングの机の上に置く。本当は叩きつけたいところだったけど、同じ絵描きとして描いた絵をぞんざいには扱えない。


「流石にこれは配布しないわよ」


 したら通報とアカウント乗っ取って投稿削除してやる!!お母さんのパスワードは2,3パターンの使い回しだからどれかで入れるはず。

 あとはお母さんのパソコンにアクセスして元データを圧縮暗号化すれば完璧。家のパソコンは私が設定しているから管理者権限は私なんだから!!


「お姉ちゃん、お母さんなに騒いでるの?」


 梨花がリビングに入ってきた。元々は私の部屋でエアコンで涼みながら夏休みの宿題と一緒にソシャゲやってた。


「お母さんがね、私とリンの絵を描いてアップしたの!!」


 しかもモデルに断りもなしに!!と梨花に言う。


「ふーん」


 梨花は机の上に今さっきおいたコピー誌を手にとってペラペラと・・・


「「あっ」」


 梨花ちょっと読むのストップ!!それR18だからっ!!

 私とお母さんが梨花の手からコピー誌を取り上げようと手を伸ばしたが、梨花はスルッと避けて次のページへ。


「・・・お母さん。まだあまい」


 梨花・・・サ・・・ン・・・?


「お父さんのこれくらいは攻めないと」


 といって梨花はリビングのソファーのクッションを持ち上げて・・・そこからはエロゲーが・・・え?それお父さんの?というかお父さんリビングになんてもの隠してくれてんの?

 お母さんも知らなかったのか大量に詰め込まれているエロゲーを見て目を白黒させている。


「全然下半身が描かれてな「梨花?」・・・何?お姉ちゃん」

「エロゲーしてるの?」

「あっ」


 梨花があっやべっ、と顔を逸らす。いそいそとソファーのクッションを元に戻してその上に座った。


「隠せてないからっ!!」



<===


 返信こねぇなぁ・・・


 ――ブブブ


 電話だ。


「はい」

『梨花がエロゲやってて家族会議になった』


 何がどうしてそうなった?

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