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アナタの本当の姿は?  作者: kame
高校二年生
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【第53話】レコーディング

「わぁーこれがスタジオなんだ!!」


 柊さんが遥さんにすごいすごいっと興奮した様子で言っている。

 それに対する遥さんは落ち着いている。まぁ何度か来たことがあるからな。

 俺?俺はもうねぇ・・・慣れすぎて、今さっき危うくビルの入口でセキュリティをいつものようにカードキーで抜けようとしてた。


 結局3人はCDデビューの件を受け、今日がレコーディングの日だ。

 今日は俺達のレコーディングだけだから声優はいない。ジャケットは遥さんの描いたイラストが採用される予定になっている。


「そういや鈴木だけ悠里さんにあってないんだっけか?」


 悠里本人だから絶対に会うことはないがな。

 だな。と軽く回答しておく。


 スタジオまで案内してくれた事務の人が部屋から出ていくと代わりに社長が入ってきた。


「ごめんね。ちょっと今別のところで技術スタッフが捕まっててこっちに来るのが遅くなってるから、適当に寛いで居てもらったらいいから」


 それとも練習しとく?と言ってきた。

 俺以外の3人は初めてのスタジオでの収録だからか先に練習しておきたいと返す。俺?俺はもう慣れっこだから。


「それとえっと、リ、あっと鈴木君。ちょっと来てもらっていいかな?」

「はい?」


 なんだか社長に呼び出された。あと今リンって言おうとしましたよね。結構ギリギリで耐えたみたいですけど。

 あっ、3人は練習してて。



 *



「リンちゃんでいいんだよな?」

「そう」


 社長室に連れて行かれて、社長に聞かれた。リンの声で返す。

 なんですか、前に教えましたよね。残り一人が自分だって。


「完全に別人だろ・・・」


 よく言われます。


「それだけ?」

「リンちゃんのもそうなんだが、あの二人って前のときと性別逆じゃないか?」


 確か前説明するために来てもらったときもあの二人性別入れ替わってましたね。


「いまのが素。俺を見てるのに何を今更」


 社長が顔を顰める。


「なんか俺って話されるのが違和感あるなぁ・・・」


 俺の一人称で顔顰めていたんですか。


「少なくとも素のときの一人称は俺ですから」

「まじでリンちゃんと繋がらない!!」


 そうは言われても・・・眼鏡外したら良いですかね。前、眼鏡外してツバサちゃんがリンだと気がついたようですし。

 眼鏡を外した顔を見て社長は・・・


「あー、確かにリンちゃんだわ」


 信じてもらえたようで何よりです。



 *



『~~~』


 最後の一人である近藤が歌っているのを視界に入れながら冷凍庫から取り出した前に持ってきて入れておいたアイスを食べる。棒アイスだから柊さんと遥さんにも渡してある。

 柊さんは勝手に良いの?といった顔をされたけど、社長にオッケー貰ってるとは言っておいた。貰ってないけどね。実際は俺のだし。箱にリンと書いてあったのは柊さんに見えないように頑張って隠した。


「はい。オッケー!!」


 今回のCDのプロデューサーがオーケーを出す。ここからは音を重ねたりする編集だ。

 作業を進めている編集担当の人の手が止まった。ん?あの人が止まるなんて珍しい。処理中ってわけでもなさそうだし・・・

 一度顔を手で覆ってそのまま天井を仰ぎ見てから息を吐くと、こっちにやってきた。


「乙女さん連れてこれない?」

「は?」


 急に何かと思ったら、早乙女さんと呼べないかという相談だった。

 あー、何と言ったら良いかな。とポリポリと担当者が頭をかきながら言葉を続ける。


「どうにも俺のミックスだと納得できなくてな・・・あの動画をミックスした乙女さんに何か聞ければと思ったんだが・・・」


 あの動画のミックスは最高だった。と編集者さん。

 いや、早乙女さん有名ボカロPですけど、高校生ですよ!?


「技術には年齢は関係ない!!」


 だから頼む乙女さんを呼べるなら呼んでくれと頭を下げられた。



 *



「どーも。おはようございまーす」


 早乙女さんがスタジオに来た。来れるなら・・・といった感じだったが意外と直ぐに来た。家近かったんだっけ?


「君が乙女さんか!!俺はこういうもので編集担当をさせてもらってるんだが・・・どうにもしっくり来なくてな・・・」


 そういって、早乙女さんに名刺を渡すと、来て早々の早乙女さんを編集をしているパソコンの前まで連れて行く。


「今日録ったんですよね?早くないですか?」


 プロですから。と言っているけど、あなたうちにいる編集陣の中でも早いと有名な人ですからね。

 あと言っておくが、早乙女さんも作業が早い。録って次の日には編集終わっていたという作業時間だったし。


「あー、そこのパートですか。それは私も考えました。そのまま乗っけても全然問題ないんですけど、やっぱり音を重ねたほうがインパクトがあるんで」

「だよなー。ただ重ねるとしてもチグハグ感がなぁ・・・」

「ならこのパートを切って少しいじってやって・・・」


 おぉっ!!と二人して盛り上がっている。


「さらっと早乙女さん混じっちゃったね」

「あはは。確かに」



 *



「ぜひ、うちの編集部門に!!」


 帰り際、早乙女さんが編集部門の部長に勧誘されてた。途中からこの部長も合流して意見交換をしながら編集をしていた。意気投合具合から相当早乙女さんは気に入られたんだと思う。


「はい。就職先として考えてみます」

「よろしくね!!」


 まだ俺ら高校2年生なんだが、ツバつけるの早くね?一応早乙女さんも大学行くつもりとは前聞いてるし。


「スタジオって凄かったね」

「あそこでアニメのアテレコもしてるからな」


 機材は相当豊富に揃っている。貸しスタジオなんか目じゃない。俺も最初の方は色々ある機材に目を光らせてみていたものだ。


「へー、あそこで・・・」

「悠里さんも録ってるんだ」


 録ってるな。しかも今日も録ってたな。

 遥さんと早乙女さんは顔をそらして笑うの止めてもらえませんか、肩が震えて笑っているのはバレバレなんで。

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