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アナタの本当の姿は?  作者: kame
大学2年生
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【第194話】クリスマス

「今年のクリスマスどうする?」


 12月に入った朝、一緒に朝食を食べながら遥さんが聞いてきた。今日はトーストの上にハムエッグを乗せている。あとはコーヒーメーカーで淹れたコーヒー。前サイフォン欲しいと思ったけど、結局買ってない。


「クリスマスかぁ。登坂さん達誘ってプチパーティーでもする?」 


 少なくともうちは4人入っても全然余裕あるし。


「いいねー誘ってみておーけーならやろっか」


 祐樹はどっちの格好? と聞かれる。


「まぁみんな次第?」


 遥さん達の前ならサンタ服でもいいけど。


「いっそ皆でサンタコスする?」

「おけおけ」


 確かたまに行く量販店で売ってたよなぁ。サンタコス。



 *



「リンちゃん。遥斗君。事務所でクリスマスパーティーするんだけど、何か用事・・・あっごめん。やっぱいいや。二人でクリスマスは楽しむよね。忘れて」


 事務の人が事務所で遥斗とお昼ご飯を食べていると近寄ってきて聞いてきたけど、何か自己解決した。何? どういうこと?


「だってクリスマスだよ? リンちゃん達二人で夜楽しむんでしょ?」


 あー、性なる夜って奴ですか。冬の祭典の準備でそんなにクリスマスを意識したことはなかったけど、今年は色々順調に進んでいて余裕がある。


「遥斗はそういうのをしたい?」

「えっ!? いや、ちょっとリン!?」


 遥斗が慌てる。え? 何かまずいこと言った?


「リンが言うとは思わなかったんだけど!!」


 わたしだって色々読んでるんですから、それなりに知識はありますよ。


「えぇーと二人クリスマスパーティーどうするの?」


 あっ、ごめんなさい。ちょっと忘れてました。


「で、どうする?」

「折角のパーティーだし、参加する?」

「ん」


 折角ですし参加しますか。

 登坂さん達とはまだパーティーの話はしてないので、大丈夫ですね。



 *



「リンさん。遥斗さんお疲れ様でーす」


 会場はうちの事務所のビルのワンフロア。普段はアイドルやバックダンサーが練習するためにワンフロアぶち抜いた空間でわたしの知っているうちの事務所の部屋では一番大きい部屋になる。それでも足りないから、もう一階上にも同じようなワンフロアぶち抜いた同じような練習用の部屋があるからそっちも用意している。

 そこにケータリングで色々な料理が並んでいる。お酒の前にはお酒は未成年と運転手は絶対に飲むなという張り紙もある。あれ社長の手書きですね。


「お疲れ様」「おつかれー」


 わたし達が会場に入ったときに声をかけてきた須藤姉妹に見える須藤姉弟に言葉を返す。ほんと今日は二人共ミニスカサンタで可愛いですね。


「リンさんもサンタですよね」


 膝丈ですけどね。ミニも着れなくはないですけど、趣味じゃないので。


「その見せないのが、いいんじゃないですか」

「そうそう。見えないエロさってあるよな」


 遥斗は何言ってんですか・・・須藤君は男の素足見て楽しいですか? さっきからずっとわたしの足見てますけど。


「普段も見てますけど、きれいだなぁって。リンさん毛とかどうしてます?」


 須藤君が聞いてきた。足の毛ですよね?


「あんまり生えない。放置しても目立たないくらい?」


 まぁ一週間に一回で十分ですね。毎日女装するわけじゃないっていうのもありますけど。元々目立たないので、それぐらいで全然大丈夫です。


「ひ、ヒゲは・・・?」

「同じぐらい」


 ヒゲも一週間に一回ですね。ほっとんど出ていませんけど。


「いいなぁ・・・」


 そういう須藤君は結構生えるんですか?


「まぁ毎日剃る必要があるぐらいには生えますね」


 レーザー脱毛でもしちゃいましょうか。と須藤君は顎をなでながら言った。まぁ自分のお金でするなら全然いいと思いますよ。



 *



 参加者が揃ったということで乾杯をする。わたしの周りには遥斗、須藤姉妹、近藤、柊さん、早乙女さん、伊佐美さんに姉さんと杉本さん。あとパロメロの二人に大崎さんと登坂さん。


「ん? なんで二人が?」


 なぜ大崎さんと登坂さんがいるのかが分からない。パロメロは伊佐美さんか姉さん繋がりで呼んだんだと思うけど。


「お父様から行ってきたら? って言われて来たの。お父様はなんか忙しいからって・・・」


 なるほど。だから、今日はしっかりとドレス着て化粧してるんですね。そういえば、何人か招待するとは言ってた気がする。


「まぁ完全に間違えたんだけどね・・・もっとカジュアルで良かったじゃんって」


 リンさんだってサンタだし。とわたしの姿を見ながら言った。ちなみにわたしのサンタコスは遥斗がリンはこれがいいと押し付けてきました。それがなければわたしは適当な服だったんですけどね。

 ただカジュアルで来てとか言ってないのはうちの事務所の落ち度ですね。すみません。



 *



「リーン」


 遥斗がわたしに急に抱きついてきた。ってこの匂い・・・


「お酒飲んだ?」


 すぐ横にある顔を見てみるといつもより赤い。


「飲んでないよー」


 いや、酔ってますよね?

 酔った状態で遥斗の声をよく維持しているとは思いますけど、遥斗、酔ってますよ? 


「んっ!?」


 遥斗がわたしの太ももに手を這わせて撫でる。ちょっと、わたしそういうの慣れてないんですけど!! 急だったから声出ちゃったし!!


「リンのここって柔らかくていいよね」


 また撫でてくる。今度は覚悟出来てたから声は出さない。


「酔ってるから別室行く」

「酔ってないってぇー」


 酔ってるって。とりあえず、別室行くよ。


「リン」

「何っん!?」


 急に遥斗に呼び止められて、反転させられると遥斗に唇を奪われた。周りが沸き立つ。


「んーやっぱ柔らかー」


 遥斗、せめて人がいないところに行こ?

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