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アナタの本当の姿は?  作者: kame
高校二年生
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【第48話】双子2

「須藤君。今日は調子いいな」


 須藤さんの収録の様子を見ながら監督がうんうんと頷いている。まぁ監督の求める女の子っぽい声というのは女子である須藤さんの方が出しやすいと思うけど。


「はい。オッケー!!」


 一発オーケーが出て、須藤さんがスタジオ横のスペースに戻ってくる。

 次わたしだ。わたしは定位置になっている椅子から立ち上がる。


「お疲れ様ー今日須藤君の収録分は終わりだから帰ってもらってもオーケー」


 監督が帰ってOKと須藤さんに伝えるが、


「声優の勉強のために見ていこうと思いますが、いいですか?」

「おっ勉強熱心だね。いいよ。リンちゃーん次よろしくー」

「ん」



 *



「リンさんこのあと時間ありますか?」


 わたしの収録が終わり、端に置かれている冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して飲んでいると須藤さんから声をかけられた。


「ん。この後は帰るだけ」

「じゃぁ少しだけ時間良いですか?」

「ん」


 別に断る理由はないしオーケー。



 *



「悠里のサインください!!」


 ・・・そういうことでしたか。

 須藤さんがカバンから取り出した色紙とペンをわたしに差し出しながら頭を下げてきた。

 うん。サインはいいよ。前まではなかったけど遥さんと一緒に、いや遥さんが主体で悠里のサインは作ったからちゃんとある。


「名前は?」

「未來でお願いします!!」


 うん?もう隠すつもりがないのか、それとも家族を装うのかどっちですか?

 あと漢字は知らないからカタカナで書きますよ?某ボーカロイドの名前みたくなっちゃうけどいい?


「誰の名前?」

「わたっ姉さんの名前です!!」


 いま私のって言いかけたよね。他に人がいなくてよかったですね。

 さらさらとサインを書く。そういやわたしが頼まれて書くサインはこれが二度目かもしれない。

 一度遥斗がうちに来てお願いしますっ!!と色紙を持ってきたのが一度目だ。そのときわたし男の姿だったんですけどね。


 書き終わった色紙を須藤さんに返すと、


「ありがとうございますっ!!」


 物凄く頭を下げられた。そんなに振ったらウィッグずれるよ?



 *



「リンちゃんいらっしゃい」

「こんにちは。いつものお願い」

「はーい」


 事務所から出て収録終わりに結構な頻度で来るクレープ屋に来た。この前須藤姉弟と来たクレープ屋だ。

 もう常連で顔どころか名前も覚えられていて、いつも頼むのが決まっているから「いつもの」で注文が出来る。内容はこの前頼んだ”いちごスペシャルホイップクリーム多めトッピングにシナモンパウダーとキャラメルソース”だ。値段も変わらないから先に小銭を用意していたりする。


「須藤さんは?」

「バナナホイップクリーム多めトッピングにチョコアイスで」


 一緒で。とクレープ2枚分のお金をいつものクレープ屋のお姉さんに渡す。

 須藤さんは別にお金出さなくてもいいですよ。ちょっとぐらい先輩面させてください。


「いいんですか?」

「いい」


 クレープ程度で財布が軽くなることはない。クレープが出来上がり、受け取りと椅子に座って一口


「うま」

「しあわせ・・・」


 うん。いつも通り美味しい。

 須藤さんもクレープを口に含んで幸せという顔になっているというか口に出ていた。もう声が地声に戻ってますよ。



「おっリン。やほ」


 道の方から声をかけられてみてみると遥斗と・・・須藤君?え?その二人で面識あったの?



 ===>



 リンは仕事だし、原稿の息抜きに遥斗でチケットがアカネちゃん経由で手に入れやすいパロメロのライブに行くと須藤君がいた。

 遥斗としては面識が一切ないからかかわらないようにしていたんだが・・・


「お願いしますっ!!振って下さい!!」


 なぜかサイリウムを渡された。いや、俺自前のがあるんだけど。まぁいっか貰ったし振っておこう。アカネちゃんのイメージカラーだしね。


「はいっ!!はいっ!!」


 おぉう・・・須藤君ヲタ芸するのか。じゃぁ俺もやるか。というか今日はするつもりでジャージだし!!


 *


「お疲れ様でした」

「おつかれー」


 ライブが終わって持ってきていたタオルで汗を拭いていると、須藤君から声をかけられた。

 学校ではあってないように装ってと。


「いやー、仕事を姉に変わってもらって良かったです」


 チケットを取れたは良いけどブッキングするなんて思ってもみませんでした。と須藤君。え?声優の仕事の方未來ちゃんが行ってんの?


「仕事はちゃんとしろよ」

「だって、最近また倍率があがったパロメロのライブですよ!?来ないと!!仕事の方が後から決まりましたし!!」


 僕の推しはアカネちゃんです!!と力説された。そのアカネちゃんが男でうちの学校でもさい男子してるって知ったらどうなるだろうか。言わないけど。

 まぁ俺は出演者から関係者用のチケットを定価で手に入れてるけど普通に買うとなると結構倍率高いからな。仕事を休んでもライブに来たいのは分かる。


 二人でパロメロのライブについて語りながらライブ会場から出て道を歩いていると、この前学校帰りに入ったクレープ屋で見知った後ろ姿が見えた。


「おっリン。やほ」


 おっとぉ、リンと一緒にいるのは須藤君姿の未來ちゃんだ。



<===



 両方男姿の須藤姉弟がいまわたし達の目の前にいる。

 そして無言だ。どう話すか迷ってるんだろうけど・・・


「知ってた」


 姉弟で入れ替わってるの。と伝えると二人してわたしを見て、


「気が付いてたんですか!?」

「ん」


 自信あったのにと須藤さんは言う。まぁわたし達は君達がよく入れ替わっているのを本人から聞いているから気がついただけだけどね。

 両方知ってても気が付かないレベルだとは思うよ。ちょっとわたし達の目が肥えてるだけでね。



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