表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アナタの本当の姿は?  作者: kame
大学3年生
233/339

【第233話】クリスマスライブ

「皆さん。こんばんはー!! 今日はクリスマスライブ来てくれてありがとうございまーすっ!!」

「「「悠里ちゃーん!!」」」


 わたしはドームを埋め尽くす人を見ながら、ステージで声を上げた。わたしの名前を呼ぶ声も聞こえてくる。あと、ここにいるというのを示すために手を大きめに振る・・・思ったより腕についてるフリル邪魔。


 ライブが始まったことで、観客席の人たちから歓声があがる。それはわたしに対してだったり、今回のライブに出演する出演者に向けたりで様々だけど、皆テンションはあがっているみたいだ。


 クリスマスライブとは言っているものの、開催日はクリスマス前の土曜日なんだけど。今回も事務所の意向というか出演者の意向か知らないけど、クリスマスイブとかの当日じゃない。あと、単独ライブじゃなくてうちの事務所の合同ライブだ。

 というかですね、わたし今回このクリスマスライブ関係なかったはずなんですよ。だって数日前まで今日の予定はなかったんですから。お呼びがかかったのも一昨日っていうね。


「なんで、わたしが司会しているのか疑問に思っている人もいるかと思うので説明したいと思いまーす」


 SNSのほうで本来司会をする人だった大物声優が呟いてはいるけど、見ていない人に説明をしないと。


「元々司会の予定だったぐっちーさんがインフルエンザになって自宅待機となったんで、代わりに手の空いていたわたしがやることになりましたー!!

 ぐっちーさん目当ての人はごめんねー!!」


 うちの事務所では珍しい男性声優のぐっちーさんは、今日も高熱と連絡もらっている。司会をさせたら声優界随一なんだけど。インフルエンザは仕方ない。


「「「悠里ちゃーん!! さいこー!!」」」

「何が!? なにもしてないですよ!?」


 観客の方から声が上がる。つい突っ込んでしまった。何が最高なんだか・・・


「ま、まぁわたしのことは良いので、ゴホン、折角だからこっちで話すか」


 ぐっちーさんの声真似をしてみる。一応本人にはしてもいいと許可を貰っている。むしろリンちゃんなら俺からお願いしたいぐらいとか言われた。


「「「おぉっ!?」」」


 そういえば、ぐっちーさんの声真似は今までしたことなかった気がしますね。


「はい。どもー」


 ぐっちーさんのよく司会をする初めの決まり文句だ。わたしに決まり文句はない。しゃべりながら声色を変えるってのを昔はしていたけど、最近は知れ渡ったのか、わたしの悠里としての標準の声で皆わかってもらえるようになったからそんなに変えてない。


「それじゃぁ最初に歌ってくれるのは~」


 さてと、時間も考えないといけないし、一人目歌ってもらいましょう。



 *



「じゃぁこの時間からはボクに加えて、VoiceResearcherの一人、はるさんにも司会を手伝ってもらおうと思いまーす」


 準備のできたVoiceResearcherの時の恰好をした遥さんもステージに上がってきて、司会は二人体制に。遥斗として一緒にわたしの楽屋まで来ていて、社長に出てみない? といわれて出るようにしたらしい。服は色々準備があったからそこから借りた。


「わたしの事知らない人のほうが多いと思うんだけど」

「まぁそうかもしれないけど、わたし一人で司会させないで!! 手伝ってよ」

「いままで一人でやってるのに、何をおっしゃいますか」


 ステージで次の出番の守山さんの準備ができるまでトークでつなぐ。守山さんはこの前出演していたドラマの主題歌をうちのアイドルグループと歌ってるから、今回ライブで歌うとのこと。代わりに私の声で歌って!! とか楽屋で言われたけど、無理。練習もしていない歌をすぐにはちょっと歌えない。



 *



「ライブ成功を祝してカンパーイ!!」


 ライブが終わって予約していたお店で乾杯する。ライブ出演者だけではなくて裏方も入れた人数だから少し大きめのお店を丸々貸し切った感じだ。何度も打ち上げで使っているお店だからか皆慣れた感じでバイキング形式の食事を選んで、飲み物をもって乾杯した。今回はわたしはお酒は飲まない。車で帰るからね。今日は遥斗も疲れただろうからわたしが運転します。


「リーンさん!! 今日のライブいたんですね?」


 実は朝からずっと裏方として働いていた高崎さんがわたしに声をかけてきた。ステージに立っていた悠里スタイルじゃなくて今はいつものリンスタイルだから高崎さんに声をかけられたんだと思う。一応裏で悠里として話したんだけど気が付かれなかった。

 あと、会社関係だとその口調で行くんですね。


「ん。いた」

「そうなんですね。ただすれ違っていただけかな」


 わたしの周りで事情を知っている人たちがにやにやとわたしと高崎さんのやりとりを見ている。

 まだわたしが色々同一人物というのが高崎さんにばれてないのは多分、わたしが平日大学で事務所に居なくて、土日しか行ってなくて、関わりが少ないからだと思う。基本的に新人の人はカレンダー通りの休みだからね。


「悠里さんどこ行ったか知りませんか?」

「知らない」

「ぶっ」


 周りの人が笑いを堪えられなくなって吹き出したけど、目の前にいるなんて言いませんからね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ