表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アナタの本当の姿は?  作者: kame
大学3年生
207/339

【第207話】居酒屋(飯島家と)

「えーと、この問題を解くにはこの公式を使って・・・」

「あっ分かった!!」


 わたしは今、遥さんの妹である梨花ちゃんに勉強を教えている。

 梨花ちゃんも中学3年生だから、高校の志望校を決めて、受験に向けて勉強中だ。志望校はわたし達の通っていた高校とのこと。あそこだったら華岡先生もいるし家からも比較的近いから安心だ。


 受験はまだまだ先だけど、毎日コツコツが大事と梨花ちゃんは言っている。ゴールデンウィークに帰省して、飯島家に遊びに来ていたわたしに勉強を教えて欲しいと言ってきたから教えてる。リンの理由? さぁなんでだろう? 癖?


「なんで遥さんに聞かないの?」


 わたしが教えるのは別に構わないんだけど、今机で漫画を描いている遥さんに聞いてもよかったんじゃないかなって思うんですよ。


「お姉ちゃん勉強は出来るけど、教えるの下手だから。リンお姉ちゃんの方が教えるの上手!!」


 遥さんが机に突っ伏した。そこまでショックだったんだろうか。


「どーせ私は教えるの下手ですよー」


 床にクッションを敷いてそこに座っているわたしと梨花ちゃんからは見えないけど、のの字でも書いてるんだろうか。手が動いてる。


「多分ある程度出来る人にはお姉ちゃんの教え方でも良いと思うんだけど、私みたいな馬鹿には理解できなーい」


 梨花ちゃん馬鹿じゃないですけどね。一応中学校の成績だと順位的には半分以上には居ますし。三年生の理解度次第だけど高校は受かりそうですよね。



 *



「リンちゃんはお酒呑めるんだった?」


 今日は休みだった遥さんのお父さんの哲夫(てつお)さんが遥さんの部屋に入ってきて聞いてきた。もちろん飯島家の人たちはわたしが遥さんと同居している彼氏というのは知ってます。普通に受け入れられてますけどね。遥斗という例があるからですかね? 


「呑める」


 遥さんよりは全然呑めますよ。遥さんと比べたらほとんどの人が呑める人になりますが。


「今日一緒に晩御飯食べに行かないかい?」


 新しく居酒屋見つけたんだ。と誘われる。それ、わたしどっちの姿でですかね?


「そのままでいいよ」

「ん。わかった」


 家に晩御飯食べて帰るから自分で用意してって連絡入れておかないと。材料は買ってあったと思うからなにか適当に作れるんじゃない?



 *



「それじゃぁ乾杯」

「「乾杯」」

「「かんぱーい」」


 哲夫さんの音頭でグラスをあわせる。哲夫さんは生でわたしと遥さんのお母さんの愛衣(あい)さんはカシオレ。遥さんと梨花ちゃんはオレンジジュースだ。まぁ遥さんが呑むのは色々危険ですし、梨花ちゃんは未成年ですからね。


「はっはっは。俺以外女子でハーレムだな」


 哲夫さんがビールを呑みながら上機嫌にいう。見た目上はそうですけど・・・


「あなたは、それでいいの?」


 愛衣さんが哲夫さんにツッコミを入れる。ちらりとわたしにも視線が来るけど、まぁそう言われるのはわたしは慣れてますので。肩をすくめておく。


「まぁ慣れてる」

「私はリンお姉ちゃんの方がいい!!」


 梨花ちゃんはリンの方が好きですよね。


「だってお姉ちゃんより気持ちいいもん」


 いい匂いだし。と梨花ちゃんに言われる。匂いは香水かな? ほんのりといった感じの匂いのをほんの少しだけつけてるからね。


「まぁそう言ってることだし、いいだろ?」


 あーハーレムっていいよなぁ。と哲夫さんは言いながら枝豆を食べてビールを呑む。そういえば、この人もエロゲーとかするタイプの人でしたね。梨花ちゃんもまだやってるのかな?


「お父さんのゲームなら息抜きにやってるよ?」


 やってるんだ。



 *



「遥のどこが良かったんだ?」


 少しアルコールの回ってきた哲夫さんが聞いてきた。少し期待したような遥さんの視線がわたしの方に来る。


「んー、やっぱり一緒にいてほっとできるところですかね」


 地声に戻して、答える。やっぱりこういうのは作った声じゃなくて、自分の地声で答えたいと思う。

 おぅっ!?と飯島家の遥さんを除いた皆が急に地声に戻した俺に驚く。


「やっぱり二人でいると落ち着くんです」


 何も誰も彼もが心臓の張り裂けるような恋愛をする必要はないだろうし、俺たちがそれだ。落ち着くから一緒にいる。カップルの中には体関係を求める人もいるかもしれないけど、やっぱり居心地がいいのがいいと思う。


「あと、わたしのこれも受け入れてくれてるっていうのは大きいですね」


 リンの声に戻しながらいうと、なぜか飯島家の皆が息を吐いた。


「やっぱりそっちの声でないと落ち着かないな」

「うんうん。なんか多分地声なんだろうけど、全然別人に思えてきちゃって鳥肌が」


 特にわたしの素と2,3回しか話していない哲夫さんと愛衣さんが腕をさすりながら言った。そんなにリンの姿で地声で喋ったとき変ですか・・・?


「まぁともあれ、一緒にいて苦痛に思わないっていうのは大事なことだな」


 うんうん。と哲夫さんはうなずいた。


「これからも遥のこと頼んだ」

「はい」


 もちろん。

暑さでパソコンが怪しいので、新しいパソコンを発注しました。

届くまでは誤魔化しつつパソコンとタブ、スマホで書いていきますので更新頻度が下がるかと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ