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アナタの本当の姿は?  作者: kame
大学3年生
229/339

【第229話】文化祭2

「鈴木君。鈴木君。これ着てみて!!」


 そういって一人の女子生徒が衣装を俺に押し付けてきた。コスプレ衣装は教育学部の一部がどこからか調達してきた。

 押し付けてきた衣装を広げ・・・広げるまでもないな・・・露出の大きな駆逐艦のコス服だ。本当になんでこんなの持ってきてるんだか。


「いやだ!!」


 というか俺ミニは履かないから!! どの格好でもミニは嫌だ。


「コスプレならいいんだよな!! 制服コスでもいいよな!?」


 用意されているコスプレ衣装の中には比較的落ち着いた感じの制服もある。女子高生がバンドするアニメの制服だ。少しだけラインナップが古いのは、多分数を揃えるためだろう。後壊されたくないっていうのもあるかな? でも結構今年のアニメのコス衣装もある。


「えー鈴木君にはこれ着てもらいたいんだけどー」

「流石に無理。それ自分で着れる?」

「むりー」


 自分で着れないのを人に押し付けるんじゃない。女子も嫌な超ミニを男子が着るなんてどんな苦行ですかね。俺リンでも里奈でも突拍子もない恰好はしないんですが。


「じゃぁ私が着れるのなら着てくれるの?」


 ビキニとか。と言われる。何、そんなに俺にそれ着てほしいの?


「ビキニは・・・あははー」


 着れなくはないけどなぁ。笑ってごまかしておこう。


「着れるの!?」

「さぁどうだろうねー」


 その反応は着れるに一票!! と別の女子に言われた。聞こえてたんだな俺たちの話。


「とりあえず!! 俺は着ないから!!」


 着るならこっち着るから。と言ってからハンガーにかかっていた昔、須藤君と遥斗と俺が主役の声優をした男の娘怪盗物のアニメで忍び込んだ先で変装したメイドのメイド服を選んで更衣室に逃げさせてもらう。


「あっちょっ鈴木君!! これ誰が着たらいいのっ!!」


 知らないです。



 *



「ねぇ。着替えてて思ったんだけど、わたしたち撮影会だよね? わたし達がコスプレする必要なかったんじゃない?」


 メイド服を着てキャラのウィッグと里奈用のメイクをして帰ってきてから、里奈用の声で聞いてみた。


「まぁそうなんだけど、やっぱりスタッフもコスプレしてたほうがハードル下がるじゃん?」


 コスプレしてない中で一人だけコスプレっていうのも居心地悪いしと言われたら納得するしかない。確かにそうだ。


「というわけで、うちの看板娘よろしくっ!!」

「はい?」



 *



「コスプレ撮影会していまーす。よろしくでーす」


 キャラの声に合わせて、出店の宣伝をしているところでプラカードを持って宣伝していく。まぁある程度話題になったアニメだから何人か立ち止まってこっちを見てくる。


「わぁっ声そっくり!!」

「えっ本人!?」

「さぁどうでしょー?」


 年齢は一緒ですねーと寄ってきたカップルに声を変えながら答えて、いつの間にか用意されていたチラシを渡しておく。ちなみに変えた声は遥斗が担当していたキャラの方の声だ。


「おぉっ!!」

「すごっ!?」


 と言われながらもチラシは受け取ってもらったから軽く開催場所の案内をしておく。


「ほかには!! なんか出来そうなんだけど!!」

「ボクそれ以外できませんよぅ・・・」


 今度は須藤君の担当していたキャラの声でね。素直にカップルは驚いてくれて、すごいすごい言ってくれる。最近アテレコしてても事務所の皆が慣れちゃったから、久しぶりの感覚だ。


「里奈はなにしてんの?」


 遥さんがわたしの現れて声をかけてきた。ちらちらと視界の端にはいたけど近寄っては来なかった。なんかこのカップル相手に声を変えて対応してたらあっやっぱりといった感じで近づいてきた。


「チラシ配り。遥さんもどう?」


 地声に戻していってみると、カップルの二人がはっ!? と固まる。


「これ地声でーす」


 いやーこの瞬間が楽しいですわ。とカップルの二人に手をひらひらと振ってみる。再起動を果たしたカップルはわたしを見て、うわっまじなのか・・・? と不安になっている。


「ちなみにここ行けば、わたしがメイクを仕込んだ人たちがメイクしてくれるから、結構近くなるかも?」


 結構メイクを女子中心に仕込んで、コスプレメイクをできる人は結構増やしておいた。


「ちょっと行ってみない?」「おう。行ってみようぜ」

「二名ごあんなーい」


 案内役いないんですけどね。と里奈用の声に戻してもう一度案内しますかね。



 *



「そういや、なんで一人なの?」


 遥さんがわたしの横でチラシを配るのを手伝ってくれながら聞いてきた。


「最初は一人じゃなかったんだけど・・・」


 あっち見て、と遠くにいる赤崎を指さす。


「うゎ・・・」


 遥さんもすぐに赤崎を見つけたのか、声をあげた。うん。その反応は正しいと思う。

 元々は一人じゃなくて赤崎と一緒にチラシを配る予定だったけど、少し理由があって赤崎から離れていった。なんか、俺が里奈さんの近くに居たら比べられてつらいとか言ってた。まぁつまりは赤崎もコスプレしてて似合ってないんですよね。で、そのコスプレっていうのが・・・


「なんで島〇なの」


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