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アナタの本当の姿は?  作者: kame
大学2年生
181/339

【第181話】ドラマ撮影

 今日は守山さんのドラマ撮影の送り迎えで撮影スタジオにやってきた。まだ少し早めに入っているから楽屋で守山さんはセリフの練習をしている。


「ねぇねぇリンさん。ちょっとこっちの人の役やって」

「ん」


 えーと、確かこの配役の人の声はっと・・・


「あーあー、おけ」

「おぉっやっぱりそっくり」


 すごいわぁ。と言われてわたしは少しだけ嬉しい。

 守山さんから台本を受け取って、二人で練習を始める。といってもわたしはそこまで話のストーリーを分かっていませんけどね。

 守山さんがドラマに出ているから一応ドラマは見てますけど、まだ今持っている台本よりも3話前しか放映されていませんからね。だからネタバレではあるんですけど、まぁ・・・アニメのアテレコも似たような感じですし。今更ですよね。


「あーほんとリンさん居ると練習がはかどっていいわー」


 ずっと私のマネージャーして? と守山さんが言ってくるけど・・・


「まだ就職すら決めてない」


 というよりわたしの本職は声優であってマネージャーじゃないんですけど。



 *



「それにしても本当に鈴木君なの?」


 着替えるの手伝ってと言われて手伝っていると守山さんから聞かれた。普通それ知ってたら着替え手伝ってとか言わないんじゃない? 


「疑ってる?」

「そりゃね・・・だって一緒にトイレにも行ったし・・・」

「あー・・・それはごめん」


 男が一緒に女子トイレにいたら嫌ですよね。


「いや、いいんだけど、いいんだけど。なんかリンさんがそのまま男子トイレに入るのは危険な気がするし・・・」


 もうそう言われるの慣れたけどさ・・・



 *



「そういえばリンさんもこのドラマ見てくれてるんだっけ?」

「ん」


 守山さんが出てるから遥さんと一緒に見てますね。


「見てるの教えた覚えない」

「だってSNSに書いてたでしょ?」


 一瞬だったけど尊いところがあったから書いたけどさ。

 SNSも教えた覚えないんだけどね・・・


「ドラマ撮影で大学は行けてる?」

「まぁ出席がギリギリ? 成績は行けてるんだけどね」


 五年行くことになるかもね。と軽く言うけどさ。お金も余計にかかるし頑張って大学は行ってね?



 *



「リンちゃんだ」


 ん? あぁ。確かKB18の人でしたっけ。そういえばこのドラマに出てましたね。

 わたしのこと覚えていてくれたんですね。


「あれ? リンちゃんだ。 ドラマ出る?」

「は?」


 監督。リンちゃん知ってるんですか!? とKBの人が監督に聞いた。

 この人、このドラマの監督だったんですね。時々イベント会場で見る人なんですけど。


「まぁ俺リンちゃんとこのサークルのファンだからな!! 丁度あと一人ナース役ほしかったんだよ」


 最初の脚本だと今の人数でも良かったんだけど、ちょっと変えたら人が足らなくなっちゃったんだよね。と監督の人が言う。なんという行き当たりばったり・・・


「演技素人」

「どこの口がそんなことを言ってるのー」


 私より演技上手いくせにーと守山さんがわたしの肩を揺らしながら言う。


「練習もなしには無理」

「それを文化祭でやったのはどこの誰ですかー」


 佑樹というのを教えたから昔の情報が出てくるんですよね・・・教えるべきじゃなかったかな・・・


「え? 何リンちゃんと守山さんって同じ学校?」

「まぁそう」


 わたしこの姿で学校には行ってないですけどね。


 *



「撮影お疲れ様ー!!」


 カンパーイと主役のKB18のえぇーっと・・・


大藪(おおやぶ)君お疲れ様でーす」「リーダーお疲れ様ー」


 そうそう。大藪さん、大藪さん。わ、忘れてたわけじゃないですよ? KB18のリーダーをしている人が乾杯の音頭を取っている。

 お酒を飲んでいる守山さんを尻目にわたしはジュースを飲む。わたしは運転がありますからね。


「わたしお邪魔してよかった?」

「何いってんの・・・ナースだけじゃなくて、急に決まったアナウンサー役まで完璧にこなしちゃって」


 そう。足らないナース役だけかと思ったら、アナウンサー役もさせられた。ちゃんとギャラは貰いますからね。メイクでちょっと顔は変えさせてもらいましたけど。

 事務所に出演どうか聞いたら、即時オーケー出たんですけど・・・


「リンちゃんって凄いよな!! ぜんぜん違う声で演じれるし!!」


 大藪さん。もうちょっと酔ってます? 今日は立食スタイルなので移動しやすいんですよね。


「声はわたしの本職」


 アルバイトですけど。


「声が本職って? 声優なの?」

「そう。アルバイト声優」

「そうだったんだ」


 へぇーリンちゃん声優なんだ。と大藪さん。


「うん。声優のはず・・・マネージャーじゃない」

「それ、私が頼んでるからね!! リンさんと一緒にいるのが楽だから!!」


 守山さんの要望だったんですか・・・



 *



 車を停めている駐車場まで大藪さんが送ってきてくれた。ちょっと守山さんがテンション高めにふらついてますからね。

 とりあえず守山さんを後部座席に乗せてエンジンをかけて窓を開ける。


「じゃ、大藪さんも気をつけて」

「おぅ。お疲れ様ー」

「お疲れ様です」


 じゃ、守山さんの家まで送りましょうか。

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