【第249話】遊園地
「わぁっ!!」
わたしの従姉妹である玲奈ちゃんを叔父さんが学会のために預かって、叔父さんにもらったチケットで遊園地にやってきた。もちろん遥斗もいる。人数分チケットくれたからね。
「離れないでね」
学校が休みの春休み期間といっても遊園地は人が多くて迷子の可能性がある。まぁ想像していたよりは少ないけど。
「意外と人少ないんだな」
「んー学生は実家に帰ってる?」
大学の人達も実家勢以外は実家に帰ると言って春休みの間いないらしいし。
「あー、皆帰っててむしろ少ないってこと?」
「かも?」
分からないけどね。わたしそういったのを考える専門じゃないし。人が少なくてラッキーとでも思っておけばいいと思う。
「リンお姉ちゃん。遥斗お兄ちゃん早く行こうよ!!」
玲奈ちゃんが遊園地にはしゃぎまくりだから、早く行こうか。
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春休みで実家に帰って、絵描いてたんだけど、昨日祐樹から連絡があって祐樹の従姉妹の玲奈ちゃんを連れて遊園地にやってきた。玲奈ちゃんもいるんだけど、チケットをもらったからどう? といった感じだった。まぁ俺達そもそも遊園地とかあんまり興味ないからチケット貰わない限り行かないけど。
今俺とリンで玲奈ちゃんの手をそれぞれ持ってるんだけど、これ今他から見たら家族に見られないか? 親が若すぎる気もするけど。
「遥斗お兄ちゃんの手、リンお姉ちゃんと同じくらい!!」
両方持ってる玲奈ちゃんが言ってくる。これは俺の手が小さいといわれているのか、リンの手が大きいといわれているのか判断付きにくいな。先に俺が呼ばれた当たり、俺が小さいといわれてる?
「わたしの手大きい?」
「んーん。遥斗お兄ちゃんの手が小さいの」
おぉっと、オブラートに包むわけでもなく直接言ってきた。まぁ小学生だしそのあたりは気にしないか。手が小さいのは仕方ない。だって私女だし。流石に骨格まではどうにもならない。多分リンが小さいんだ。手を繋いでいて小さいなぁとはよく思う。
「手の大きさって気にする人もいるから気をつけようね」
リンが玲奈ちゃんを諭している。俺は気にしないけど、気にする人もいるよな。
「うん。わかった!!」
元気良いな。まぁ俺が小さいっていうのは仕方ないから本当に気にしてないんだけどね。
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玲奈ちゃんの手を取って園内を回る。多分学校のある平日よりは人数は多いんじゃないかな。あんまりわたし遊園地とか来たことないから比較出来ないんだけど。ところどころに制服を着た集団がいるあたり、制服で遊園地という人たちもいるみたいだ。
「玲奈ちゃん何乗りたい?」
「ジェットコースター!!」
んー・・・
「身長的に行けるか?」
「多分速度遅いのなら?」
目測だから微妙なんだけど、玲奈ちゃんの身長、制限身長以下の可能性がある。多分ジェットコースターの前に身長比べる用のパネルがあると思うから計測してみようか。
「そういえば、髪って大丈夫?」
遥斗が聞いてくる。
「ちゃんと止めてきた」
今なら結構強く引っ張られようが外れない自信はある。あとあんまりやりやくはないけど、ウィッグを外すのも一つの手だと思う。今までの髪はそのままで眼鏡をはずしただけでリンと言われるあたり、髪は地毛のままでも問題ないと思うし。伸びている途中の髪と思われると思う。髪質はわたしが言うのもなんだけど、遥さんとあんまり変わらないと思う。ほとんど同じケアしてるからかな?
*
「むぅー」
玲奈ちゃんが頬を膨らせる。まぁジェットコースターの身長制限に引っかかって乗れなかったからなんだけど。まぁこれはどうしようもない。安全のためにも身長は守らないとね。もう少し小さい子向けの方に行けばいけるんじゃないかな。
「あはは。あっちのいってみようか」
そういって遥斗がもう少し身長制限が低めの方を指差す。
「そうする!!」
じゃぁ移動しようか。
*
「お子さんですか?」
玲奈ちゃんの身長にあったジェットコースターに乗って少し別のアトラクションに乗ったあとにパレードの時間まで少しベンチで時間を潰していると聞き覚えのある声が聞こえてきた。というかこの声・・・
「アカネちゃんわかってていってるだろ?」
遥斗が返答する。
そう。そこにいたのはアイドルモードじゃないけど、アカネちゃんがいた。今日は仕事は休みなんだろうか。
「リンちゃんたち子供おったん!?」
それにアカネちゃんの彼女となっている伊佐美さんもその横にいる。まぁ二人共メガネとかメイクで変装はしている。まぁわたし達と違って二人は有名人ですからね。わたしは気が付きましたけど、多分この状態なら気が付かない人も多いと思いますね。見た目は女子だけど、実際のところ男女での遊園地デートって感じですかね。
「年齢考える」
どう考えたってわたし達の年齢で玲奈ちゃんぐらいの年齢の子供は難しいと思うんですよ。
「まぁせやけど、ちょっとのってくれてもええやん。リンちゃんの家系?」
少し顔似とるし。と伊佐美さんに言われる。玲奈ちゃんとわたしって似てるんだろうか。
「まぁ似てるよな」
遥斗まで・・・
「なので、二人の子供でもおかしくないかなーって少し思ったりも?」
アカネちゃんがやっぱり似てるとわたしと玲奈ちゃんの顔を見ながら言ってくる。わたしの子供と思われるぐらい似てますかね。
「二人はデート?」
「ですね」「せやね」
やっぱり二人でデートでしたか。
「女の子同士なのにデート?」
玲奈ちゃんが不思議そうにわたしを見上げて聞いてくる。
「まぁ色々あるからね」
わたし達、BL、GLじゃないのに色々ややこしいですからね。




