表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アナタの本当の姿は?  作者: kame
社会人
307/339

【第307話】原画室にて

「監督マジですか!?」

「本当に言ってます!?」

「今からじゃ・・・総動員してぎりぎりっすよ!!」


 新入社員を連れて原画室に入ると、制作進行を担当している数人が今の作成しているアニメの監督に詰め寄っていた。なんだろうか? と俺も連れてきた皆も頭を傾げている。先に人事の人と入った人たちも困惑しているし、人事の人も困惑している。


「どうしてもこのカットを入れたいんだ」


 またこの監督の発作か。この監督時々途中でシナリオを追加したくなる発作の持ち主で、確かに追加した後の話がよくなるのは今までの経験上良く分かる。制作進行もそのことを分かっていて、途中でシナリオが変わる事を考慮したスケジュールは毎回作ってはいるけど、今回はその変更が相当大きいらしい。


「確かにそのカットを入れたら、もっと感情移入は出来ると思います。でも、人が足りません」

「同時制作のアニメの方も佳境ですし、そっちに手を割ける人が・・・」


 と、言いながらも制作進行の人達はパソコンを操作して、何かを確認している。


「どうしても出来ないだろうか?」


 監督が再度確認する。


「んーあー・・・リンちゃんと遥斗君に無理を言って出てきて貰えばなんとか・・・」


 なんで、ここで俺達の名前が出てくるんだろうか。遥さんと目を合わせて頭を傾げる。


「そういえば二人ともいないけど、どうしたんだ?」

「別件で2,3日事務所には来れない予定なんですよ。前、連絡来てたけど見てないんですか?」

「見たような・・・見てないような・・・」

「覚えてないなら見てないですね」


 見てても覚えてなけりゃ意味ないな。


「な、なぁ・・・そんなにリンさん達って頼られてるのか?」


 木村君が俺に聞いてくる。


「えーと、リンじゃなくて遥斗がかな。描くスピードがここでもトップクラスだから」


 と木村君には説明しておく。実際、遥斗の描く速度はここの中でもトップクラスだ。俺は標準的って、言われたことがあるけど、遥斗と比べると・・・すごく遅いなって思うし。と話しながらも、制作進行と監督の方をちらちらとみていると仕事をしていた母さんと目が合った。そして俺と遥さんをちょいちょいと手で招かれる。何だろうか。


「ちょっと呼ばれてるみたいだから、行ってくる」

「あぁ」



 *



「ねぇ明日からあっちで来る気ある?」

「は?」


 遥さんと一緒に母さんに近づいて開口一番に言われた。もしかしなくても、さっきの監督の無茶振りに答えようとしているんだろうか。


「さっきの聞こえてたでしょ? 研修休んでもいいからこっち出てこれない?」

「えーと、それは俺じゃなくて人事とかそっちに・・・」

「なら今日中に鈴木君たちの関係する研修は先回しにしてもらって明日からあっちで来れるようにスケジュール組みなおそうか?」


 いつの間にか近くにいた社長に言われる。


「いいんですか?」


 遥さんが聞く。


「大丈夫大丈夫。社内のことだから、これぐらいの調整は出来るから」


 と社長は今日案内していた人事の人を呼び寄せて相談を始める。これは・・・俺達明日からあっちの姿になるな。


「社長。まだ意思確認してないんですけど」


 母さんが社長に言う。


「あ、あぁすまない。先走ってしまったよ」

「調整なら出来るので、二人が大丈夫なら調整しますが。他の研修内容はあとは眠いだけですよ?」


 社長と人事の人がこっちを見てくる。というか研修を担当する人事の人がそんな風に眠いだけとか言っていいんだろうか。


「んー、どうする?」

「まぁいいんじゃない?」


 遥さんと相談してみるが、まぁ正直俺はどっちでもいい。

 人事の人が言うようにどこまで眠くなるのかは分からないが、眠くなるような事をしているよりは時間を有効に使えそうだ。


「じゃぁ、調整しますね」


 と、人事の人は携帯を取り出して電話をかけ始めた。きっと調整するためだろう。


「じゃぁ明日はあっちでね。新歓あるから、そっちの服も忘れないように!!」


 えーと、最初からこっちの姿だとダメなんだろうか。


「ダメじゃないんだけど、いろんなところに知られるリスクがあるけどいいの?」


 ほらあの子とか。と母さんが目線を送った先にはまだ俺達の事は知らない北原さんがいる。確かにばれたくない。だって面倒くさそうだし。


「でしょ? 総務部の部屋は自由に使っていいから、いくつか服おいておけばいいんじゃない?」


 明日服持ってくるかな。



 *



「何の話だったんだ?」


 新入社員のグループに帰ってくると木村君から俺と遥さんに聞かれた。


「えーと、守秘義務に関するから言えないかな?」


 遥さんが答える。木村君だけなら話せなくはないんだけどな。


「守秘義務があるなら仕方ないな」


 無理には聞かない。と木村君は少し演技染みた風に口の前で指をバツにして言った。


「社内でも言えないことはあるからな」


 もしかしてこれを見越して研修の最初のほうに守秘義務の話をしたんだろうか? まぁそんなことはないか。


平成も終わりますね。

平成が終わるまでに完結するつもりだったんですけどねぇ・・・もうしばらく続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ