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アナタの本当の姿は?  作者: kame
大学4年生
250/339

【第250話】最終学年

「うむむ・・・」


 遥さんがリビングの机でプリントを片手に悩んでいる。


「どうした?」

「いやね。今年取る講義ないなぁーって。

 もう卒業単位足りてるから必須とゼミぐらいでいいんだけど、折角だし何か受けたいじゃん?」


 時間にも余裕あるし。と遥さんは言うけど、結構遥さんも忙しいと思うんだけど。今アニメの原画とソシャゲのキャラの仕事を受けてたと思うんですが? あと今はないけど、自分の同人誌の原稿作業もあるよな?


「いつもと変わらないじゃん。まだまだ行けるって」

「それは遥さんだけじゃないかなぁ・・・」


 分量的にも普通に大学行けてるのが不思議な分量なんだがな・・・遥さんはほとんど在宅で仕事してるからあんまり知らないと思うけど、事務所の方では、遥斗君ぱねぇとかよく言われてるの知ってるし。遥斗君が居たらもう怖くないとかフラグ立てる人もいたけど、フラグ回収はなかった。


「ブーメランなの知ってる?」


 在宅でもチャットは回ってくるから、今リンが何をしているかは知ってるんだから。と遥さんに言い返される。俺チャットで何か言われるようなことをしたっけ?


「緊急入院した声優の代わりに声を担当したって聞いてけど?」

「あー、そんなこともあったなぁ・・・」


 二週間入院となってしまって、でもスケジュールを遅らせられないってことで俺に代役が回ってきたことはある。流石に食中毒は健康に気をつけても対処は出来ない。


「それで、いつ休んでもリンがいるから安心だとか言われてたよ?」


 そうあてにされても困るんだけどなぁ・・・


「似た者同士だよね。二人共」


 うちに同人誌を読みに来ていた大崎さんがポツリと呟いた。その今読んでる同人誌はこの前の春休みにあったイベントで手に入れた本だな。前のイベントは大崎さんは忙しくて来れなかったのと、今読んでいる本は購入制限があって代理で買うことが出来なかったから、うちに読みに来てたんだったな。



 *



「鈴木は必須以外に何受けるんだ?」


 大学の四年生のガイダンスが終わった後、大学の食堂で赤崎に聞かれた。俺も遥さんと同じように卒業単位自体は足りてるからなぁ・・・


「どうするかなぁ・・・」


 特に受けたい講義もないしなぁ・・・


「赤崎はどうすんだ?」

「俺? 俺は受けねぇな。就活しねぇと」


 あぁ、そうか。就活が必要なのか。


「いや、教育学部なんだから教員採用試験でいいだろ」


 わざわざ何十社も就活必要ないと思うんだが。俺は結局事務所に呼ばれたから事務所に就職するから、就活もするつもりないんだが。


「それはそうなんだがなぁ・・・」


 落ちたときの保険? とか言うけど、赤崎なら大丈夫だと思うんだがな。


「まぁ選択肢はいくつあってもいいだろ? 俺は鈴木みたいに特技があるわけじゃないからな。

 声変えられるし、歌はうまいし、イケメンにも可愛くもなれるってもうずりぃって」


 天は二物を与えずってことわざがあるだろ!! と赤崎に肩を揺さぶられる。


「どれも努力すればできるようになるって」


 イケメンになれるかはわからないけどさ。声と歌は努力すればなんとかなるって。




 *



「演劇サークル会員募集中でーす!!」


 遥さんと一緒にスーパーに寄って買い物して帰ろうと大学の構内を歩いているとサークルのチラシを押し付けられた。というかさ・・・


「木村君何してんの」

「今日はプリンセスなんだ」


 そこにいたのは木村君だ。今日は姫服を着ている。確かそれ去年の公演で着ていたやつだな。


「はい。姫です。可愛いですよねこの服」


 可愛いけど、もうまったく躊躇なく着るよな。昔はイヤイヤだった気がするんだけど。ちなみに俺は今木村君が着ているような姫服は着たくない。なんといってもロングスカートって動きにくい。あとフリルいっぱい過ぎて趣味じゃないっていうのもあるけど。


「でもわざわざ私達に渡さなくても良くない?」


 一年生に渡そうよ。と遥さんが木村君に貰ったチラシを返す。俺も返しておく。絶対に入らない人に渡したって無駄だろうに。


「二人がいたから毎年の恒例行事として渡したんですけど・・・ご迷惑でしたか?」


 媚び媚びの女声で木村君が言ってくる。その声俺教えたことないし自分で覚えたんだよな?


「ちょっと劇で使う必要があったので、悠里さんの声を目標に頑張ってみました」


 確かに昔に媚びたキャラやってたけどさ・・・


「最近、悠里さんのアテレコするキャラが増えて参考が増えて助かるんだよなぁ」

「あはは・・・」


 今流れてるアニメは冬休みぐらいにアテレコしたやつだから担当したキャラ数も多めだ。これからは大学の授業も減るからアテレコするキャラの数が増える予定なんだけどな。平日だけど、明日の午後は講義にゼミはないと伝えたら事務所にアテレコするから来てと言われたし。


「悠里さん同い年だしすごいよなぁ・・・」


 俺もあれくらい声を変えられるようになりたい。と木村君は言うけど、そんなに声を変えられるようになっても普段の生活には一切関係ないと思うんだけどな。声優とかやるならともかくな。

今回は閑話的な寄せ集めです。

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