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アナタの本当の姿は?  作者: kame
高校二年生
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【第31話】レクリエーション3

「おぉっ」


 カレーの片付けをしてから、一度部屋に戻って、カバンに一応マシュマロとか詰めてから野外広場に行くと既に広場の中央に置かれている木組みのは火が付き、周りには他の班も集まっている。


「キャンプファイアーだったね」

「だな」


 遥さんの予想的中ってとこかな。

 ところでマシュマロ焼いてもいいですか?そんなに近付けなかったら持ってきている竹串で問題ないと思うんですけど。


 で、火を焚いて何をするんですかね?


「自由行動!!」


 ちょっ!?華岡先生!?そりゃないでしょ!?



 *



「いる?」

「いるっ!!」


 マシュマロを携帯コンロで焼いてクッキーで挟んで遥さんに渡す。

 コンロは薪でやったら煤付くから止めたほうが良いよ。と早乙女さんが貸してくれた。代償はマシュマロで。ガスも使い切っていいとのことなのでバンバン焼いていく。


 紙皿を貰ってきて、焼いたのをクッキーに挟んでおいておいたら「もらいまーす」とツバサちゃん達が取っていく。

 俺も焼きながら食べる。


 焚き木の近くには多くの生徒が集まり、写真を撮ったり友達と談笑したりしている。一部はなんか踊ってるけど。


「意外とアウトドアもいいね」

「だなぁー。でもデイキャンプまでかなぁー」


 外でお肉焼いて食べるのが良さそう。


「それただのバーベキューじゃん」

「確かに」


 夏になったら何人か誘って行こうか。と誘ってみる。


「祭典が終わってからね」

「それはもちろん!!」


 お盆までは忙しいからお盆過ぎてからになるのは確実。多分お盆過ぎてから一週間は使いものにならないから夏休み最後のほうかなぁ。



 *



「先輩たちって付き合ってるんですか?」


 キャンプファイアーが終わり、ツバサちゃんと一緒に風呂に入っていると聞かれた。

 風呂は20時から22時までなら特に制限なく入れる。丁度今男風呂には俺とツバサちゃんしかいない。ツバサちゃんはちゃんと付いてた。


「へ?」

「飯島先輩とです」


 鈴木先輩は飯島先輩のこと下の名前で呼んでますよね?とツバサちゃんに聞かれた。

 付き合っているのは間違いない。教室でクラスメイトに地味な俺とスクールカーストの上位にいる遥さんが付き合っていると知られて聞かれたりするのが面倒だから誰にも教えていないだけだ。


「んー、まぁ付き合ってるよ。でも、秘密な」


 根掘り葉掘り聞かれるのは面倒だから黙ってるだけだし。と付け加えておく。

 なんたって出会いはイベント会場で女装、男装っていう普通じゃない出会い方だから答えにくい。


「やっぱりですかー、普段どんなことしてるんですか?」

「んー、うちに来て一緒に本読んだり、テレビ見たり、映画行ったりかなぁ。あとイベントも行くかな」


 間違ってはいない。(薄い)本、テレビ(アニメ)、(劇場版アニメ)映画、イベント(同人誌即売会)に一緒に行ってる。

 他にも一緒に服買いに行ったり、コスメ買いに行ったりしているが、服は基本的に女物だし、コスメはあんまり男が買うものじゃないから黙っておく。


「へぇ・・・やっぱりそういう方が女の子はいいんでしょうか」

「さぁ人それぞれじゃないか?」


 そもそも俺と遥さんって趣味の繋がりのほうが強いし、趣味優先は付き合い始めて先に決めあった事だ。


「んんー・・・」


 自分も相手も楽しいと思うことが大事だよ。



 ===>



「遥先輩って、鈴木先輩と付き合ってるんですか?」

「えっ。分かる?」


 真奈ちゃんと一緒にお風呂に入っていると聞かれた。

 今までクラスメイトにも突っ込まれたことなかったけど分かっちゃう?


「はい。遥先輩って鈴木先輩に相当心許してる感じじゃないですか。それでなんとなーく」


 そうかなぁ・・・確かに鈴木君と一緒にいて落ち着くっていうのはあるけど。


「そういう真奈ちゃんだってツバサちゃんと付き合ってるんじゃない?」

「まま、まだ付き合ってません!!」


 ふーん。まだってことは好きではあるんだ。

 たまに見てたけど、二人の距離が相当近いからもう付き合ってるものかと思ってた。

 それに今回のこの組分けで男女グループというので早々と真奈ちゃんの方からツバサちゃんを誘っていたという情報を早乙女さんの班の一年生から聞いていたから、気を引きたい相手を誘ったのかなぁーと思ったんだけどね。

 鈴木君と私は隣の席でよろしくーといった感じを装った。うん。あれは結構いい演技だったと思う。


「ま、まだ付き合ってないんですっ!!」


 大事なことだから二回言ったのかな?


「頑張れ、一年生」



<===



 風呂から上がって部屋に戻ってから、顔に化粧水をつけておく。ツバサちゃんもカバンから化粧水を取り出してつけている。


「あっそれってあのブランドですよね」

「そうそう。安くていいよな」

「ですねー。次はそれにしてみようかな」


 この俺達の会話は一般的な男子高校生ではないというのは分かっている。

 一般的な男子高校生は化粧品の会話で盛り上がったりはしない。はずだ。せいぜい制汗剤ぐらいじゃないかな。



 ――コンコン


 扉がノックされる。


「私だけどー」


 遥さんの声だ。


「空いてるからどうぞー」


 扉を開けて入ってきた遥さん。どうやら渋谷さんはいないみたいだ。


「化粧水忘れたから貸してー」

「はいはい」


 どうぞ。と遥さんに化粧水を渡す。

 前一緒に買いに行ったものだから遥さんも同じものを使ってる。

 この場でつけ始める遥さん。乙女としての恥じらいは・・・?一応ここ男子部屋ですよ?


「あれ・・・?」


 ツバサちゃんが何か引っかかったように首を傾げる。

 そして自分の手に持つ化粧水を見て、んんーと考えて。


「そういえば、なぜ鈴木先輩って化粧水持ってるんですか?」


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