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アナタの本当の姿は?  作者: kame
高校一年生
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【第18話】アイドル2

「すみません。失礼します」


ライブイベントが終わった後、着替えたらまた合流ということにしてライブハウスの近くにあった喫茶店で待っていると、遥斗と座っていたボックス席に一人増えた。

目を隠すぐらいの長さの髪の男性で、太めの黒縁フレーム眼鏡をかけている。なんというかもさい。普段のわたしのようだ。

大体正体隠す人って黒縁眼鏡なんだけど、なんでだろう?やっぱり地味に見えるから?遥斗も黒縁眼鏡だけど、どちらかというとおしゃれ眼鏡だから、そんなに野暮ったいイメージはない。


「アカネ君?」

「はい」


本名なんです。とさっきまで女性アイドルだったアカネ君は見事にもさい男性にチェンジしていた。


「へぇー」


ちょっ、なんで遥斗はそこでわたしと見比べるんですか!?

確かにわたしの普段とよく似てますけど、今は全然違いますよね!!


「すみません。僕なんかがアカネですみません」


もしかして素はネガティブなんだろうか。

どちらもテンションの高い遥さんは珍しいのかもしれない。


「まぁまぁ、そうネガティブにならないで。何か飲む?あっ店員さーん。コーヒー追加でー」

「すみません。あ、ありがとうございます」

「とりあえず謝るの禁止」


喋るごとに謝られても困る。

高校生ってことだったし、わたし達とはそう年齢は変わらないはず。

まぁ高校って年齢制限ないから相当年上ってこともありえなくはないけど、見た感じほぼおなじ年だと思う。


「すみません」

()め」


これ素だとずっとこんな感じなのかもしれない。



===>



アカネ君は、よく謝る人だ。

アイドルやってるときはそんな雰囲気なかったんだけど。多分あっち(女装)の場合は気の持ち方が違うんだと思う。

俺やリンの素と今の状態の場合、今の状態の方がグイグイいける。

存在しない人間になっているからこそ大胆に行くことが出来る。もちろん捕まるようなことはしないし、常識外れなことはしないけど多分私が遥斗でなかったら鈴木君に告白なんて出来なかっただろう。あの時は半分気持ちは遥斗だったし。


リンが謝るアカネ君を止めている様子を見ながら俺は頼んでおいたコーヒーを飲む。

俺もリンも喉を酷使するような声の変え方はしていないが、やはり地声よりは喉を使うから水分は欲しい。

声を張り上げる必要のあるアイドルをやっているアカネ君は凄いと思う。短い間なら男声のまま声を張り上げることも出来るけど、今日のライブみたいに長い間となると無理だ。


「すいません」


また謝ったし。





リンがトイレに立った時に伝票を持っていって代金を払っていたのを知ったアカネ君が払おうとしていたのを阻止して、リンの伝手でいつもアニメの録音をしているというスタジオを借りれたから移動した。

どうやらリンの所属する事務所のスタジオで空いていたらタダで使えるらしい。タコパしたこともあるとか言ってた。いいのかそのスタジオの使い方・・・


リンが事務所所属ということを知ったアカネ君は驚いていた。

まぁ声優だった上に、事務所がアニメ作成まで手がける最大手だからな。

俺も事務所はリンからは聞いたことないけど、悠里のサーチしてたから事務所の情報は知ってた。

リンはアルバイトだからーとは言ってるけど、未だにSNSでは悠里の話題沸騰中なんですがね。


「んー、録音設定は・・・」


俺はスタジオに入るのは初めてだ。高そうな機材がゴロゴロとしている。

パソコンを立ち上げたリンが操作して録音ソフトと解析ソフトを準備している。


「えっと、僕事務所違うんですけど・・・」

「大丈夫。うちの事務所でそんなの気にする人は居ない」


本当にゆっるい事務所だから。でも機材は壊さないで。とリンは調整が終わったのかマイクをアカネ君に渡した。

最大手なのにゆるいのか。むしろ最大手だからこそ余裕があると言っていいんだろうか。


「まずは自分の声がどんな声なのかを把握する」

「千里達に教えた時にそんなことしてたっけ?」


俺の記憶が正しければ、屋上で練習しているだけで録音とかしてなかったと思うけど。


「してない。

あの時は機材がなかったから。スマホでも録音出来たことに気がついたのは後になってから」


あー、確かにここに千里達を連れてくるわけにはいかないか。

俺も今の今までスマホで録音出来ることなんて忘れてたわ。


「まぁ適当に喋ってみて」

「は、はい」



<===



「声には周波数があるというのは歌を歌う関係で知ってると思う。

で、この周波数を変えれば声が変わる。

やろうと思えば、こうやって変えることが出来る」


普段のリンの声から高音の女声まで持っていってから超低音の男声まで落としたり、声を喋りながら変えてみる。

切り替えが分からないように頑張って声を変えてみた。

普段は一呼吸入れて変えるようにしているが、やろうと思えばツマミを回すように変えることだって出来る。


「すごいっ!!」

「まぁ今回のリクエストは少し高音の女声だから、こんな感じ?」


とりあえず目標とする声を作りながら聞いてみる。

アイドルしてるアカネ君の声を少しだけいじった感じだけど。これでいい?

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